【東京メトロ】路線ごとの混雑率ランキング! 理由も調査

東京メトロの朝ラッシュの混雑度は各路線によって大きく異なる。すし詰めになるほどの超満員電車になるところもあれば、空間に余裕があって比較的空いている路線もある。

今回は東京メトロの地下鉄路線を対象として、混雑ランキングを作成した。首都圏ならではの混雑率はどの路線でも大きいが、それでも差が見られる。


東京メトロの混雑ランキング

順位 路線名 混雑率
1 東西線 200%
2 千代田線 178%
3 半蔵門線 170%
4 丸ノ内線 161%
5 有楽町線 159%
6 銀座線 157%
7 日比谷線 155%
8 南北線 153%
9 副都心線 146%

<参考元:国土交通省の混雑率等の統計情報

なお、今回は東京メトロ(旧営団地下鉄)の路線の混雑率のみを対象とする。

参照:【都営地下鉄】路線ごとの混雑率ランキング! 理由も調査

東京都内を走る地下鉄はこれ以外にも、東京都交通局が管轄する「都営地下鉄」がある。鉄道事業者が別のため運賃の料金体系は違う。

東西線

第1位は、やはり朝ラッシュの混雑が地獄のようだと有名な東西線が君臨。混雑率は199%で、全国トップにもランクインする。

超満員電車として有名な東急田園都市線や中央総武線各駅停車よりも高い数値を記録している。朝は各駅停車に加えて通勤快速も運転されているが、乗車率はどちらも同じくらいである。

千葉(西船橋駅)方面からの電車の混雑が非常に激しい。江東区内の駅になると積み残しが発生するレベルにもなる。

>>東西線の朝ラッシュの混雑状況を時間帯・区間ごとに調査!

千代田線

千代田線

第2位は、千代田線がランクイン。

相互直通運転を行っているJR常磐緩行線からの乗客が千代田線を使う人が多いことに加えて、北千住駅にて東武スカイツリーライン、つくばエクスプレス、JR常磐線快速からの乗り換え客が殺到する。

北千住駅→大手町駅までは千代田線の方が半蔵門線経由よりも所要時間が短い。北千住→霞ヶ関駅へも千代田線の方が日比谷線よりも所要時間が短い。

そのため、千代田線の乗車率が高くなる要因となっている。代々木上原駅側よりも混雑が激しい。

近年では北綾瀬駅始発の電車も登場したが、混雑状況は変わっていない。

>>【千代田線】朝ラッシュの混雑状況を時間帯・区間ごとに調査!

半蔵門線

半蔵門線

第3位の半蔵門線は、渋谷寄りの混雑が激しい。首都圏でもトップクラスの混雑度を誇る東急田園都市線と相互直通運転を行っているため、半蔵門線の利用者数も多くなっているようだ。

半蔵門線は渋谷→表参道が最混雑区間。東急田園都市線内の乗客の多さが第一の理由とも言える。

半蔵門線単独ではそれほど乗客が多くなる背景は見当たらなく、あくまでも田園都市線の延長部分という性質が大きい。

朝ラッシュの時間帯では東急田園都市線の混み具合はあまりにも酷い状態のため、その乗り入れ先の半蔵門線はそれほど話題に上がることはないが、データ上で見るとかなりひどいものなのは否定の余地がない。

押上側は東武スカイツリーラインと相互直通運転を行っているものの、北千住駅から都心への所要時間は千代田線・日比谷線の方が早いこともあって混雑は深刻なレベルではない。

>>半蔵門線はどれくらい混雑する!? 朝と夕方は超満員になるのか?

丸ノ内線

丸ノ内線

丸ノ内線の混雑区間は2つある。新大塚→茗荷谷、四ツ谷→赤坂見附の2区間である。

いずれも大規模な乗換駅を出発した後の混雑で、郊外から直接乗客が乗ってきたことによるものではない。したがって、東西線、千代田線、半蔵門線とは事情が異なる。

丸ノ内線は特に都心部の要所を結んでいる。新宿、霞ヶ関、東京駅、大手町、池袋といったところを結ぶため混雑が激しい。

また、電車の1編成当たりの車両数が少ないことも影響している。6両編成での運転のため、東京メトロで主流である10両編成の半分程度の輸送力しかないことも影響している。

>>【丸ノ内線】混雑はどれくらいのレベル!? 朝ラッシュはどうか?

有楽町線

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有楽町線の最混雑区間は東池袋→護国寺。池袋駅から都心部への路線という性質により、ここが最も混む部分になっている。

西武池袋線や東武東上線と相互直通運転を行っているため、郊外からの乗客も多い。しかし、混雑激化の最大の要因は池袋駅から大量に人が集まる点にある。

池袋駅は山手線や埼京線、湘南新宿ラインといった路線は充実していて、私鉄各社のターミナル駅でもあるが、都心部へ向かう路線はそう多くはない。

丸ノ内線と同じく山手線の内側の地域への鉄道網として混みやすいのが有楽町線だ。

>>有楽町線の朝ラッシュの混雑状況を時間帯・区間ごとに調査!

