IKEAの北海道札幌市への出店計画が存在する。具体的な候補地は石狩市・江別市・札幌市手稲区の4つ。
旭川市との憶測もあったが、人口規模を考えて札幌都市圏への出店が基本。
2019年夏頃には2020年を目途に北海道内初出店が実現するとの報道があったものの、構想は難航している。
それでも最も実現の可能性が大きいのは石狩市内。
出店条件こそ満たすが
出店条件 | 札幌都市圏 |
---|---|
半径10km=人口100万人以上 | 人口=236万人 |
車のアクセスの良い物件 | 余裕でクリア |
敷地面積=10,000坪以上 | 石狩湾新港が有力 |
>>【地区別】全国のIKEAの出店計画の一覧! 候補地を調査
IKEAが出店しているのは言うまでもなく大都市圏かつ交通の便(道路網)が良いところ。
札幌市周辺も高速道路網があるため、交通アクセスの利便性では特に問題はない。
しかし、札幌市への出店が頓着している状態が続いている。
IKEA出店構想の時系列
- 2014年:札幌店出店構想を発表、20年までに14店体制
- 2017年8月24日:「北海道への進出は検討している」と再度発表するが、東京・大阪などの駅チカも視野に入れると発表
- 2019年8月4日:札幌出店計画を撤回
2017年内は北海道出店に前向きだった
2017年夏には以下のような新聞記事が出たほど。
ヘレン社長は「常にニーズに応えるために発展を目指している。2020年に14店という目標は難しいが、消費者のニーズも変化している。
駅に近いところに店が欲しいといったニーズもあり、これまでのような大きな店を出すことは現実的ではないかもしれない。
今後は、新しいフォーマットを含めて出店し、空白地域を埋めていきたい」と語った。
今回、空白地域への出店では、「北海道への進出は検討している」と述べた。
引用元:流通ニュース「 イケア/小型店の出店を検討、2020年に国内14店体制を目指す」、2017年8月24日
つまり、この頃は日本国内にてまだIKEAができていない地域にも出店を前向きに検討するとのことだった。
7大都市では唯一IKEAがない都市なのが札幌。
商圏となる人口規模には全く問題はない。お店ができるのは時間の問題とも言われるほどだった。
2019年8月に計画撤回、白紙に
ところが、2019年8月になるとIKEAからは以下のような発表がされた。
積極的に出店計画が進んでいるかと思われていた北海道初出店が白紙になった。
スウェーデン発祥の家具販売大手イケアの日本法人イケア・ジャパン(千葉県船橋市)は、2020年までの札幌出店計画について、撤回したことを明らかにした。今後は東京都心への小型店出店や、オンラインストアの充実に経営資源を集中するとしている。
イケアは14年に、札幌を含む地方都市などへ積極出店し、当時の6店から20年までに14店体制とする計画を発表。現在は仙台や長久手(愛知)を含む9店舗まで増えたが、親会社が昨年に「ビジネスを刷新し再構成する」と方針を転換。2万平方メートル超の大型店を郊外に出店するビジネスモデルから、大都市の都心部に小型店を出すことを軸とする計画を示した。
(中略)
イケアは拡張現実(AR)技術を使い、自宅やオフィスに自社製品を疑似的に設置して相性やサイズを確認するスマホアプリを配信するなどネット販売を強化。今年4月には札幌市内の指定場所での受け取りなら、送料を通常より9千円安い3990円とする全国初のサービスを始めた。
イケア関係者によると、東京や大阪などの都市部に比べ、地方店はおおむね苦戦しているという。道内では同業の国内最大手ニトリの存在も大きく、札幌出店は採算性確保の見通しが立たなかったことも、方針転換に影響したもようだ。
引用元:北海道新聞「イケア、札幌出店撤回 都心小型店やネット販売強化」、2019年8月4日
上記は北海道新聞で掲載された記事。
まとめると、以下の3点が読み取れる。
- 郊外の大型店→大都市の駅前などの小型店を今度出店することに方針転換
- 都市部は好調だが、地方店は苦戦
- 北海道にはニトリの本拠地で競合ライバル、勝てない可能性大
一方、札幌市内では指定場所でIKEAの商品を受け取れるオンライン通販のサービスがスタート。
まずはネット販売に力を入れて、実際の北海道にてどれくらいのIKEA需要があるのか見極める狙いもあると考えられる。
ニトリが強い北海道
大手家具・インテリア量販店である「ニトリ」は北海道札幌市北区に本社を置く。
つまり、札幌と言えばニトリが強い地盤を持つ地域。この存在がIKEAの出店を阻止してきたといっても良い。
もしIKEAが出店したとなれば、ニトリと激しい価格競争になる。
全国どこもこの点では同じだが、ニトリ本社がある北海道はさらに激しさを増す。
各候補地
次に、IKEA出店の各候補地の可能性と有力な理由について解説。
立地する地域の人口規模、高速道路またはそれに準ずるバイパス道路の存在、広い敷地面積を確保できるかどうかの面から考察。
参考:コストコの北海道2店舗目の出店計画の全容! 実現性を考察
石狩市
北海道内のIKEAの出店場所として最も有力だったのが石狩市。
ピンポイントで言うと、石狩湾新港南2丁目地区が住所。
しかし、IKEAの出店計画が消滅してからはコストコの方に注目が上がっている。
今回、コストコ2号店の出店候補地になっている石狩湾新港南2丁目地区は、国道337号線と国道231号線が交差するジャンクション近くで、周辺にはパチンコ店の「ダイナム石狩店」や競輪・オートレース・JRA・地方競馬の複合型場外券売り場「サテライト石狩」がある。また出店候補地の向かいには、20年3月開業予定の「スーパーホテル石狩」(仮称)がオープン準備を進めている。さらに、イオン北海道(本社・札幌市白石区)が惣菜などを生産する「石狩プロセスセンター」の建設も近接地に予定されている。
引用:リアルエコノミー「「コストコ」北海道2号店、石狩湾新港南地区が候補地に」2019/12/13 掲載
コストコがここに出店を計画している。
札幌市内からも車でおおむね30~60分程度の立地で、交通の便の良さという条件も満たす。
完全に札幌都市圏のため、人口に関する条件もおおむねは満たす。
江別市内
江別市内もIKEAの候補地となっていた。具体的には、江別市大麻198番付近。
道央道江別西インターチェンジの近く。ジョイフルエーケーやIKEAも同じく出店を検討。
条件も札幌都市圏に立地するため、人口の多さ・道路網の利便性をクリアする。
2017年9月にジョイフルエーケーがオープンしたことでIKEA構想は消滅した。
札幌市手稲区
札幌市西区・手稲区のどちらかに出店するのではないかという意見もよく見られる。
人口規模は確かに条件クリアではあるが、広大な土地が見当たらない。
同様にコストコができるという憶測が飛び交うところ。
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