都営地下鉄と東京メトロの違いとは!? 3つの相違点あり!

東京メトロと都営地下鉄

東京都内には2つの種類の地下鉄が走っている。東京メトロと都営地下鉄の2つだ。互いにまったく別物といっても過言ではなく、大きな違いが見られる。

他の都市では地下鉄を運行する鉄道事業者は1つだけとなっている。しかも、基本的には市町村による公営となっている例が多数だ。

東京だけ都営とメトロの2つの鉄道事業者に分かれている地域なのは事実。そんな2つの地下鉄にはどんな違いがあるのか。


会社が全く別物

◎それぞれの正式な鉄道事業者の名称

  • 東京メトロ:東京地下鉄株式会社
  • 都営地下鉄:東京都交通局

都営地下鉄を運営するのは東京都交通局。

都が直営する公企業で、役所が経営しているという意味である。民間の資本は一切入っていない。

東京メトロは、正式には東京地下鉄株式会社という企業が運営する地下鉄である。

株主は今のところは東京都と国が半分ずつ持っている。しかし法制上は民間企業という形となっている。

東京メトロはかつては「営団地下鉄」と呼ばれ、主体も帝都高速度交通営団という公団だった。それが2005年に形的に民営化されたものが今の東京メトロである。

両方とも東京都の資金が入っているという点では共通点だが、事業者自体がまったくの別物である。

そのため運賃も別々となっていて、都営地下鉄と東京メトロの路線を同時に利用しても別料金となって料金は通算されない。

一元化(統合・合併)の議論もあるが

東京23区内の地下鉄の一元化の議論、つまり東京メトロと都営地下鉄の合併に関する話はしばしば持ち上がっている。

都議会や会計検査院などでも1つの事業者に統合するのが好ましいという意見を出している。

しかし、特に東京メトロの株主である国と東京都の意向が折り合わなかったり、完全民営化の時期の見通しが立っていないこともあり、実現のめどはない。

>>東京メトロ/都営地下鉄の合併のメリットとは!? 分かりやすく解説

複数の地下鉄事業者がある都市はレア

ところで、1つの都市において地下鉄の運行事業者が複数存在する事例はかなり珍しい。

日本国内の他の大都市を見ても、すべて1つの地下鉄しかない。

大阪メトロを除くとすべて公営地下鉄だが、公営+私鉄という構造になっているのはない。

世界的にみても珍しい。欧米でも以前は複数に分かれていたニューヨークやロンドン、パリがあるが、今では一元化されていて1つの事業者が運行している。

ソウルはソウル交通公社(ソウルメトロ)と韓国鉄道公社の2つの事業者が混在する。ただ、東京とは違って料金体系は一元化されている。

それぞれの路線を通しで乗れば運賃が別々に計算される仕組みではない。

それぞれ歴史

東京地下鉄の歴史

出典:東京メトロパンフ『青空とメトロ 東西線』

◎それぞれの原点

  • 東京メトロ:元々は民間資本の地下鉄運行会社
  • 都営地下鉄:東京都直下のバス・路面電車の運行事業者

東京メトロと都営地下鉄の設立の背景も異なる。

東京メトロの前身は営団地下鉄だが、そのさらに前は東京地下鉄道株式会社という企業だった。

銀座線を建設・運行した地下鉄会社。完全に都内の地下鉄網の民間企業だった。

なお、東京地下鉄道は1941年の陸上交通事業調整法に基づく戦時統制により、国の強い影響下の帝都高速度交通営団(営団地下鉄)へ切り替わった。

戦後になると民間資本は完全に排除され、今のように国と都が出資する特殊法人に移り変わった。

一方の都営地下鉄は元々はバス事業や路面電車が主流だった。

戦後しばらくはバスと路面電車が主流だったものの、高度経済成長期を迎えて道路の渋滞が激しさを増したことで地下鉄を建設することが決まった。

その最初の路線こそは浅草線。結果的にさらに3路線の合計4路線を建設した。

運賃体系が違う

都営は高い、メトロは安い

都営地下鉄と東京メトロでは運賃体系もまったく違う。互いに別料金となっているだけでなく、距離に対する値段も差が見られる。

都営地下鉄の初乗り運賃は4kmまででICカード=174円、切符=180円となっている。対する東京メトロは初乗り運賃が6kmまででICカード=165円、切符=170円となっている。

全体的に東京メトロの方が都営地下鉄よりも運賃が安い傾向が見られる。

都営は他の都市の公営地下鉄と比べれば割安な料金体系になっているものの、同じ都内を走るメトロと比較すれば高いのは否定できない。

メトロと都営の電車に乗ると割高になる。別料金となっているため、もしメトロまたは都営、もしくはJR東日本などの他の鉄道会社のいずれか1社のみで移動できるくかんを乗るのであれば、遠回りでも1社に抑えるのが財布にはやさしい。

