【ランク別】関西地区の遅延が多い/少ない鉄道路線を一覧化

関西の鉄道の遅延事情

近畿地方(関西圏)の鉄道路線を遅延の頻度を基にランク別で分類して一覧化。

定時運行率が悪い路線はいくつかあるものの、東京をはじめとする首都圏と比べるとダイヤの乱れが幾分少ない。

ただし各路線によって状況が異なる。電車の遅れが生じることが多い事例と少ない事例がある。各々を5段階に分けると以下のような表になった。


各鉄道路線の遅延の多い/少ないの結果

ランク 該当する路線名
非常に多い JR京都線、JR神戸線、京阪本線、近鉄奈良線、近鉄京都線、近鉄大阪線、大阪メトロ御堂筋線、北大阪急行線
やや多い JR阪和線、JR東西線、JR琵琶湖線、JR嵯峨野線、JR湖西線、阪急京都線、南海高野線
ふつう JR大阪環状線、JR学研都市線、阪急神戸線、阪急宝塚線、近鉄南大阪線、南海本線、阪神本線、 JR宝塚線、JR大和路線、大阪メトロ堺筋線
やや少ない JR奈良線、山陽電鉄線、大阪メトロ中央線、大阪メトロ四ツ橋線
かなり少ない JRおおさか東線、能勢電鉄線、大阪モノレール、近鉄けいはんな線、大阪メトロ千日前線、大阪メトロ今里筋線

各ランク毎の判定基準

非常に多い:1週間に4日以上
やや多い:1週間に3日以上
ふつう:1週間に2日以上
やや少ない:1週間に1日以上
かなり少ない:1週間に1日未満

平日5日間のうち「遅延証明書」の発行日数

JR・私鉄・地下鉄問わず、各路線にとって遅延の発生のしやすさには大きな違いが見られる。

路線距離の長さ、乗車人員の数、相互直通運転の有無、ダイヤの過密性、天候条件、踏切やホームドアの設置事情などが大きく影響している。

参考:鉄道の遅延の原因とは!? よくある事例の一覧

電車のダイヤの乱れの根拠になりやすい事象に関して詳しくは上記にて解説。

関西地区は首都圏とは違って複数の鉄道会社にまたがる「相互直通運転」は少ない。

東京圏よりは電車の遅れは全体的に少ない。

路線ごとの遅延の事情

次に首都圏の主な鉄道路線の遅延の頻度についてもっと詳しく見てみる。

各路線の多さとその背景にある事情についてそれぞれ説明。

下記の統計データは国土交通省によって算出された数値。調査が実施されたのは2016年、事情が変化したことで現在とはかけ離れている事例もあるものの、大幅に変化しているところはない。

非常に多い路線

遅延が非常に多い路線
路線名 主要な理由
JR神戸線 営業キロ数、踏切関連
JR京都線 営業キロ数、踏切関連
大阪メトロ御堂筋線 混雑
京阪本線 混雑、過密ダイヤ、踏切関連
近鉄奈良線 混雑、過密ダイヤ、相互直通運転
近鉄京都線 過密ダイヤ
近鉄大阪線 営業キロ数、過密ダイヤ
北大阪急行線 相互直通運転

