【コロナ期間】首都圏の主要鉄道路線の混雑率の調査結果

コロナ期間の首都圏における各鉄道路線の朝ラッシュ時の混雑率を調査。各鉄道事業者ごとにその結果を掲載。

最も混雑率が高い東京メトロ東西線では、199%から180%程度には緩和された点をはじめ、各路線ともに例外なく少しは改善したものの、減少幅は想像していたほどではなく、5~7割程度の大幅な減少があった4~5月の緊急事態宣言期間後はまた従来に近い状態に戻った。

今回の調査は2020年11月1日から12月15日までの範囲の結果。調査方法は、最混雑区間のスタート地点とされる駅ホームでの目視で確認。


JR東日本

JR東日本の各路線の混雑率(2020年11月1日~12月25日調査)
路線名 最大混雑率 区間
総武線(各駅停車) 170% 錦糸町→両国
横須賀線 170% 武蔵小杉→西大井
南武線 170% 武蔵中原→武蔵小杉
中央線(快速) 160% 中野→新宿
東海道線 160% 川崎→品川
京浜東北線 160% 大井町→品川
総武線(快速) 150% 新小岩→錦糸町
埼京線 150% 板橋→池袋
武蔵野線 150% 東浦和→南浦和
京葉線 150% 葛西臨海公園→新木場
高崎線 150% 宮原→大宮
山手線 130% 新大久保→新宿
常磐線(快速) 130% 松戸→北千住
根岸線 130% 新杉田→磯子
常磐線(各駅停車) 130% 亀有→綾瀬
宇都宮線 120% 土呂→大宮
内房線 120% 浜野→蘇我
外房線 120% 鎌取→蘇我

総武線

総武線各駅停車(中央総武緩行線)では、朝ラッシュ時の混雑率は最大で170%程度。

総武線快速の東京駅方面との分岐点である錦糸町駅から両国駅までの区間が最混雑区間だが、コロナ期間ではやや減少幅があった。

とはいえ、ドア付近では窮屈感があるほど。積み残しは辛うじて起こらない程度。

総武線快速では、混雑率は最大150%。新小岩→錦糸町がその区間。

こちらもドア付近では若干窮屈感があるほど。乗客同士が触れることはないレベル。手荷物も他人に触れることは稀。

横須賀線

横須賀線では、混雑率は最大170%。武蔵小杉→西大井がその区間。実際のところは、武蔵小杉→品川の区間にて通しで混雑。

ドア付近では窮屈感があるほど。積み残しは辛うじて起こらない程度。

JR・相鉄直通線(相鉄線からの直通列車)では大幅に空いていて、武蔵小杉駅発車時点でも混雑率は100%にも満たない範囲だが、横浜駅方面からの電車は武蔵小杉駅発車時点では170%に達するほど。

南武線

南武線は、混雑率は最大170%。武蔵中原→武蔵小杉がその区間。

コロナウイルスが日本国内で蔓延する以前は190%程度だったものの、コロナ期間となった2020年後期は170%程度までは減少した。

しかし、6両編成での運転はまだまだ輸送力不足。手荷物が他人に触れる可能性があるほど混雑は続く。

中央線

中央線(快速)の混雑率は最大160%。中野→新宿がその区間。

中野駅発車時点では、乗客同士が触れ合う程の混雑ではないものの、手荷物が他人に触れることがある。特にドア付近では荷物が他人を押す光景があった。

中央線各駅停車(中央総武緩行線)の東行の最混雑区間である大久保→新宿でも、混雑率は100%程度。もともと、この区間では快速に集中することもあって、満員電車でもその程度は軽い。

東海道線

東海道線の混雑率は最大160%。川崎→品川が最混雑区間。

川崎駅を出発する時点では乗客同士が触れ合う程の混雑ではないものの、手荷物が他人に触れることがある。

7号車付近では、ドア付近では荷物が他人を押す光景があった。

京浜東北線

京浜東北線の混雑率は最大160%。大井町→品川が最混雑区間。

こちらも乗客同士が触れ合うことは確認できなかったが、手荷物が他人に接触する光景はあった。

川口→赤羽では、手荷物が他人に触れ合うところは確認できず、混雑率は120%と判断。こちらは比較的混雑が緩やか。

埼京線

埼京線の混雑率は最大150%。板橋→池袋が最混雑区間。

乗客同士が触れ合うことは確認できなかったが、手荷物が他人に接触する光景はあった。

ただ、車両ごとの混雑状況の違いもやや大きく、大宮側の車両では手荷物さえも触れ合うところはなかったが、新宿寄りの車両では超満員電車に近く、手荷物が他人を押す勢いがあった。

