TOEICスコアが500点という点数の目安はどのレベルに該当するのか。就職では有利、それとも不利になるのか分析してみた。
結論を言うと、受験者全体の平均となる点数が500~595点である。つまり、世の中では英語力は「ふつう」ということとなる。
就職では、特に英語力が求められる採用のところだと有利にはまったく働かない。むしろ不利になる可能性もある。海外事業に関係する部署だと「英語ができない」と低評価される可能性も否定はできない。
TOEICが500点~就職の有利・不利の基準
<TOEICスコア=500点台の就職および昇進の事情> | ||
採用区分 | 有利・不利の目安 | |
新卒(高卒) | ★★ | 多少は有利になるかも |
新卒(大卒・院卒) | ★ | まったく有利にはならない |
中途採用 | ー | もはや不利 |
昇進 | ー | 話にならない |
就職や転職、昇進の際のTOEICスコアが500~595点の場合の有利・不利の目安は上のような感じになるだろう。
参照:就職でのTOEICの点数の目安! 有利になるのはいくつから?
高卒向けの新卒採用
新卒採用の場合は、高卒や高専卒の場合なら多少は有利に働く可能性がある。
そもそもTOEICの公開テストを受験する高校生や高専生は英語の勉学にある程度熱心に取り組んでいるとみなされることが少なくない。
TOEICが500点台という点数は、全体的にみればあくまでも平均的な点数ではあるが、これはより高度な教育を受ける大学生や英語を実際に仕事に使っている社会人を含めた場合の点数である。高卒の採用なら不利には働かない。
高卒で就職する人は大学受験の勉強をしないため、英語力も全体的に低めになる。その中でTOEICのスコアが500点台になっていれば上位に入ってくる。
大卒・院卒向けの新卒採用
一方の大卒・院卒を対象とする新卒採用の場合、TOEICスコアが500点台となると有利に働く可能性はかなり低い。平均的な点数のため、「英語ができる」人材だとは評価されないだろう。
特に大手企業では厳しい状態になる。応募者が殺到しやすいため、英語ができる学生が集まる。TOEICで500点の点数というのはむしろ低い方に入るかもしれない。
特に文系の大学生になるとTOEICの点数は高めになりやすい。国際系、言語系の学部学科に所属する人が多くなる。500点だと埋没するような感じになってくる。
理系の場合も、全体的なTOEICの平均点は文系より低めになるものの、500点では不足気味になる。700点以上のスコアを持っている学生が少なくない中、大手企業は特に厳しい状況に立たされる。
テレビCMを放映していない会社なら、海外事業の有無を問わず英語ができる人だけが採用されるわけではない。その場合だと相対的に不利になる可能性は低い。
それでも大卒・院卒の新卒採用でTOEICが500点というスコアだと有利に働く可能性はかなり低い。
あくまでも私見ではあるが、大卒・院卒向けの新卒採用で本格的に有利になるのは700点以上が1つの目安になる。
中途採用(社会人採用)
転職者を狙った中途採用においては、TOEICのスコアが500点というレベルはもはや完全に有利に働く可能性はゼロである。
近年は特に英語ができる人材がどんどん増えている。500点はかつては不利にはならなかった場合でも、今では完全に劣勢に立たされる場面も出てくる。
中でも海外事業に関する部署の募集となれば、TOEICのスコアは最低でも700点前後は取れるのが当たり前になってくる。
国内事業に携わる場合であっても評価されるポイントはないだろう。英語力はあくまでも平均程度としかみなされない。
英語を仕事で使う職場へ転職しようとしているのであれば、TOEICのスコアは800点クラスが標準になる。それ以外でも評価されるのは700点台から。
500点台だとむしろ不利になる可能性も否定できなく、履歴書等に記載しない方がよいレベルと思う。
>>【転職編】中途採用のTOEICのスコア目安! 基準とは!?
昇進
昇進は採用とはまた別であるため、英語力が関係するかしないかは各企業の方針に大きく左右される。
英語をあまり必要としない職場であれば、TOEICのスコアは全く考慮されず、あくまでも日ごろの仕事の評価だけになるだろう。
一方で英語ができることが求められる職場やグローバル化に対応することに情熱を燃やしている会社だと、TOEICのスコアが条件に関わってくるかもしれない。
このようなTOEICスコアが昇進の条件になっている企業だと、多くの事例では700~800点前後が最低基準になっている。総合商社のような一部では900点台というケースもある。
いずれにせよ、TOEICのスコアが500点だと昇進でも有利には働かない。中途採用と同じくむしろ不利になってしまうことも考えられる。
上司や会社へも「TOEIC公開テスト:スコア500点」と記載した書類は提出しないのは無難だろう。
そもそも500点の目安とは?
TOEICのスコアが500点台の場合、持っている英語力の説明文は以下のようになる。
日常会社のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる。
通常会話であれば、要点を理解し、応答にも支障がない。複雑な場面における敵泣くな対応や意思疎通になると、巧拙の差が見られる。
基本的な文法・構文は身についており、表現力の不足はあっても、ともかく自己の意思を伝える語彙を備えている。
これは、TOEIC側が公表している目安の開設で、スコアが470~730点の範囲に入る場合の目安として記載されている。
就職の場合でも、新卒採用の場合は英語を必要としない会社や職種なら不利にはならない。
逆に英語を使う仕事となる場合だと、新卒でも中途採用であっても不利になってしまう。あくまでも「限られた範囲内」で通用する英語力のため、ここでマイナス評価を受けてしまう可能性があるわけだ。