日本国内の普通列車の最長距離ラッキングについて。
広義的には、「普通列車」には快速などの乗車券や定期券のみで乗れる種別も含まれる。いずれも鈍行と呼ばれることもある。
今回はそれを含めたものと、完全に各駅停車のみに絞った列車それぞれ取り上げる。
目次
総合ランキング~普通列車の最長距離
運転距離 | 路線名 | 区間 | 種別 |
275km | JR北陸本線・湖西線・京都線・神戸線・赤穂線 | 敦賀→播州赤穂 | 新快速 |
267km | JR東海道線・宇都宮線(上野東京ライン) | 熱海→黒磯 | 普通 |
259km | 宗谷本線 | 旭川→稚内 | 普通 |
245km | 中央本線・篠ノ井線 | 高尾→長野 | 普通 |
実質的な普通列車の最長距離運転ランキングは上記のようになる。
運休中/廃止された長距離普通列車
308km-JR根室本線(滝川→釧路)は普通列車の最長距離だったものの、東鹿越~新得間が2016年の台風被害で不通となる運休中。
297km-JR山陽本線(糸崎→下関)は2019年3月ダイヤ改正で廃止。
JR根室本線の滝川発釧路行の普通列車は日本最長の普通列車となっていたものの、2016年の台風10号による降雨災害の影響で当駅を含む根室本線の富良野~音別間が不通になった。
このため、現在では運休中となっていて運転再開の見込みは全く立っていない。
その後、JR山陽本線の糸崎発下関行が日本最長の普通列車となったものの、2019年3月ダイヤ改正で廃止された。
新快速(敦賀→播州赤穂)の275km
広義的な「普通列車」に該当する列車を含めると、日本最長の普通列車はJR西日本の敦賀→播州赤穂の新快速。
走行距離は275km。最速で4時間4分かかる。
路線名に関しては、複数をまたぐため以下になる。
- 北陸本線
- 湖西線
- 京都線
- 神戸線
- 赤穂線
最高速度は130km/hということで、こちらも在来線の普通列車では日本最速。
京阪神地区でJRと私鉄との競合が激しいことから、速達性を重視したサービスによるものでもある。
上野東京ライン(熱海→黒磯)の267km
直通サービス「上野東京ライン」として運転されている東海道線・宇都宮線の普通列車は各駅停車としては日本最長距離を走る。
走行距離は267km。最速で4時間46分かかる。
路線は以下を走る
- 東海道線:熱海→東京
- 上野東京ライン:東京→上野
- 宇都宮線:上野→黒磯
最高速度は100~120km/hとなっているため、上記で述べたJR西日本の新快速に比べると遅い。
各駅停車のため通過する駅がなく、所要時間でも5時間弱を要する。
宗谷本線(旭川→稚内)の259km
北海道の宗谷本線の普通列車は上野東京ラインの次に長い距離を走る。旭川→稚内が該当区間。
走行距離は259km。6時間5分が最速。
旭川駅から稚内駅までは宗谷本線のみの単独路線ということで、複数の路線に乗り入れない列車としては日本最長の普通列車になる。
非電化、単線ということもあって所要時間が6時間以上もかかる。
幌延駅での停車時間が21分とかなり長いことも影響している。
なお、宗谷本線の旭川発稚内行の普通列車は北永山駅と南比布駅は通過する。したがって、厳密には各駅停車ではない。
中央本線・篠ノ井線(高尾→長野)の245km
中央本線の高尾発長野行の普通列車もランキングトップ勢に入る。
走行距離は259km。所要時間は4時間45分が最速。
こちらは中央本線の甲府方面と快速線となる東京方面で系統が分離される高尾駅から、塩尻駅を経由して篠ノ井線に入り、そして長野駅へと向かう。
中央本線も篠ノ井線も駅間距離は比較的長いものの、山間部を走ることで制限速度がかかるカーブが多数あり、後続の特急の通過待ちのあるため、所要時間はやや長めになっている。
中央本線・篠ノ井線ともに普通列車はすべての駅に停車するため、こちらは完全に各駅停車である。
まとめ
~最長距離のトップ~
快速:新快速ーJR北陸線、湖西線、京都線、神戸線、赤穂線(敦賀~播州赤穂)
各停:普通ーJR上野東京ライン(熱海~黒磯)
いずれも4時間以上の所要時間が1本の電車でかかる。
実際のところ、全区間にわたって乗り続ける人は皆無。ほとんどは途中駅で降りる。
新快速は大阪駅などで乗客が完全に入れ替わる。上野東京ラインも東京駅などで乗客が完全に入れ替わる。