銀座線

銀座線

銀座線は赤坂見附→溜池山王が最混雑区間となっている。

浅草~渋谷間を走るが、他の鉄道会社の路線への直通運転は一切ない。あくまでも都心部に特化した地下鉄である。

日本最古の地下鉄だが、輸送力は小さい。6両編成しかないため、10両編成が当たり前のほかの路線よりも混みやすい環境にある。

しかも銀座線は東京の要所を結んでいる。渋谷、表参道、赤坂見附(永田町)、虎ノ門、銀座、京橋といったところへのアクセス手段でもある。

多くの人が行き来する場所を通っていることも混雑増加を後押ししている。

>>東京メトロ銀座線はどのくらい混雑する!? ラッシュと日中は?

日比谷線

日比谷線

日比谷線の最混雑区間は三ノ輪→入谷。北千住方面からの電車に混雑が偏っている。

千代田線と同じように、北千里駅ではJR常磐線、東武スカイツリーライン、つくばエクスプレスからの乗り換え客が殺到する。

さらに東武線内からの直通列車もある。郊外からの乗客が入ってくる路線のため、北側の地域の混雑が激しい。

中目黒駅は東急東横線からの乗り換え客がいるが、そもそも東横線は渋谷方面へ向かう人が圧倒的に多い。日比谷線の混雑は南側はそれほど高いレベルではない。

>>日比谷線の朝ラッシュの混雑状況を時間帯・区間ごとに調査!

南北線

南北線

南北線の最混雑区間は駒込→本駒込。北側は埼玉高速鉄道線、南側は東急目黒線と相互直通運転を行っている。

埼玉県側では、川口市内からの乗客がそもまま南北線へ入るため、結果として駒込→本駒込の区間での混雑率が最も高い数値になっている。

逆側の東急目黒線では神奈川県方面から都心部へ向かう人達で混んでいるのは確かだが、東急目黒線と地下鉄の境界がJR山手線と接続する目黒駅ということもあって混雑はここで解消する。

南北線内まで乗り続ける人はそう多くはない。さらに、都営三田線へ分散することも混雑緩和の一因でもあろう。

>>東京メトロ南北線の朝ラッシュの混雑状況を時間帯・区間ごとに調査!

副都心線

副都心線

東京メトロの各線で最も空いているのが副都心線である。都心部の区間に当たる池袋~渋谷でJR山手線と並行している点が最大の理由だろう。

池袋・新宿・渋谷を行き来できる路線が副都心線以外にも存在することで、混雑率はほかの東京メトロ各線よりも緩やか。

利便性や輸送力ではJRの方が優勢のため、東京メトロ側はそれほど乗客が殺到していない。

北側は東武東上線・西武池袋線、南側は東急東横線と相互直通運転を行っている。それでも、副都心線の区間はJRと利用者を分け合う構図になっている。

ただし、急行や通勤急行の混み具合は激しい傾向にある副都心線では全線にわたって各駅停車に加えて優等列車の運転がある珍しい路線だが、種別ごとの乗車率の違いは大きい。

空いているのはあくまでも各停に他ならない。

>>副都心線の朝ラッシュの混雑状況を時間帯・区間ごとに調査!

混雑の要因は何?

東西線や千代田線、半蔵門線では、なぜ鉄道の乗車定員をはるかに超えてすし詰め状態になるほど毎朝混雑しているのか。

いずれの路線も、他社線との相互直通運転を行っている。直通先の郊外からの乗客が多数いるのは確かな事実である。しかし、代替手段がないわけではない。

東西線はJR総武線や京葉線、都営新宿線と並行して走っている。千代田線は半蔵門線、日比谷線、JR常磐快速線が通っている。半蔵門線の渋谷寄りでも銀座線などがある。

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このように、混雑を避けられる代替手段は確保されている。完全に地域を独占しているような構図にはなっていない。

ただ、いずれも利便性は高い。所要時間や乗り換えの手間が少なく、毎日の通勤通学には最適な条件となっている。

特に、東西線は千葉方面から都心へのアクセス手段としてはどの路線よりも良い。加えて、運賃の面でも好条件となっている。

JRや都営地下鉄よりも運賃が安いため、直通する東葉高速鉄道や西船橋駅~津田沼駅間のJR線のみならず、千葉駅寄りのJR総武線などからも西船橋駅で東西線へ乗り換える人が多い。

利便性が高ければ高いほど、朝ラッシュの混雑度は大きい。その結果、すし詰めの地獄の路線が存在しているといえる。

混み具合の目安

東京メトロの各路線の混み具合を3段階に分けると、以下のようになる。

混み具合 該当する路線
社会的な問題になるほど混雑 東西線、千代田線、半蔵門線
地獄だがまだ許せる範囲内 丸ノ内線、有楽町線、銀座線、日比谷線
ふつう 南北線、副都心線

特に朝ラッシュの混雑が激しい路線は東西線、千代田線、半蔵門線の3つ。

いずれも都心部に近い駅では積み残しが生じるくらいの混み具合になる。車内は乗客同士が完全に押し合うレベルにもなっている。

首都圏の中では特に問題視はされないほど緩やかな路線は南北線と副都心線の2つくらいに限られる。

それ以外の7つの路線は「超満員電車」であり、混雑緩和のための対策が必要である。今すぐには難しいものの、将来的には何かしらの手段を講じるのが不可欠だろう。

参照:【レベル別】鉄道の混雑率の目安! 数値ごとの体感


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混雑率の定義と目安:混雑率(日本民営鉄道協会)