定期券の区間変更は一切できない。JR、私鉄、地下鉄のいずれでも例外なく乗車駅・降車駅・ルートを途中で手数料なしの手続きは取り扱っていない。
どうしても乗車する区間を変えたい場合には一旦払い戻しになる。しかし、条件によってはそんな払い戻しすらできない。
しかも払い戻し手数料もかかるため、実質的に区間変更は不可能。通勤定期券・通学定期券いずれもこの点では同じ。
一旦払い戻し+新規購入で区間変更可
定期券の場合だと、一旦払い戻しをしてから再度異なる区間を指定したものを新規購入するという手段がある。
◎定期券の区間変更の方法
払い戻しを行う(手数料発生)
↓
異なる区間の定期券を新規購入
※一旦払い戻しをして購入する形になるため、厳密には「区間変更」ではない。
ただし、払い戻しの取り扱いがあるのは有効期限まで残り10日以上ある場合のみ。
10日未満しか残っていない定期券では払い戻しができないため、区間変更も一切不可。
さらに、払い戻しの計算式も使用済分の料金分は割引率が大きい3か月分・6か月分では都合が悪い方法になってしまう。
払い戻しは残り10日以上の場合のみ
条件(有効期限までの日数) | 払い戻しの可否 |
---|---|
10日以上残っている | ○ |
10日未満しか残っていない | × |
※買い間違いで直後の払い戻しなら可能の場合あり(手数料なしの可能性も)。 ※買い間違い等やむを得ない場合に限って購入日から7日以内から払い戻し可。手数料は220円。 ※区間変更等は一切不可。 ※磁気定期券(きっぷ)・ICカード定期券いずれも同じ。 |
有効期限日まで10日以上残っている定期券であれば、駅の窓口(定期券売り場)にて払い戻しを受けることができる。
払戻額=定期券発売額-使用済月数分の定期運賃-手数料(220円が多数派)
磁気定期券(きっぷ)・ICカード定期券いずれもこの点では変わりない。
最後の1か月に満たない日数に関しては「旬」単位での計算を行っている。旬とは、原則10日単位のこと。
旬の数え方
旬=10日間と考えてよい。
◎計算例
- 6月7日から1旬とは、6月16日まで
- 7月11日から2旬とは、7月30日(7月30日が有効期限の場合に限ります)または7月31日まで
- 2月21日から1旬とは、2月28日(平年の場合)または2月29 日(閏年の場合)まで
- 2月28日から1旬とは、3月7日まで
例えば、4月1日から9月30日まで有効の6カ月定期券を8月20日に区間変更のため払い戻しを行った場合は以下になる。
6カ月定期運賃-(3カ月定期運賃+1カ月定期運賃+普通運賃往復料金×20日(2旬))-220円 = 払い戻し金額
旬単位の計算方法は鉄道事業者による違いは原則ない。
有効期限まで10日未満は不可能
定期券の有効期限までが残り10日未満の場合だと払い戻しを受けることができない。
そのまま有効期限日まで使うしかない。したがって、定期券の区間変更を行う方法がまったくない。
特に1か月定期券を購入した後に区間変更するとなると、もうどうしようもない。
定期券を購入する前に、本当の特定の区間で毎日乗車するのはよく確認した上で購入する必要がある。
間違って違う区間を購入してしまった場合
もし間違って本来乗りはずのない区間の定期券を購入してしまった場合、7日以内であれば払い戻しができる鉄道事業者が多い。
この場合は「やむを得ない場合」として特例的に払い戻しを受け付けてもらえる。
例外的な払い戻しの内容
- 購入直後で間違いに気づいた場合…購入した駅の係員に申し出れば直ちに払い戻し可
- 購入してから7日以内の場合…有効期間開始日からの経過日数分の往復普通乗車券の運賃+220円を支払うことで払い戻し可
8日目からは払い戻しは買い間違いであっても一切できない。
したがって、定期券を購入する際は乗車区間および有効期間を確かめる必要があるのは確か。
もし同一区間をあまり乗らない予定なら、とりあえず定期券ではなく回数券で乗るのも1つの方法だろう。
その他、定期券に関する各種のルール
主な項目 | 内容 |
---|---|
購入・発売 | 直通先での継続購入、区間変更、払い戻しの可否(JR) |
利用上の禁止事項 | 通勤定期券の「通勤」目的以外の購入・使用、通学定期券の「通学」目的以外の購入・使用、指定経路外の乗車、使い回し(本人以外の使用) |
運賃・料金 | 乗り越し精算の計算式、回数券との併用、1日の乗車回数の上限 |
上記の記事にて定期券に関する条件や注意点について解説。通常の乗車券や交通系ICカードによる利用の場合とは異なる点が多い。