自動車メーカーのボーナスは、完成車メーカーの場合は基本給の4.7~6.7か月分が相場。
部品メーカーになるともう少し下がり、下請けになるほど低い傾向。
また、自動車産業で完成車メーカーという括りでは同じでも、実際には収益力で大きく異なる。市場にて大きなシェアを持っている企業ほど高い春闘で回答を獲得している。
完成車メーカーの年間賞与
自動車会社 | 年間賞与(基本給ベース) |
---|---|
トヨタ自動車 | 6.7か月分 |
日産自動車 | 5.7か月分 |
本田技研工業 | 6.3か月分 |
マツダ | 5.2か月分 |
SUBARU | 5.6か月分 |
スズキ | 5.9か月分 |
ダイハツ工業 | 5.7か月分 |
三菱自動車工業 | 5.0か月分 |
いすゞ自動車 | 6.0か月分 |
三菱ふそうトラック・バス | 5.0か月分 |
日野自動車 | 5.9か月分 |
UDトラックス | 4.7か月分 |
ヤマハ発動機 | 6.0か月分 |
出典:「2019年闘争 金属労協集計対象組合 回答状況」(PDF資料)
上記が完成車メーカーに当たる企業。
いずれの会社も4.7~6.7か月分の間で推移。自動車総連に加盟している企業では5.2~6.7か月分。
最も低いのがUDトラックスの4.7か月分。総連加盟では5.2か月分のマツダという結果になった。
製造業の中でも自動車産業は景気に非常に左右されるため年によって大きく異なるが、2019年は市場環境が良好だったため高い結果が出た。
トヨタ・日産・ホンダ
自動車会社大手3社のトヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業では、いずれも高いことには変わりないものの、特に収益が良かったトヨタ・ホンダの2社で6か月以上。
日産自動車はカルロス・ゴーン元会長の汚職事件もあってか、ボーナスはやや低め。
さらに主力の米国事業の不振による業績の悪化も反映。
それでも市場の情勢はいずれの会社も好調だったことで、ボーナスは高い水準。
マツダ・スバル・スズキ・三菱・ダイハツ
マツダ・スバル・スズキ・三菱・ダイハツはいずれも基本給の6か月分には満たない。5か月分台という結果に。
最も低いのがマツダの5.2か月分という金額。
いずれも日本国内こそは販売が好調だったものの、海外では苦戦した地域もあった。
トヨタ・日産・ホンダの場合は国内よりも海外での好調な実績が大きく反映されている。
トラックメーカー
トラック・バスのような大型車を主力とするいすゞ自動車、三菱ふそうトラック・バス、UDトラックスでは4.7~6.0か月分。
最高がいすゞの基本給の6.0か月分。最低がUDの4.7か月分。
乗用車と比べて市場が限られていることもあって業績が伸び悩んでいる。
ボーナスも乗用車メーカーと比べると低い水準ではある。
- 主なトラックメーカーについては下記にて
- いすゞ自動車、三菱ふそうトラック・バス、UDトラックス
自動車関連企業の年間賞与
自動車会社 | 賞与(基本給ベース) |
---|---|
トヨタ自動車東日本 | 5.5か月分 |
愛三工業 | 5.4(168万円) |
シロキ工業 | 4.77か月分 |
トヨタ自動車九州 | 5.7か月分(169万円) |
中央発条 | 150万5千円 |
津田工業 | 4.9か月分 |
大豊工業 | 5.2か月分 |
三互 | 4.9か月分 |
トヨタ自動車北海道 | 4.7か月分+3万円 |
京三電機 | 5.5か月分 |
豊田鉄工 | 5.2か月分 |
岐阜車体工業 | 5.30か月分 |
アイシン軽金属 | 5.35か月分 |
アイシン・エィ・ダブリュ工業 | 5.3か月分 |
中庸スプリング | 5.1か月分 |
林テレンプ | 5.3か月分 |
セキソー | 5.1か月分 |
アート | 5.1か月分 |
日産車体 | 5.3か月分(183万円) |
GKNドライ ブライン | 4.0か月分 |
庄内ヨロズ | 4.7か月分 |
カルソニックカンセイ | 5.3か月分+ 1万円 |
ファルテッ ク | 4.0か月分 |
河西工業 | 5.0か月分(132万円) |
ユニプレス | 5.0か月分+ 50,000円 |
ユニバンス | 5.0か月分(144万円) |
タチエス | 4.4か月分 |
今仙電機 | 5.0か月分+α |
ミツバ | 5.4か月分 |
本田金属 | 5.4か月分 |
ユタカ技研 | 5.3か月分 |
ショーワ | 5.4か月分 |
柳河精機 | 3.5か月分 |
八千代工業 | 4.5か月分 |
浅間技研 | 4.1か月分 |
ホンダロッ ク | 5.2か月分 |
田中精密 | 4.0か月分 |
ケーヒン | 5.4か月分 |
日本電産エレシス | (5.2か月分) |
キーレックス | 5.0か月分 |
ヒラタ精機 | 5.0か月分 |
広島アルミニウム | 5.0か月分 |
デルタ工業 | 5.0か月分 |
ダイキョーニシカワ | 5.0か月分 |
宝栄工業 | 4.0か月分 |
パジェロ製造 | 5.7か月分 |
ヒルタ工業 | 4.0か月分 |
スズキ部品秋田 | 5.7か月分 |
スズキ部品富山 | 5.7か月分 |
明石機械 | 5.3か月分 |
ダイハツ九州 | 5.3か月分 |
富士機械 | 5.1か月分 |
東亜工業 | 5.2か月分 |
自動車部品工業 | 5.6か月分 |
ジェイ・バス | 5.3か月分 |
ソーシン | 5.1か月分 |
日本発条 | 5.5か月分 |
日本特殊陶業 | 6.6か月分 |
曙ブレーキ工業 | (4.5か月分) |
大同メタル | 5.4か月分 |
TBK | 4.0か月分 |
ニッキ | 4.0か月分 |
盟和産業 | 5.0か月分 |
トヨタ車体 | 5.5か月分 |
豊田合成 | 159.5万円 |
トヨタ紡織 | 165.1万円 |
ジェイテクト | 156.7万円 |
豊田自動織機 | 193万円 |
デンソー | 202万円 |
出典:「2019年闘争 金属労協集計対象組合 回答状況」(PDF資料)
※()内は2017年実績
完成車メーカーの協力会社に当たる自動車関連企業の年間のボーナスは上記の通り。
基本給の5か月分が平均
いずれも2019年の春闘での回答による金額。どこも4~6か月分で推移し、平均すると5か月くらい。
完成車メーカーと基準元(何か月分か?)という点では変わらない。
ただし、計算元になるそもそもの基本給は完成車メーカーに比べると低い水準にはなる。平均年収が500万円前後が主流になるため、ボーナスの総額も下がる。
その一方、少なくとも金属労協に加盟する企業ではボーナスゼロという事例はないようだ。