平日5日間あたり4日以上遅延が発生している路線が「非常に多い」に該当。

ほとんど毎日何らかの形で電車が運転見合わせ、または5分以上の遅れが出ている。

元々鉄道が遅れにくい関西圏エリアの中でも、特に頻度が高いワースト上位に入る対象なのは言うまでもない。

JR神戸線・京都線

JR神戸線・京都線

JR神戸線と京都線は名前こそは2つの路線に分離されているものの、実際は大半がそれぞれで互いに乗り入れるため、実質的に同一の路線と考えてよい。

近畿地方で遅延の頻度が首位である。運転本数が多いこと、1本の電車の走行距離が他の路線と比べて格段に長いことが影響。

新快速・快速・各駅停車のいずれも遅れやすい。さらに乗り入れる特急列車でもダイヤの乱れが多発。

踏切内点検、人身事故から混雑等による乗降時間超過まで理由は様々。しかし、遅延の頻度を大きく押し上げているのは営業キロ数と踏切の存在。

大阪メトロ御堂筋線

御堂筋線

大阪メトロ御堂筋線は大阪市内の代表的な地下鉄。

遅延の多さでもダントツでトップに入る。一番の理由は混雑による乗降時間の超過。

梅田→淀屋橋間をはじめ、梅田~天王寺間での高い乗車率が遅れの原因になりやすい。

ドアへの荷物の挟まりによって大きな遅れも発生しやすい。

京阪本線

京阪本線

出典:航空・鉄道撮影記より
hatitota-tc115-398.blog.so-net.ne.jp/2012-09-09

京阪本線は私鉄の中では特に遅延が多い傾向。

優等列車を中心に乗降時間超過に加え、過密ダイヤによる余裕のない運行ダイヤ、踏切に起因する事故や安全確認が主な理由。

天満橋~寝屋川信号所までの区間は複々線化事業が完成して、急行線と緩行線がそれぞれ別々の線路を走るが、それ以外は単なる複線。朝ラッシュ時では線路容量の限界に達している。

複数の列車種別が高頻度で運転されていることで過密ダイヤも無視できないレベル。

近鉄奈良線

近鉄奈良線

近鉄奈良線も特に遅延が多い路線。混雑による停車時間の超過に加え、最も特徴的なのが大和西大寺駅の平面交差の配線構造。

近鉄京都線・橿原線と奈良線が交差する駅。平面交差の構造のため、それぞれの上下線という組み合わせの同時発着ができず、ダイヤ調整のため発着が定刻より遅れやすい。

朝の時間帯は快速急行・準急に特に乗客が殺到、夕方も快速急行・急行の2つに殺到し、停車駅ではしばしば乗降時間超過が発生。

全線が単なる複線で、優等種別が走ることを考えると過密ダイヤ。

近鉄京都線

近鉄京都線

近鉄京都線も奈良線と内容が重複するが、大和西大寺駅の平面交差が遅延の温床となっている。

途中駅での乗降時間超過もあるものの、大和西大寺駅で奈良線の遅れがあると京都線・橿原線の電車も遅れてしまうことがほとんど。

大和西大寺駅では奈良線との接続も行われるため、乗り換え客を待ってからの発車となる電車も多く、さらに遅れが拡大しやすい。

近鉄大阪線

近鉄大阪線

近鉄大阪線の遅延の理由は、路線距離の長さと過密ダイヤによるものが多い。

大阪上本町駅から三重県の伊勢中川駅までが大阪線の区間。

伊勢志摩方面、名古屋方面と行き来する特急列車も数多く運転されている。

その上、朝ラッシュとなれば奈良線と同じくらいの本数が運転される。

どれか1本の電車でも遅れると路線全体に波及し、ある程度の規模の遅延につながる。

やや多い路線

遅延がやや多い路線
路線名 主要な理由
JR阪和線 混雑、営業キロ数、直通運転、踏切
JR東西線 直通運転
JR琵琶湖線 直通運転、踏切
JR嵯峨野線 混雑
JR湖西線 直通運転
大阪メトロ谷町線 混雑、駅数
阪急京都線 混雑、過密ダイヤ、直通運転、踏切
南海高野線 混雑、過密ダイヤ、単線区間、踏切

