日立Astemo(旧日立オートモティブシステムズ)の平均年収は約600万円。賞与は年間5.2ヶ月分が支給。基準内賃金に対して一律に支給。自動車関連メーカー、製造業全体としては高くも低くもない「ふつう」に分類される。
経営統合までのケーヒン、ショーワは5.4ヶ月分、日信工業は5.2ヶ月分、日立オートモティブシステムズは5.2ヶ月分がそれぞれ支給。
基本給、ボーナス支給額ともに大手企業としては標準的。日立製作所と本田技研工業が共同出資するグループ会社だが、自動車部品メーカーとしては平均並み。
社員個人の給料水準は事務系・技術の違いはないが、総合職・技能職で大きく異なる。
公式の平均年収は626万円
年度 | 平均年収詳細金額 |
---|---|
2018年 | 6,258,056円 |
2017年 | 6,242,537円 |
2016年 | 6,162,842円 |
2015年 | 6,263,309円 |
2014年 | 6,161,014円 |
2013年 | 6,037,097円 |
2012年 | 6,002,989円 |
上記は統合前のケーヒンの正社員・臨時従業員の平均年収。有価証券報告書にて公表されていて、2018年度では626万円という金額が出ている。
過去7年間ではいずれも600万円程度で概ね推移。Honda向け製造が多いが、完成車メーカーである本田技研工業よりは低い金額、1次関連企業でもトヨタグループ以外では平均的な金額。
自動車業界のみならず、上場企業全体の中でも平均的な水準。
上記の平均年収には基本給・賞与・各種手当(時間外手当・家族手当など)などすべてが含まれている。
夏と冬の年2回のボーナスの水準が高い(2018年は年間5.4ヵ月)ことから、年収ベースで製造業(上場)ではやや高め。自動車業界でも他社に劣るほどではない。
年収データには正規雇用(正社員)のみならず、期間工などの契約社員も含まれる。逆に派遣社員は含まれない。
賞与は5.4ヶ月分
日立Astemo(旧ケーヒン、ショーワ、)ではボーナスは社員平均で年間で基本給の5.4ヶ月分が支給された(2018年実績)・旧日信工業では5.25ヶ月分が支給。
- ケーヒン:5.4ヶ月分
- ショーワ:5.4ヶ月分
- 日信工業:5.25ヶ月分
例年もボーナスは年間で基本給の5か月台前半ほどで推移。世界的な不況で経済が大きく落ち込まない限りはそれ未満にはなりにくい。
主要な取引先がHonda系の自動車関連企業のため、企業の売上も基本的に本田技研工業をはじめとする自動車業界全体の動向に比例する。
本田技研工業本体に比べると総支給額は安いものの、世間一般で見たら高めの金額。
なお、上場する自動車部品メーカーでは、ボーナスの平均は年間で5.0か月ほど。日立Astemoは平均よりは上位に入る。
なお、Honda系列ではショーワ、ユタカ技研、ジーテクトと毎年同じ程度。4か月台の八千代工業よりは高め。
他社と比較して
日立Astemoは自動車関連企業(完成車メーカーではない)のため、乗用車メーカーと比べると収益性に劣る。
主要取引先の本田技研工業と比べると当然給料体系は下がる。同じく完成車メーカーのトヨタ自動車をはじめ、日産自動車、マツダ、SUBARU、スズキ、三菱自動車工業にも劣る。
ただし、完成車メーカー各社は製造業の中でも全体的に高めであるため、収益性が完成車優位の上場では、関連企業がそれより年収面で上位に立ちのは難しい。
上場企業の平均年収は600万円前後で毎年推移しているため、日立Astemoも平均並み、高くもないが低くもない。
他の自動車関連企業(完成車メーカーではない企業)としては平均的。
年齢ごとの年収の目安
日立Astemoでは大卒・院卒を対象とした採用区分「総合職」と高卒を対象とした採用区分「技能職」がある。
基本的には最終学歴が高いほど給料体系は高めの金額に設定。
>>【ヒエラルキー】日立グループの序列を大公開! 各々の身分を考察
総合職(大卒・院卒)
年齢 | 年収 | 月収(基本給) | 賞与 |
---|---|---|---|
20-24歳 | 300-400万円 | 25-30万円 | 40-85万円 |
25-29歳 | 350-500万円 | 25-40万円 | 50-80万円 |
30-34歳 | 500-700万円 | 30-50万円 | 70-100万円 |
35-39歳 | 600-800万円 | 35-55万円 | 80-150万円 |
40-44歳 | 700-900万円 | 40-60万円 | 100-150万円 |