武蔵野線

武蔵野線の混雑率は最大150%。東浦和→南浦和が最混雑区間。

こちらも、乗客同士が触れ合うことは確認できなかったが、手荷物が他人に接触する光景はあった。

短い区間の混雑で、全線を通じては途中で大量に降車する駅が点在するため、都心から放射状に延びる路線とは性質的に異なる。

京葉線

京葉線の混雑率も最大150%。葛西臨海公園→新木場が最混雑区間。

すべての車両において、乗客同士が接するところはなかったが、ドア付近にて手荷物が他人に触れるところはあった。

通勤快速に関しては、新木場駅到着時点を見る限りは、混み具合は各駅停車との違いはほとんどなかった。

高崎線

高崎線の混雑率は150%。宮原→大宮の区間で最も混雑するが、列車ごとの違いが見られた。

上野東京ライン系統(上野駅、東京駅方面)では、ドア付近でも手荷物が他人に触れるほどではなかった。

湘南新宿ライン系統(池袋駅、新宿駅、渋谷駅方面)では、ドア付近では手荷物が他人に触れる光景があった。

混雑率150%に相当するのは湘南新宿ライン。上野東京ラインはそれよりも低い混雑率は120%。

山手線

山手線の混雑率は130%。新宿→新大久保の区間が該当。

新宿駅発車時点でも手提げバッグやリュック等が他人に触れる光景はなかった。

混雑しているために、先発列車を見送って次発列車を待った乗客もいなかった。

常磐線

常磐線(快速)の混雑率は130%。松戸→北千住の区間が該当。

こちらも、松戸駅発車時点で手提げバッグやリュック等が他人に触れる光景はなかった。

常磐緩行線(千代田線直通)の混雑率も同じく130%。快速との違いは特に見られなかった。

宇都宮線

宇都宮線の混雑率は120%。土呂→大宮の区間で最も混雑するが、列車ごとの違いが見られた。高崎線の傾向と類似。

上野東京ライン系統(上野駅、東京駅方面)では、車内奥にて立っている人は空間に大きな余裕があるほど。

湘南新宿ライン系統(池袋駅、新宿駅、渋谷駅方面)では、ドア付近では手荷物が他人に触れるか触れないかのギリギリの瀬戸際の状態。

混雑率120%に相当するのは湘南新宿ライン。上野東京ラインはそれよりも低い混雑率は100%。

東京メトロ

東京メトロ路線の混雑率(2020年11月1日~12月25日調査)
路線名 最大混雑率 区間
東西線 180% 木場→門前仲町
千代田線 150% 町屋→西日暮里
半蔵門線 150% 渋谷→表参道
丸ノ内線 130% 新大塚→茗荷谷
有楽町線 130% 東池袋→護国寺
銀座線 130% 赤坂見附→溜池山王
日比谷線 130% 三ノ輪→入谷
副都心線 120% 要町→池袋

東西線

日本一朝ラッシュの混雑がひどい東西線では、混雑率は最大180%。木場→門前仲町がその区間。

午前8時15分の時点でも積み残しは辛うじて起こらない程度だが、車内(ドア付近)では乗客同士が触れ合うところはあった。

一方、車内奥も他人に接するほどではなく、コロナ期間に入ってからの混雑率の減少は多少はあった。

スマホの操作の可否に関して、従来はドア付近のみならず車内奥の部分でもスマホの操作すら困難なほどの混雑だったものの、コロナ期間の今回の観察ではそれはドア付近だけで、車内奥ではスマホの操作が可能なレベルだった。

一方、リュックを背負ったままの乗車は依然として不可能。マナー的に肩から降ろす必要があるほど。

千代田線

千代田線は、混雑率は最大150%。町屋→西日暮里がその区間。

コロナウイルスが日本国内で蔓延する以前は180%程度だったものの、コロナ期間となった2020年後期は150%程度までは減少した。

これまでは、北千住駅や町屋易で積み残し発生し、ドアを閉める際には乗客が乗車中であっても強引に閉める光景があったが、コロナ期間ではそのような光景はほとんどなくなった。

