都営地下鉄の各路線の混雑率をランキング形式に一覧にまとめてみた。それぞれの背景にある理由も合わせて調査した。
東京メトロ(旧営団地下鉄)の各線と比べると都営地下鉄は全体的にやや緩やかになっている。朝ラッシュの混み具合を見ても、東京メトロの方が激しい傾向にある。
都営地下鉄は東京都交通局が運行する電車のため、メトロ側とは運賃体系が別になっている。代替が効く地域間を移動する場合は都営地下鉄を避ける人も多い。そんな背景もあって混雑は首都圏でも低いところが目立つ。
都営地下鉄の混雑率ランキング
順位 | 路線名 | 区間 | 混雑率 |
1 | 大江戸線 | 中井→東中野 | 157% |
2 | 三田線 | 西巣鴨→巣鴨 | 156% |
3 | 新宿線 | 西大島→住吉 | 153% |
4 | 浅草線 | 本所吾妻橋→浅草 | 129% |
<参考元:国土交通省の混雑率等の統計情報、混雑の見える化(東京都交通局)>
都営地下鉄の各線の混雑率の最大値はこのようになる。いずれも2017年の国土交通省が公表した統計データによる。
大江戸線、三田線、新宿線、浅草線の順に混雑率が高い。最高値は大江戸線の157%である。ただし、大江戸線、三田線、新宿線の3路線は150~160%で毎年推移している。そして、これらの混雑率の違いはほとんどない。
朝ラッシュの時間帯は通勤客が1日の中で最も集中する時間帯だが、都営地下鉄でもこれら3路線に対して浅草線は若干空いている。
参照:【東京メトロ】路線ごとの混雑率ランキング! 理由も調査
大江戸線
大江戸線は都営地下鉄だけでなく、他の東京の路線の中では最も深いところを走る。混雑率は山手線の内側の部分では低い数値にとどまっているものの、都庁前~光が丘の放射状の地域では混み合う。
ここは都心と郊外を結ぶ路線という性質が大きい。都庁前から東側は環状線状になっているのとは違う。
最混雑区間は中井→東中野。中井駅では西武新宿線からの乗り換え客が結構いるため、この駅からの乗車客が多い。東中野駅は中央線各駅停車(中央総武緩行線)との接続駅で、ここでJR線へ乗り換える人が少なからずいる。
多数派ではないものの、東中野駅は降車客はいることでここで混雑率が若干下がる。
8時頃の電車がピーク。ドア付近はやや圧迫感を感じる。手荷物の一部が他の乗客と接するかもしれない。スマホの操作は可能だが、新聞や雑誌を読んだり、タブレットを操作するのは困難に近い。
車内奥ならスマホのみならずタブレット端末の操作もできる。吊革または手すりにつかまれない人は数人だがいる。
>>都営大江戸線の朝ラッシュの混雑状況を時間帯・区間ごとに調査!
三田線
三田線の混雑率もここ最近は150~160%で推移している。最混雑区間は西巣鴨→巣鴨。西高島平~巣鴨は郊外型の路線という性質から、目黒方面へ向かう電車はひたすら乗ってくる一方になる。
巣鴨駅はJR山手線との乗換駅。ここでJR線へ乗り換える人が結構いるため、まず混雑のピークがひと段落する。
春日駅、神保町駅でもある程度の降車客がいる。この辺りで都営三田線の混雑はやや解消される。
そして、大手町駅で大量の乗客が降りていく。ここから先は目黒駅まで降りていく人の方が乗ってくる人よりも多いため、混雑は解消されていく。
西高島平行の電車に関しては、最混雑区間は目黒→白金台。ただし、ここは東京メトロ南北線との重複区間。三田線単独になる白金高輪から北側はひたすら降りていく一方になる。
三田線は南北線よりも空いている。西高島平→大手町の部分よりも目黒→大手町の方が混雑は緩やか。
>>都営三田線の混雑率は!? 朝と夕方のラッシュの時間帯は?
新宿線
新宿線も同じく混雑率は150~160%程度で推移している。最混雑区間は西大島→住吉。本八幡~住吉は郊外型の路線に該当する特徴があり、新宿方面へ向かう電車ではひたすら途中駅から乗ってくる一方。
住吉駅は東京メトロ半蔵門線との乗換駅でここで降車客がいる。住吉駅を過ぎれば、あとは降りていく一方になる。森下駅は同じ都営地下鉄の大江戸線との乗換駅のため、まとまった乗客が降りていく。
大量の乗客が降りるのは岩本町駅である。秋葉原駅と接続する駅でもあるため、JR線へ乗り換える人も大勢いる。
8時から8時半頃の電車がピーク。最高値になるとドア付近はやや圧迫感を感じる。手荷物の一部が他の乗客と接するかもしれない。
車内のどこの位置にいてもスマホの操作は可能だが、新聞や雑誌を読んだり、タブレットを操作するのは困難に近い。
車内奥ならスマホのみならずタブレット端末の操作もできる。吊革または手すりにつかまれない人は数人だがいる。
浅草線
浅草線は都営地下鉄の中では最も空いている。東京メトロの地下鉄を合わせても最も空いている。
最混雑区間は本所吾妻橋→浅草。浅草駅までは京成押上線からの直通列車がほとんどのため、混雑が激しい。
京成線内の乗客がそのまま都営浅草線内へ流れてくることで、この区間が混み合う。
浅草駅は東京メトロ銀座線へ乗り換える人が結構いる。ここから先は降車客が多い地域となる。東日本橋駅、新橋駅で大量の乗客が降りていく。
浅草線は朝ラッシュのピーク時でもドア付近で他の乗客と接するほどにはならない。手荷物も他人へ触れることは少ない。スマホの操作も問題なく可能。
リュックを背負って乗るのは困難。混雑率が130%台でも、体積が大きい荷物のためリュックが下ろす必要がある。(ただし、鉄道車両の乗車定員は大きく超過する)
西馬込側からくる電車も混雑は緩やか。京急本線からの直通列車も比較的空いている。
京急本線からの乗客のほとんどは品川駅で降りていく。泉岳寺駅から都営浅草線へ直通する列車があるが、乗客の多くが流れてくるわけではない。
どちらかというと、JR線へ乗り換える人が多くみられる。そんな背景もあり、都営浅草線は全線にわたって他よりも空いている。
>>都営浅草線の混雑状況とは!? 朝と夕方でも意外に空いている?