IKEAの岩手県への出店計画についてはよく議論されることがある。具体的な候補地は盛岡市・北上市など。
ただし、将来はわからないが、現時点では可能性は低い。大型店はともかく、小型店舗でさえもできる可能性は薄い。
岩手県内は太平洋側ではあるが、人口規模が少ない。郊外型の家具・インテリア小売店「ニトリ」が進出していることも影響。市場が狭いことがIKEAの進出をますます阻んでいる。
出店条件には満たない
出店条件 | 盛岡都市圏 |
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周辺に政令指定都市 | なし |
車のアクセスの良い物件 | 余裕でクリア |
敷地面積や自治体の姿勢 | 要検証 |
※IKEAの既存店の出店条件をもとに算出
>>【地区別】全国のIKEAの出店計画の一覧! 候補地を調査
広い敷地面積の確保は特に大きな問題はない。秋田県内は少なくとも都市部と比べると用地確保の課題は薄い。
道路網も特に問題はない。岩手県内の人口最大都市である盛岡市も東北自動車道をはじめ、道路網自体は充実している。充実した道路があることで新規工業団地の誘致もあるほど。
一方で人口規模はかなり少ない。まとまった顧客が獲得できないのがデメリット。盛岡都市圏に加えて北上都市圏を加えて、辛うじて50万人を突破する程度。
IKEAのみならずコストコが未出店となっている理由でもある。
小型店舗について
小型のIKEAである原宿店のような形態もある。これなら岩手県のような大都市がない地域でもIKEAが進出する可能性がある。
岩手県の場合は、まず駅前にできるということはあり得ない。乗降客数が県内最大の盛岡駅こそは東北新幹線が通る規模の大きな駅だが、首都圏の駅とは性質的に全く異なる。
大都市圏と比べて通勤客が多く利用する駅ではないため、駅前型IKEAの需要はまずない。
一方でイオンモール等のショッピングモールのテナントとしてできる可能性はある。
イオンモール盛岡、イオンモール盛岡南のようなところは候補。
直ちにこのような形式がスタートするとは考えにくいが、永久にあり得ないことはない。
まずは首都圏のような大都市部からスタートし、その後仙台周辺の東北地方へ広まっていく方法になるだろう。
人口減少、少子高齢化では困難
岩手県内は全域にて人口減少とそれに伴う少子高齢化が深刻。
東北新幹線および北海道新幹線が開業したとはいえ、人口増加はまったくない。それどころか減少傾向にある。
東日本大震災の前も後も転出者が転入者を上回っている状態も続いている。
人口減少は地域の消費市場に影響を与える。社人研推計のとおり人口減少が進めば、就業者一人当たりの消費額を一定とすると、2040年の本県全体の小売販売額は約7900億円となり、2010年と比べて約5300億円減少すると見込まれる。
引用:岩手県「本県の人口の現状と将来推計について」
人口減少が続ければ、IKEAのような小売業の売上も減少する。
顧客となる人の母数が減れば、ますます小売業は苦戦する。あえて岩手県に進出する理由は薄い。
都会にしかないIKEAが今後岩手県に出店する可能性をますます下げる社会的な背景があるのは否定できない。
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