満員電車にスーツケースやキャリーバッグを持って乗るのはマナー的にOKなのか、それともNGなのか。
朝夕の通勤ラッシュで混雑する鉄道への大きな荷物の持ち込みの是非について考えてみた。
最近では、例えば京都市で混み合うバスに大きな手荷物を持って乗りこむ外国人観光客が問題視されている。鉄道もこれと事情は似ている。やはり迷惑な行為に該当するのだろうか。
8~9時はマナー的にNG
朝ラッシュのピークである8:00~8:00までの時間帯に限っては、スーツケースやキャリーバッグ等の大きな荷物を持って満員電車になるのは、現状を見るとNGという判断する。
路線によっても混み具合は異なるものの、大都市圏では通勤客が最も殺到する時間帯になる。8~9時でも空いている鉄道路線は存在しない。
東京近辺の首都圏、大阪近辺の関西圏は特に中心部へ向かう鉄道路線は例外なく満員電車に確実に達する。
比較的時間に余裕があることが多い旅行客や出張客であれば、なるべくは避けるべきといえる。
乗客同士が触れ合うほど超満員で、駅によっては積み残しが発生するほど混んでいる路線では、マナー的には良くないのが想像できる。
やむを得ない場合なら仕方がないかもしれないが、基本的には大きな荷物を持ち込める時間帯とは程遠い。
時間帯ごとのOK・NG
時間帯ごとのスーツケース・キャリーバッグの電車内への持ち込みのOK・NGを区別すると、以下のようになるのではないか。
<時間帯ごとの大型荷物の是非> | ||
時間帯 | 持ち込みの是非 | 感想 |
始発-7:00 | 可 | 全く問題なし |
7:00-8:00 | できれば避けたい | 朝ラッシュがスタート |
8:00-9:00 | 好ましくない | 迷惑になるかも |
9:00-17:00 | 可 | 全く問題なし |
17::00-19:00 | 好ましくない | 帰宅ラッシュのピーク |
19:00- | 可 | 全く問題なし |
通勤ラッシュのコアタイムになる7~9時と17~19時はどうしてもスーツケース・キャリーバッグを持って電車の乗るとほかの乗客はそれを邪魔だと感じてしまう。
特に朝の上り列車、夕方の下り列車では混雑が集中する。大きな手荷物を持っていると、その分スペースを余計に取る。
ラッシュ時にベビーカーを乗せることすら批判される事例が結構見られる中、大きな荷物は避けるのが好ましいのは確か。
朝に電車に乗るのであれば、なるべく7時前または9時以降にずらすことに努力するのがマナーとなる。
空港アクセス路線、有料列車は例外
ただし、朝夕の通勤ラッシュの時間帯でもスーツケース・キャリーバッグを持ち込んでもマナー的にOKとなる例外もある。
具体的には、以下のような例が挙げられる。
- 空港へアクセスする路線
- 新幹線
- 在来線特急
空港へ向かう電車はOK
ますは空港アクセス路線。空港へ向かう人は基本的に宿泊を伴う遠隔地へ向かう人たちが中心である。当然ながら荷物も大きいものになる。
空港への交通手段となる鉄道路線では、朝夕でもスーツケースやキャリーバッグを持っている人が多い。そのため、迷惑な存在ともみなされにくく、当たり前のことと受け止められやすい。
路線名として具体的な例を挙げると、首都圏だと東京モノレール・京急線(羽田空港)、京成線・総武線・成田線(成田空港)になる。
中部地区は名鉄常滑線(中部国際空港)。関西地区は阪和線・南海本線(関西国際空港)、大阪モノレール・阪急宝塚線(伊丹空港)である。
新幹線、在来線特急もOK
新幹線や在来線特急もまた同じである。こちらは、そもそも追加料金がかかるため、乗る人が限定される。乗客の数も座席数分またはそれに近い人数しか乗らない。
通勤電車のように不特定多数の乗客が乗り込むわけではない。
しかも長距離輸送を担っていることで、乗客もスーツケース・キャリーバッグのような大きな荷物を持って乗っている人が目立つ。
ごく普通の光景であるため、大きな荷物を持っていても迷惑な存在だと認識されにくい構造ができている。