なぜ東急田園都市線だけ混雑が酷い!? 緩和されない理由とは?

なぜ東急田園都市線の朝や夕方の通勤ラッシュの混雑はこんなに激しいのか。首都圏の中でも混雑率がトップレベルと酷い理由とは何か。

田園都市線ではかつてから混雑緩和が最大の課題となってきた。しかし、実際に緩やかになる気配は全く見せていない。そんな現状の原因に迫る。




混雑激化の主な理由

理由 背景
人口増加 急速な不動産開発
代替路線の欠如 田園都市線の代わりの鉄道網がない
中核都市の欠如 渋谷駅以外の都市中心部の駅がない
輸送力不足 線路容量が限界で増発できない

東急田園都市線で混雑率は今のように200%近い数値になっている理由としては、これら4つの要因が挙げられる。

これまで首都圏の各路線では朝ラッシュの混雑緩和に取り組んできた。十分な成果を上げられた鉄道会社も多い。

しかし、それとは対象的に田園都市線は今後も激しくなっていくと予想されている。

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人口増加が絶えない

東京一極集中が社会的な問題となっている。東京都23区内に全国から人々が移住していてますます過密状態になっている傾向だ。

田園都市線の沿線に関しても同じような現象が起きている。他の地域から東急田園都市線の駅近くに移り住んで、そこを拠点に生活する人が増えている。

新築マンションや一戸建て住宅の建設がどんどん進んでいる。しかも東急沿線は「ハイソ」なイメージで高級感があるという点から、沿線は人気のスポットともなっている。

こうした急激な不動産開発が進んでいるため、東急田園都市線では混雑緩和がまったくされていない理由の1つとなっている。

代替路線の欠如

東急田園都市線が通っている地域には他の鉄道路線がほとんどない。

接続する鉄道網として、JR横浜線、南武線、横浜市営地下鉄ブルーライン、それに東急大井町線が走っているが、いずれも都心直結路線ではない。

都心から離れた地域を走るだけの路線となっている。渋谷駅のように山手線と接する巨大なターミナル駅に乗り入れるのは田園都市線のみだ。

郊外から都心へ向かう路線が1つしかないということが、東急田園都市線の混雑が収まらない理由の1つではないか。

小田急線や東急東横線も地図上ではやや近くを走っているものの、いずれも田園都市線との距離は結構ある。代わりになる路線がないため、乗客の分散も期待できない。




沿線に中核都市がない

東急田園都市線の中核地点といえば渋谷である。しかし、渋谷駅以外に中核都市となるようなところはない。

乗降客数が多い駅として二子玉川、溝の口、青葉台、長津田といった駅があるが、いずれも駅周辺が経済や商業の中心地となるような特徴は持っていない。

他路線との乗り換え駅という理由で乗降客数が多くなっている例が多い。

途中の中核都市

東横線の場合は中核都市として渋谷以外に横浜駅がある。神奈川県の中心地でもあり、朝ラッシュでもこの駅を目指す人が結構多い。

田園都市線だと渋谷駅を目指す人が多い。さらに直通先となる半蔵門線を使って都心部まで行く人もいる。

渋谷駅、あるいはそこよりもさらに都内中心部が完全に主役となっているのが、混雑が酷くなる原因といえる。




混雑緩和への対策は?

東急田園都市線の混雑緩和を実現させるための対策となる方法は以下のような内容が挙げられる。

  • 複々線化
  • 列車の増発
  • 時差出勤の推奨

抜本的な対策となるのはやはり複々線化である。線路を上下線でそれぞれ1本ずつ増やすことによって、列車の増発も可能になる。

複々線化がベストだが

列車の本数そのものが多くなれば輸送力が上がって混雑率が下がる。朝のピークでも今のような超満員電車から幾分緩やかにはなるのは確実。

今のところ、田園都市線では二子玉川~溝の口までの区間に限って複々線化が完成している。大井町線と線路を共有している形ではあるが、線路自体は田園都市線に含まれる。

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しかし、溝の口駅から中央林間側ではまったく複々線化が行われる目途が立っていない。同じく渋谷~二子玉川間の地下区間も複々線化の予定はない。

複々線化には膨大なコストと費用がかかる。沿線はすでに開発が進んでいることから、用地の確保も困難になるのは確実視されている。

地下に複々線化する問題点

地下区間においても、新たに長いトンネルを掘る必要があるため、決して簡単に工事がすすめられるわけではない。

今のところ、東急田園都市線の複々線化事業は2008年に終えた二子玉川~溝の口間で完成という形になっている。

時差出勤の推奨も

朝ラッシュで極端に混雑する原因といえば、通勤や通学の時間帯が一時的な時間帯に集中する点である。

7時台後半と8時台にみんなが一斉に移動することで、電車が大きく混み合うから混雑が激しくなる。

そこで東急電鉄が推奨しているのが時差出勤である。ピーク時を避けて6時台や9時台に出勤することを「おすすめ」としている。

過去には時差出勤を始めた人に対してポイントを付与したり、停車駅数が少ない臨時の特急を運転することがあった。

ただ、移動する時間を変えた人はそれほど多くはなく、朝ラッシュのピークの混雑率はほぼ同じだった。

複々線化のような設備的な輸送力の強化が必要になるのは否定できない。

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