大和路線の朝ラッシュの混雑状況を時間帯・区間ごとに調査

JR大和路線(関西本線)

JR大和路線(関西本線)朝ラッシュの混雑状況を時間帯・区間・種別ごとに調査した。快速・区間快速・各駅停車の3つをそれぞれ観察。

阪奈間を結ぶ重要な路線という位置づけとなっている大和路線は、正式には関西本線という路線名になっている。

関西地区の大阪市中心部から郊外へ放射状に延びる路線はいくつかあるが、大和路線は以外にもJR西日本の中では最も空いている。混雑率も東部市場→天王寺でさえ100%前後かそれ以下で推移。

奈良線や嵯峨野線のように大阪市へ直結していないところよりは混んでいるものの、代表的な路線の中では余裕。


時間帯ごとの混み具合

天王寺駅到着列車の時間帯ごとの混み具合
時間帯 混雑度 時間帯 混雑度
6:00-6:30 2 8:30-9:00 4
6:30-7:00 3 9:00-9:30 4
7:00-7:30 4 9:30-10:00 3
7:30-8:00 5 10:00-10:30 3
8:00-8:30 5 10:30-11:00 2

各段階ごとの混雑率の目安
5:120%
4:100%
3:90%
2:60%
1:50%

大和路線の平日の朝ラッシュの時間帯ごとの混雑を調査すると、天王寺駅到着分の結果は上のようになった。

基本的に時間帯ごとの混み具合の差は他の路線と同じであるが、まとまった乗客が降りていくのは天王寺駅。

久宝寺駅でもおおさか東線へ乗り換える人が結構いるが、大量というほどではない。

周辺の路線の混み具合について
路線名 混雑率 最混雑区間
大阪環状線 104% 京橋→桜ノ宮
阪和線 110% 美章園→天王寺
御堂筋線(大阪メトロ) 147% 梅田→淀屋橋
近鉄奈良線 137% 河内永和→布施
近鉄大阪線 131% 俊徳道→布施

参考:通勤ラッシュの時間帯のピークとは何時から何時まで!?

大和路線と関連のある路線については上記で解説。

6時台は余裕

6時台に関してはまだ余裕が見られる。

早朝の時間帯に当たることもあり、通勤通学で大和路線を使う人もそう多くはない。大阪方面・奈良方面のいずれも同じ。

快速・直通快速、各駅停車のいずれも車内の空間には大きな余裕がある。

ドア付近でもすし詰め状態になることはなく、スマホ操作はもちろんのこと、車内奥なら新聞・雑誌も読めるレベル。

「満員電車」と満たすほどの混み具合にはまだならない。

ただし、上り列車は全員が座れるほどガラガラ状態ではない。

7時台になると混み合う

7時台に入ると一気に朝ラッシュならではの光景が広がる。

阪和線は天王寺駅止まりと、大阪環状線内まで乗り入れるが、天王寺駅までは上り列車はどんな列車でも満員になる。

大阪駅などまで行く人は特に奈良県内の区間だと7時台前半から乗るため、この時間帯ですらピークに近い状態になる。

大和路線は近畿地方でも比較的混雑が緩やかのため、乗客同士が接するほどにはならない。

ただし、転換クロスシート車だとスペースに余裕がないため、一部で荷物用が降れる可能性はある。

8時台もピーク

天王寺駅に到達する電車では、8:00頃の便が1日の中で最も混雑する。この点では大和路線・阪和線のいずれにも共通する。

奈良方面から大阪駅(梅田)に行く人たちも多いが、天王寺駅からだとさらに20分程度かかることで移動する時間帯が若干早い。

ほかの路線だと8時30分頃が朝ラッシュのピークになるが、大和路線はそれより若干だが早いといえる。

コアタイムそのものは7時台後半から9時まで。9時以降からはすし詰め状態は解放される。

下り列車に関しても、天王寺駅発車の時点でのピークは8:00前後になる。全員が座れるようなレベルではない。

区間ごとの混雑

大和路線の区間ごとの混雑状況については以下のようになる。

基本的に天王寺駅に近づくほど混み具合が大きくなっていく。

快速・区間快速、各駅停車があるが、最終的な混み具合は特に違いはない。

上り(天王寺方面行)

上り列車の区間ごとの混み具合
区間 快速・区間快速 各駅停車
加茂~木津
木津~平城山
平城山~奈良 ★★
奈良~郡山 ★★★
郡山~大和小泉 ★★★
大和小泉~法隆寺 ★★★
法隆寺~王寺 ★★★
王寺~三郷 ★★★★
三郷~河内堅上 ★★
河内堅上~高井田 ★★
高井田~柏原 ★★★
柏原~志紀 ★★★
志紀~八尾 ★★★
八尾~久宝寺 ★★★★
久宝寺~加美 ★★★★★ ★★★
加美~平野 ★★★★
平野~東部市場前 ★★★★
東部市場前~天王寺 ★★★★★
天王寺~新今宮 ★★★★ ★★
新今宮~今宮 ★★★★ ★★★
今宮~JR難波 ★★★★ ★★★