半蔵門線

半蔵門線の混雑率は最大150%。渋谷→表参道がその区間。

半蔵門線では北行の電車はすべて東急田園都市線からの直通列車だが、半蔵門線区間では比較的混雑は緩やか。

ドア付近でも乗客同士が触れ合う光景は確認できなかった。一方、手荷物が他人に触れる光景はあった。

丸ノ内線

丸ノ内線の混雑率は最大130%。新大塚→茗荷谷が最混雑区間。

手荷物が他人に触れる光景は特に確認できなかった。

ドア付近でもスマホの操作が可能で、空間にもある程度は余裕が見られる。

ただし、コロナ期間ということもあって、ソーシャルディスタンスとして他人との間隔を意識する人が多く、積極的にドア付近から車内奥へ移動する人もいる点もこれに影響しているかもしれない。

有楽町線

有楽町線の混雑率は最大130%。東池袋→護国寺が最混雑区間。

こちらも手荷物が他人に触れる光景は特に確認できなかった。

ドア付近でもスマホの操作が可能で、空間にもある程度は余裕が見られる。

銀座線

銀座線の混雑率は最大130%。赤坂見附→溜池山王が最混雑区間。

もともと銀座線では混雑が緩やかだったが、今回も手荷物が他人に触れる光景は特に確認できず、ドア付近でもスマホの操作が可能で、空間にもある程度は余裕が見られるほどだった。

日比谷線

日比谷線の混雑率は最大130%。三ノ輪→入谷が最混雑区間。

こちらも手荷物が他人に触れる光景は特に確認できず、ドア付近でもスマホの操作が可能で、空間にもある程度は余裕が見られるほどだった。

千代田線に比べても混雑は緩やか。東武スカイツリーラインからの直通列車でも同様。

副都心線

副都心線は東京メトロの中では最も空いている路線だが、コロナ期間ではさらに減少が見られた。

混雑率は最大120%。要町→池袋が最混雑区間だが、ドア付近でも手荷物が他人に触れる光景はなかった。

都営地下鉄

都営地下鉄路線の混雑率(2020年11月1日~12月25日調査)
路線名 最大混雑率 区間
都営新宿線 130% 西大島→住吉
都営三田線 130% 西巣鴨→巣鴨
都営大江戸線 130% 中井→東中野
都営浅草線 100% 本所吾妻橋→浅草
日暮里舎人ライナー 150% 赤土小学校前→西日暮里

