豊田鉄工の平均年収は約600万円と推定。自動車メーカーでは平均的な金額。
基本給、ボーナス支給額は完成車メーカーより若干低め。それでもトヨタグループでは比較的上位に入り、自動車関連企業の中でも給料体系は平均以上。
社員個人の給料水準は職種によって異なり、大卒・院卒向けの職種(事務職・技術職・営業職・サービス技術・一般事務職)と高卒(いわゆる業務職)では異なる傾向がある。期間工など契約社員は非正規労働者のためさらに低い。
トヨタ自動車と比べると給料体系は「トヨタ自動車本体>豊田鉄工」という構図だが、世間一般と比較すると平均を大幅に超える。
平均年収は600万円前後と算出
豊田鉄工はトヨタグループ(トヨタ自動車を中核とした企業グループ)で非上場。ゆえに有価証券報告書は公表されていない。年間平均給与も公式のものは非公開となっている。
推定では年収は全従業員で換算すると600万円前後になる。これには基本給・賞与・各種手当(時間外手当・家族手当・深夜勤務手当等)などすべてが含まれている。
夏と冬の年2回(7月と12月)のボーナスも低い金額ではない(2018年は半期で2.6か月分、5.2か月分)。世界的な景気動向で大きく左右されるが、例年も同じく年間5か月分強が相場。
業界規模を考えても、正規雇用(正社員)であれば少なく見積もっても平均600万円以上には少なくとも達する。
年収偏差値
職種 | 年収偏差値 | 概要 |
---|---|---|
事務系総合職 | 60 | 上場企業の中では平均より上 |
技術系総合職 | 60 | |
高卒(技能職) | 55 | 大企業の平均並み |
契約社員(期間工など) | 45 | 中小企業並み |
豊田鉄工の平均年収を偏差値にすると、総合職は60、高卒は55、期間工などの契約社員は45。
総合職(大卒・院卒向けで採用された場合)は事務系・技術系いずれも核となる職種ということもあって大幅に給料が高い水準。将来的な幹部候補でもある。上場企業の平均的な金額。偏差値60がこれに当たる。
高卒に関しても大卒以上に比べると劣るものの、上場企業と比較しても悪くはなく、最終学歴が高卒に絞った場合はむしろ高め。
期間工などの契約社員、あるいは派遣社員は低い。非正規労働者として、中小企業の正社員並みの給料水準にとどまる。
他社と比較して
豊田鉄工の場合は「下請け」というイメージがあるかもしれないが、トヨタグループの中でも上位企業(ティア1)のため、年収は世間的なイメージほど低くはない。
確かにトヨタ自動車や豊田自動織機と比べると給料体系は下がる。
日産自動車、本田技研工業と比べても低い給料体系だが、スズキ、マツダ、SUBARU、三菱自動車工業などよりはちょっと低い金額。
それぞれの動向によっては逆に追い抜かすこともあり得る。
残念な点は平均年収が残業代によって支えられている印象もある。
好業績時のベースアップやボーナスなどは評価できる。毎月の残業がかなり多く、残業代ありきでの生活になる。また、会社の規模の割に昇給が少ないため、収入の面ではそれほど期待できない。
引用:カイシャの評判「豊田鉄工株式会社の年収・給与(給料)・ボーナス(賞与)」
それでも、いわゆる「ブラック企業」のような長時間労働はなく、残業代も法律に基づいて全額支給される。こうした制度面を考慮すると、年収面でデメリットは特にない。
ボーナス
豊田鉄工のボーナスは基本給の5.2か月分が支給された。(2018年実績)
例年も年間で5~6か月分で推移。トヨタグループの中では平均的な基準で、自動車業界でも標準的。
総支給額は子会社ということもあってトヨタ自動車よりは劣るものの、自動車関連企業(完成車メーカーではない会社)の間ではむしろ高い方に分類される。
総合職
年齢 | 年収 | 月収(基本給) | 賞与 |
---|---|---|---|
20-24歳 | 300-400万円 | 25-30万円 | 40-85万円 |
25-29歳 | 350-500万円 | 25-40万円 | 50-80万円 |
30-34歳 | 500-700万円 | 30-50万円 | 70-100万円 |
35-39歳 | 600-800万円 | 35-55万円 | 80-150万円 |
40-44歳 | 700-900万円 | 40-60万円 | 100-150万円 |
45-49歳 | 700-1,000万円 | 40-60万円 | 100-200万円 |
50-54歳 | 800-1,200万円 | 45-60万円 | 150-250万円 |
55-59歳 | 800-1,000万円 | 40-65万円 | 120-250万円 |
上記は大卒・院卒向けの職種の年齢ごとの推定年収の目安。全体では600~700万円と推定。
豊田鉄工の中でも最も給料体系が高い職種。他の主要なトヨタグループと同水準。
将来的な幹部候補とする職種で、実際に昇進して管理職に就く人も多いため、平均年収も高めの金額。
年齢が上がると範囲が大きくなるのは、各個人の役職やスキル、勤続年数による違いが大きくなるため。
それでも昇給のシステムはどちらかというと成果型というより年功序列型。
事務系
事務系総合職では主に以下の仕事内容が挙げられる。
- 企画
- 情報システム
- グローバル事業
- 人事(労務・採用・教育)、総務(庶務・安全衛生)、経理(財務・原価)
- 営業(トヨタ・海外・その他)
- 調達(資材・設備)
- 生産管理
- 物流管理
- 工場工務
主に文系を対象とするのが事務系。
事務職は名前の通り管理部門(事務関連)を対象とした職種。
いずれも年収に関しては、仕事内容ごとの違いはほとんどない。
20代のうちは年収が300~500万円、30代は500~800万円、40代は700~1,000万円、50代は800~1,200万円が相場。