45-49歳 | 700-1,000万円 | 40-60万円 | 100-200万円 |
50-54歳 | 800-1,200万円 | 45-60万円 | 150-250万円 |
55-59歳 | 800-1,000万円 | 40-65万円 | 120-250万円 |
上記は総合職(大卒・院卒向けの職種)の年齢ごとの推定年収の目安。全体では600~700万円と推定。
総合職は日立Astemoの中でも最も給料体系が高い職種。世間的に同年代で比較すると若干上位になる。
ただ、大卒・院卒に限定して比較すると平均的か若干上回るくらい。
管理職となれば年収1,000万円以上になる人も出てくる。一方、係長級以下の労働組合員ではまずなく、最高で800万円ほどが上限。
技能職(高卒)
年齢 | 年収 | 月収(基本給) | 賞与 |
---|---|---|---|
20-24歳 | 300-400万円 | 18-22万円 | 60-90万円 |
25-29歳 | 350-500万円 | 20-25万円 | 80-100万円 |
30-34歳 | 500-650万円 | 25-30万円 | 100-120万円 |
35-39歳 | 550-700万円 | 25-40万円 | 100-160万円 |
40-44歳 | 600-750万円 | 30-45万円 | 120-180万円 |
45-49歳 | 700-800万円 | 35-50万円 | 150-200万円 |
50-54歳 | 700-900万円 | 35-50万円 | 150-200万円 |
55-59歳 | 750-850万円 | 35-50万円 | 120-200万円 |
高卒向けの技能職の採用での年齢別年収の目安は上記の通り。全体では500~600万円と推定。
主な仕事内容は、組立、機械加工、溶接、検査などで工場の製造現場での勤務が主流。
20代で300~500万円、30代で500~700万円、40代で600~800万円台、50代で700~900万円が平均的な社員の年収。
最終学歴ごとの年収の差
日立Astemoは、総合職は大卒・院卒・高専卒、技能職は高卒を採用。初任給は最終学歴によって差が見られる。
それぞれの平均年収は、院卒は650万円、大卒(学部卒)は600万円、高専卒は550万円、高卒は500万円程度と推定。一般的な会社と同様に大学院卒の基本給の方が高く設定されていることが影響。
日立Astemoの初任給
- 院卒(修士了):236,500円
- 大卒(学部卒):212,500円
- 高専卒:187,500円
出典:マイナビ2021「日立Astemo」
高卒向けの技能職は採用枠は非公開。特定の高校に限って募集がいく仕組み。
他社と同じように全体的には年収水準は「院卒>大卒(学部卒)>高専卒>高卒」の構造。
ただし、年齢が上がれば上がるほど役職や評価での給料の差が出てくる。
大卒・院卒でも定年まで平社員の人と、高卒だが管理職に昇進した人では、後者の方が最終的な年収は高くなる。
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業種 | 会社名 |
---|---|
完成車メーカー | トヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車、マツダ、SUBARU、スズキ、ダイハツ工業、いすゞ自動車、三菱自動車工業、三菱ふそうトラック・バス、UDトラックス、日野自動車 |
トヨタ関連 | トヨタ車体、豊田自動織機、トヨタ紡織、豊田合成、豊田鉄工、デンソー、ジェイテクト、アイシン精機、愛知製鋼、大豊工業、シロキ工業、愛三工業、曙ブレーキ工業、アイシンAW、トヨタ自動車東日本、トヨタ自動車九州、ヤマハ発動機 |
日産関連 | 日産車体、ヨロズ、河西工業、マレリ(旧カルソニックカンセイ)、ユニプレス、タチエス |
ホンダ関連 | ユタカ技研、ショーワ、八千代工業、ジーテクト、ケーヒン、日信工業、エイチワン、テイ・エステック、ミツバ、武蔵精密工業 |
関連メーカー(独立系) | ユニバンス、ダイキョーニシカワ、デルタ工業、大同メタル工業、日本発条、日本特殊陶業、NTN、小糸製作所、エクセディ、スタンレー電気、市光工業、東プレ、プレス工業、三井ハイテック |
タイヤメーカー | TOYO TIRE |
その他の製造業 | |
業界全体 | 「<早見表>自動車業界の平均年収を各社ごとに一覧化」 |
ボーナス | <一覧表>自動車メーカーのボーナスの支給額の実績 |
上記では自動車業界およびそれに関連する企業の年収および給料水準の目安について解説。