各段階ごとの混雑率の目安

★★★★★:120%以上
★★★★:100%
★★★:80%
★★:60%
★:50%

快速・区間快速の混雑自体は王寺駅からスタートする。

大和路線内からの列車、和歌山線からの直通列車があるが、それぞれの単独区間は車内奥まで立ち客が多い状態にはなりにくい。

各駅停車は柏原駅付近から本格的に混雑してくる。

久宝寺駅にて快速の接続があるため、ここで大量の乗客が下りて快速へ乗り換える。

いずれも最終目的地は天王寺駅またはJR難波駅である人がほとんど。

下り(奈良方面行)

下り列車の区間ごとの混み具合
区間 混み具合
JR難波~天王寺 ★★
天王寺~久宝寺 ★★★
久宝寺~王寺 ★★
王寺~法隆寺 ★★
法隆寺~奈良 ★★
奈良~加茂

各段階ごとの混雑率の目安

★★★★:120%
★★★:100%
★★:80%
★:50%

朝の下り列車の混雑は比較的空いている。

奈良方面へ向かう電車に当たるが、混み合うのは快速・区間快速・各駅停車いずれも天王寺→久宝寺くらいに限られる。

通勤・通学の乗客もそれなりにいるが、観光客と思われる人が多いのも印象的。

乗車率は100%程度で収まる

JR大和路線の乗車率は、乗車定員に対する乗客の数で考えると100%かそれを下回る句会のレベルとなっている。

国土交通省が毎年発表している混雑率のデータによると、大和路線は各駅停車で東部市場前→天王寺が95%、快速だと久宝寺→天王寺で85%前後で推移している。

関西地区で最も混雑率が大きいのは御堂筋線の150%だが、これに比べると大和路線はそれほど混雑が激しくないことが感じる。

ただ、ガラガラというわけでは決してない。乗車率100%というのは、座席の数に加えてつり革の数を足したものである。みんなが確実に座れるような状況ではまったくない。

着席できるのはあくまでも始発駅から乗った人くらいに限られる。大和路線だと、快速は奈良駅、各駅停車は奈良駅または王寺駅などである。

転換クロスシート車の快速は混んでいる?

転換クロスシート

混雑度が増す転換クロスシート

ところで、大和路線の快速は転換クロスシート車である221系で運転されることが多い。進行方向に向かって座れる2+2の配列の座席のことを指す。

転換クロスシート車の場合、乗客の数が同じでも車内はやや窮屈感が感じることが多い。ロングシートと比べて座席に広いスペースが使われているため、立ち客が乗れる場所が狭いという欠点がある。

このため、混雑する朝と夕方の通勤ラッシュの時間帯では転換クロスシートの車両が満員電車のような状態となる。

しかも、ロングシート車両よりもドア付近に立つ人が多くなりやすい。車内奥が狭いためだ。

誰もがドア付近のスペースに立とうとするため、転換クロスシートで運転される快速は混み具合が激しくなる傾向が見られる。

なぜ超満員にはなっていない?

大和路線と並行する近鉄

JR大和路線のほかに阪奈間を結ぶ路線は複数ある。中でも、同じ地域を走る路線として近鉄奈良線と大阪線、南大阪線がある。

大阪府内の部分では、大和路線は近鉄大阪線と南大阪線と並行して走っている。さらに、大阪市内に近い八尾駅から西側では地下鉄谷町線とも並行している。

奈良県内に入ると、今度は近鉄奈良線と同じエリアを走る。さらに、付近には近鉄生駒線や橿原線、田原本線などもある。

沿線の駅を乗り降りする人はJRか近鉄か選べるような環境となっている。JR大和路線しか手段がないというわけではない。

近鉄に流れる人数が一定の割合でいるため、混雑もその分緩やかとなっている。鉄道利用者を2社で分け合っていることが、大和路線で激しい混雑には発展していない理由というわけだ。

他の路線の混雑状況

接続駅 路線
加茂 関西本線(亀山方面)
木津 JR奈良線学研都市線
奈良 近鉄奈良線(近鉄奈良駅)、桜井線(万葉まほろば線)
王寺 和歌山線、近鉄生駒線、近鉄田原本線(新王寺駅 )
柏原 近鉄道明寺線、近鉄大阪線
久宝寺 おおさか東線
天王寺 大和路線大阪環状線

御堂筋線谷町線近鉄南大阪線、阪堺電気軌道

新今宮 南海本線南海高野線堺筋線(動物園前駅)
JR難波 御堂筋線、四つ橋線千日前線

阪神なんば線、近鉄難波線、南海本線、南海高野線

大阪環状線へ一部直通>

参照:【関西編】大阪都市圏の鉄道路線の混雑率をランキング化!

上記の表は大和路線と接続する各路線の混雑状況について。さらに関西圏エリアの他の鉄道網の朝ラッシュ時の混み具合についても取り上げる。


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