40歳辺りになると、特に管理職で1,000万円級になる社員が出てくる。逆に役無しだと600~700万円前後にとどまる。
技術系
技術系総合職では主に以下の仕事内容が挙げられる。
- 製品開発
- 製品設計(ボデー部品・シャシー部品・内装部品・電子部品)
- プレス金型設計
- 組立溶接設備の生産技術
- 製造技術(プレス・組立)
- 品質保証
理系の学部学科を出ている人を対象とする技術職においても年収は仕事内容ごとの違いはほとんどない。
20代のうちは年収が300~500万円、30代は500~800万円、40代は700~1,000万円、50代は800~1,200万円が相場。
理系職種の場合は学部卒よりも大学院卒の社員の割合が大きいため、その分平均年収も事務系より若干高めになりやすい。
それでも30代以降になると最終学歴による違いはあまり影響せず、役職や評価による要素が大きくなる。
技能職
年齢 | 年収 | 月収(基本給) | 賞与 |
---|---|---|---|
20-24歳 | 300-400万円 | 18-22万円 | 60-90万円 |
25-29歳 | 350-500万円 | 20-25万円 | 80-100万円 |
30-34歳 | 550-650万円 | 25-30万円 | 100-120万円 |
35-39歳 | 550-700万円 | 25-40万円 | 100-160万円 |
40-44歳 | 600-750万円 | 30-45万円 | 120-180万円 |
45-49歳 | 700-800万円 | 35-50万円 | 150-200万円 |
50-54歳 | 700-900万円 | 35-50万円 | 150-200万円 |
55-59歳 | 750-850万円 | 35-50万円 | 120-200万円 |
技能職は主に高卒向けの採用での年齢別年収の目安は上記の通り。全体では500~600万円と推定。
豊田鉄工も総合職との違いは基本的に現場系の仕事内容が多い点。昇進のスピードは比較すると遅い。ゆえに同じ正社員という形でも平均年収は低め。
20代で300~500万円、30代で500~700万円、40代で600~800万円台、50代で700~900万円が平均的な社員の年収。
世の中全体としては決して低い給料水準ではなく、大手企業としても「並み」と表現可能。
契約社員(期間工など)
年齢 | 年収 | 月収(基本給) | 賞与 |
---|---|---|---|
20-24歳 | 200-350万円 | 15-20万円 | ー |
25-29歳 | 250-400万円 | 15-25万円 | ー |
30-34歳 | 300-400万円 | 20-25万円 | ー |
35-39歳 | 350-450万円 | 20-30万円 | ー |
40-44歳 | 400-500万円 | 25-35万円 | ー |
45-49歳 | 400-500万円 | 25-35万円 | ー |
50-54歳 | 400-500万円 | 25-35万円 | ー |
55-59歳 | 400-500万円 | 25-35万円 | ー |
豊田鉄工の非正規労働者に当たる期間工などの契約社員の年齢別年収の目安は上記の通り。全体の平均年間給与は300~350万円程度と推定。
20代で200~400万円。30代になると300~450万円が主力。徐々に正社員との差が拡大。40代、50代は400~500万円。
30代後半くらいからは社会の中でも低所得者に該当してくる。中小企業の正社員よりも低い水準。
契約社員にはボーナスはまったく支給されない。あくまでも正社員にのみ支給される手当。
収入の目安は基本的に中小企業の平均的な正社員に近いが、特に年齢が上がるほど給料の安さが表立つ。
最終学歴ごとの年収の差
豊田鉄工では、公募されている事務職・技術職は院卒・大卒(学部卒)・高専卒を採用。
初任給は最終学歴によって差が見られる。
豊田鉄工の初任給
大学院了 月給229,500円
大学卒 月給207,500円
高専(本科)卒 月給180,500円
高専(専攻科)卒 月給207,500円
出典:リクナビ2021
全体的には年収水準は「大卒・院卒>高専卒>高卒」の構造。
ただし、年齢が上がれば上がるほど役職や評価での給料の差が出てくる。
大卒・院卒でも定年まで平社員の人と、高卒だが管理職に昇進した人では、後者の方が最終的な年収は高くなる。
業種 | 会社名 |
---|---|
完成車メーカー | トヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車、マツダ、SUBARU、スズキ、ダイハツ工業、いすゞ自動車、三菱自動車工業、三菱ふそうトラック・バス、UDトラックス、日野自動車 |
トヨタ関連 | トヨタ車体、豊田自動織機、トヨタ紡織、豊田合成、豊田鉄工、デンソー、ジェイテクト、アイシン精機、愛知製鋼、大豊工業、シロキ工業、愛三工業、曙ブレーキ工業、アイシンAW、トヨタ自動車東日本、トヨタ自動車九州、ヤマハ発動機 |
日産関連 | 日産車体、ヨロズ、河西工業、マレリ(旧カルソニックカンセイ)、ユニプレス、タチエス |
ホンダ関連 | ユタカ技研、ショーワ、八千代工業、ジーテクト、ケーヒン、日信工業、エイチワン、テイ・エステック、ミツバ、武蔵精密工業 |
関連メーカー(独立系) | ユニバンス、ダイキョーニシカワ、デルタ工業、大同メタル工業、日本発条、日本特殊陶業、NTN、小糸製作所、エクセディ、スタンレー電気、市光工業、東プレ、プレス工業、三井ハイテック |
タイヤメーカー | TOYO TIRE |
その他の製造業 | |
業界全体 | 「<早見表>自動車業界の平均年収を各社ごとに一覧化」 |
ボーナス | <一覧表>自動車メーカーのボーナスの支給額の実績 |
上記では自動車業界およびそれに関連する企業の年収および給料水準の目安について解説。