日暮里舎人ライナー

都営地下鉄を運行する東京都交通局の中で最も混雑するのは日暮里舎人ライナー

混雑率は150%、赤土小学校前→西日暮里の区間。

コロナ期間以前は190%近くの数値だったが、感染拡大した今回は150%程度にまで低下。

ただ、手荷物が他人に触れる光景は確認できた。積み残し発生等が辛うじてなかった程度にとどまる。

都営新宿線

都営新宿線の混雑率は最大130%。西大島→住吉が最混雑区間。

手荷物が他人に触れる光景は特に確認できなかった。ドア付近でもスマホの操作が可能で、空間にもある程度は余裕が見られる。

京王線からの直通列車が通る新宿→新宿三丁目の区間では100%程度かそれ以下の範囲。

都営三田線

都営三田線の混雑率は最大130%。西巣鴨→巣鴨が最混雑区間。

こちらも手荷物が他人に触れる光景は特に確認できなかった。

ドア付近でもスマホの操作が可能で、空間にもある程度は余裕が見られる。

都営大江戸線

都営大江戸線も混雑率は最大130%。中井→東中野が最混雑区間。

乗客同士が触れ合あったり、荷物が他人に触れる光景は確認できなかった。

ドア付近でもスマホの操作が可能で、他人との間隔は最低限がある状況。

都営浅草線

都営浅草線の混雑率は最大100%。本所吾妻橋→浅草が最混雑区間。

都営地下鉄のみならず、首都圏の鉄道路線の中でも特に空いている。

車内奥ではリュックを背負ったままの乗車も不可能ではないと感じた(乗車マナー的には好ましくない範囲)。

私鉄各社

路線名 種別 最大混雑率 区間
東急田園都市線 準急 170% 池尻大橋→渋谷
各停 170% 池尻大橋→渋谷
東急東横線 通勤特急 180% 自由が丘→中目黒
急行 180% 学芸大学→中目黒
各停 130% 祐天寺→中目黒
東急大井町線 急行 150% 二子玉川→自由が丘
各停 120% 九品仏→自由が丘
小田急小田原線 快速急行 150% 登戸→下北沢
通勤急行 150% 成城学園前→下北沢
通勤準急 120% 経堂→下北沢
各停 100% 世田谷代田→下北沢
京急本線 快特 130% 上大岡→横浜
特急 130% 上大岡→横浜
エアポート急行 100% 青物横丁→横浜
各停 100% 戸部→横浜
京王線 準特急 150% 千歳烏山→明大前
急行 150% 桜上水→明大前
区間急行 150% 桜上水→明大前
各停 100% 下高井戸→明大前
京王井の頭線 各停 100% 池ノ上→駒場東大前
西武池袋線 快速急行 150% 石神井公園→池袋
急行 150% 石神井公園→池袋
通勤急行 130% 石神井公園→池袋
快速 130% 石神井公園→練馬
通勤準急 130% 大泉学園→練馬
準急 130% 石神井公園→練馬
各停 100% 椎名町→池袋
西武新宿線 通勤急行 150% 鷺ノ宮→高田馬場
急行 150% 鷺ノ宮→高田馬場
準急 150% 鷺ノ宮→高田馬場
各停 100% 下落合→高田馬場
東武東上線 急行 150% 成増→池袋
準急 150% 成増→池袋
各停 120% 北池袋→池袋
東武スカイツリーライン 急行 150% 西新井→北千住
区間急行 150% 西新井→北千住
準急 120% 西新井→北千住
各停 100% 小菅→北千住
東武アーバンパークライン 各停 120% 新船橋→船橋
京成本線 通勤特急 130% 青砥→日暮里
各停 100% 新三河島→日暮里
京成押上線 快速特急 120% 青砥→押上
アクセス特急 120% 青砥→押上
特急 120% 青砥→押上
各停 100% 京成曳舟→押上
つくばエクスプレス 区間快速 150% 六町→北千住
各停 120% 青井→北千住

首都圏の私鉄路線では、混雑率は列車種別によって大きく異なる。

全体的な傾向として、急行などの通過駅が設定されている優等列車は混雑する一方、各駅停車では比較的空いている。

朝ラッシュのピークである午前8時15分の時点でも、それぞれの混雑率は30%近く差が開いていることがよくある。


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参考:混雑率の目安

参考までに、鉄道混雑率の各数値の目安は下記の通り。

混雑率の数値の目安
混雑率の数値 具体的な目安
100% 乗車定員。乗客の誰もが吊革・手すりにつかまれる。

ドア付近でも空間に余裕があり、リュックを背負って乗ることも可能。

130% ドア付近では窮屈感がある。吊革・手すりにつかまれない人もいる。

リュックを背負って乗るのは不可能、下ろす必要あり。

150% ドア付近だと他の人と触れるか触れ合わないかスレスレ。スマホの操作は可能。

車内奥はまだ余裕がある。新聞や雑誌はドア付近は読むのが無理。

手荷物は他人に触れる。スーツケース・キャリーバッグは持ち込む困難。

180% 超満員電車のレベル。ドア付近は完全に乗客同士が触れ合う。

スマホの操作はドア付近は不可能、車内奥なら可能。

車内奥でも吊革・手すりにつかまれない人もいる。

200% 車内奥もぎゅー詰めの状態。ドア付近は完全に乗客同士で押し合う。

完全に超満員電車で積み残しが発生。

スマホの操作は車内どこにいても難しい。

250% 身動きが取れないレベル。スマホの操作は物理的に不可能。

途中駅では積み残しが発生。

東南アジアの満員電車の様子。

See Also:【レベル別】鉄道の混雑率の目安! 数値ごとの体感

コロナ期間における混雑率の上限は180%程度。従来から問題となっていた200%、あるいはそれより大きい数値になるような路線はなかった。

路線単位のみならず、列車種別でも最高では180%。どんなに混雑が激しい列車でも、通常の通勤ラッシュでは乗客同士が押し合うほどにはならなかった。