なお、運賃面ではどちらも近距離のみの利用だとJRや他の私鉄より高い。長距離になると逆に割安感が出てくる。ここは共通点といえる。

距離ごとの運賃の違い

東京メトロと都営地下鉄の距離ごとの運賃表を以下で取り上げる。

同一距離ごとの運賃の違い
営業キロ数 東京メトロ 都営地下鉄
5km 170円 180円
10km 200円 280円
15km 250円 280円
20km 290円 330円
25km 290円 380円
30km 320円 430円
35km 320円 430円
40km 320円 430円

上記の表はそれぞれのキロ程毎の切符料金を示したもの。

同一距離であっても、どちらかと言うと東京メトロの方が安い。都営地下鉄は全体的に割高な料金なのが読み取れる。

東京都内または首都圏に住んでいる人で地下鉄をよく利用する場合なら、東京メトロと都営地下鉄の運賃が別料金であることを理解しているだろう。

しかし、乗る機会が少ない人だとここを知らない場合が多い。

東京メトロも都営地下鉄も運賃の料金体系は同じと思って、思わぬ過剰な出費につながることがよくあるパターン。

東京メトロ

キロ程 運賃
ICカード 切符利用
初乗り6km 168円 170円
7 – 11km 199円 200円
12 – 19km 242円 250円
20 – 27km 283円 290円
28 – 40km 314円 320円

東京メトロの距離ごとの運賃は上記の料金表の通り。

全体的に都営地下鉄よりも割安な値段に設定。

初乗り運賃だけを見ると、首都圏の他の鉄道事業者よりも若干割高感がある。

しかし長距離になると、首都圏のJRや私鉄各社の料金と比べても割安。

都営地下鉄

キロ程 運賃
ICカード 切符利用
初乗り4km 178円 180円
5 – 9km 220円 220円
10 – 15km 272円 280円
16 – 21km 325円 330円
22 – 27km 377円 380円
28 – 46km 430円 430円

都営地下鉄の距離ごとの運賃は上記の料金表の通り。

東京メトロよりも同一距離に対して割高な値段なのがわかる。

初乗り運賃も10円高いことに加え、該当する営業キロ数も4kmまでと短い。

路線網はメトロが優勢

路線の数は圧倒的に東京メトロが多い。銀座線・丸ノ内線・日比谷線・千代田線・有楽町線・半蔵門線・南北線・副都心線の8つを保有している。

路線網が充実しているのはメトロで、JR山手線の内側の地域を移動する場合には、特に理由がなければメトロが選ばれる。

都営地下鉄は路線の数が少ない。浅草線・三田線・新宿線・大江戸線の4つのみで、メトロの半分しかない。

利便性についても、ほとんどの地域ではメトロの方が優勢になっていることが多い。都営地下鉄は全体的に走る地域が都内の主要地ではないことが多い。

路線網に乏しく、運賃もメトロと比べて割高になっているため、都営とメトロ、あるいは都営とJRが選べるような条件ならばメトロ・JRを選択する人が多いようだ。

路線網の充実度の面で都営地下鉄と東京メトロに違いが見られる。

東京メトロの路線

路線名 区間
銀座線 渋谷~浅草
丸ノ内線 池袋~荻窪(方南町支線あり)
日比谷線 中目黒~北千住
東西線 中野~西船橋
千代田線 代々木上原~綾瀬
有楽町線 新木場~和光市
半蔵門線 渋谷~押上
南北線 目黒~赤羽岩淵
副都心線 渋谷~和光市

東京メトロでは全部で9路線ある。

東洋で初めて開業した地下鉄銀座線も東京メトロに所属。

都営地下鉄

路線名 区間
浅草線 品川~押上
新宿線 新宿~本八幡
三田線 目黒~西高島平
大江戸線 都庁前~光が丘

都営地下鉄は全部で4路線ある。

東京メトロに比べると、いずれの路線も存在感は薄いとの声が多いが、そもそも路線数が少ない点も影響。

混雑状況の比較

朝ラッシュの地下鉄

東京メトロ、都営地下鉄の各路線の混雑状況においても、2つの事業者で比較すると全体的な傾向に違いがある。

東京メトロの方が朝ラッシュの混雑が激しい一方、都営地下鉄はまだ緩やか。

首都圏で混雑率がトップ勢の対象も東京メトロに偏っている。

メトロ&都営の朝ラッシュ時の混雑動向

各鉄道事業者の混雑率についてはここでも解説

東京メトロの各路線の混雑率

順位 路線名 混雑率
1 東西線 200%
2 千代田線 178%
3 半蔵門線 170%
4 丸ノ内線 161%
5 有楽町線 159%
6 銀座線 157%
7 日比谷線 155%
8 南北線 153%
9 副都心線 146%

東京メトロ(旧営団地下鉄)の路線の混雑率は上記の通り。

東西線を筆頭に、最低でも170%は突破するところが3路線ある。

都営地下鉄の各路線の混雑率

順位 路線名 混雑率
1 大江戸線 157%
2 三田線 156%
3 新宿線 153%
4 浅草線 129%

大江戸線、三田線、新宿線、浅草線の順に混雑率が高い。最高値は大江戸線の157%である。

東京メトロのように170%超えはない。


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