平日5日間あたり2日以上で遅延が発生している路線が「やや多い」に該当。

小規模な遅れが発生しやすい路線だとこれくらいの高頻度でダイヤの乱れが生じる。

非常に多い路線と比べるとまだよいが、時刻表通りに来ないことが結構多いことには変わりない。

JR阪和線

阪和線

混雑による停車時間の超過、大阪環状線への乗り入れが主な遅延の原因。

特急列車はJR京都線の京都駅から大阪環状線を経由して和歌山県の新宮駅まで走る。

特急の遅れが快速・普通の遅れにつながりやすい。

運転本数も多く、複々線区間がないことも痛手。

JR東西線

JR東西線

JR東西線単独の区間に原因があるわけではない。

乗り入れる電車の直通先でのトラブルがほとんど。JR神戸線・宝塚線・学研都市線で何かのトラブルが起きることでJR東西線の遅延が発生する。

ほぼ全線が地下トンネル内のため、踏切による人身事故、安全確認等もない。

JR琵琶湖線

琵琶湖線

ほとんどの電車がJR京都線・神戸線へ乗り入れることで、1本の電車の走行距離が他の路線と比べて格段に長いことが影響。

新快速・快速・各駅停車のいずれも遅れやすい。

新快速は大阪方面へ行き来する人が殺到することで乗降時間超過も起きやすく、これも遅延の温床となっている。

踏切内点検、人身事故も少なくはない。

JR湖西線

湖西線

上記の琵琶湖線の事情と同じく、JR京都線・神戸線へ乗り入れることでこれらの線区からの遅延が波及しやすい。

北陸本線の特急サンダーバード号の遅れによって普通列車の遅れにつながる場合もある。

そして、強風の問題。全線が高架上を走る一方、琵琶湖沿岸のため風の影響を受けやすい。

強風のため徐行運転・運転見合わせが目立つ傾向。

阪急京都線

阪急京都線

阪急京都線で特に気になるのが、踏切関連の人身事故、淡路駅での配線の構造による遅延。

運転本数が多いことで開かずの踏切が所々にあり、これに起因する人身事故が大規模な遅れにつながる。

もう1つは淡路駅の京都線と千里線の平面交差。

平面交差の構造のため、京都線と千里線の上下線という組み合わせの同時発着ができず、ダイヤ調整のため定刻より遅れる。

南海高野線

南海高野線

混雑による乗降時間超過に加え、踏切が多数存在することで人身事故から無理な横断(直前横断)などによる遅延が目立つ。

南海本線と比較して連続立体交差事業があまり積極的に実施されていないことが間接的に影響。

橋本~極楽橋間の単線区間の存在も、さらに遅延が起きやすい構造を出している。

ふつう

遅延が多くも少なくもない路線
路線名 主要な理由
JR大阪環状線 混雑、直通運転
JR学研都市線 混雑、単線区間、直通運転
阪急神戸線 直通運転
阪急宝塚線 混雑、過密ダイヤ、直通運転、踏切
近鉄南大阪線 混雑、過密ダイヤ、単線区間、踏切
南海本線 混雑、踏切
阪神本線 混雑、直通運転
JR宝塚線 路線距離
JR大和路線 踏切関連
大阪メトロ堺筋線 直通運転
大阪メトロ長堀鶴見緑地線 混雑

平日5日間あたり2日以上で遅延が発生している路線が「ふつう」に該当。

小規模な遅れも多くもなければ少なくもない路線。毎日のように遅れるわけではない。

JR大阪環状線

大阪環状線

大阪環状線にて遅延が発生する理由は、途中駅での混雑による乗降時間超過、阪和線・大和路線からの直通列車の遅れの2点。

停車時間の延長は大阪駅や天王寺駅、京橋駅、鶴橋駅にて起こりやすい。

阪和線・大和路線からの直通列車は、関空紀州路快速・大和路快速の2つが中心だが、これが遅れると後続の環状線普通電車も遅れることがある。

その一方、踏切がないことも、路線距離自体は長くはないこともあり、関西でトップ級にはならない。

JR学研都市線

学研都市線

JR学研都市線での遅延の原因は快速を中心とした混雑と踏切関連の人身事故、安全確認(踏切内点検)が主流で、単線区間の存在が拍車をかける。

停車駅が少ない快速の運転があることで、まとまった区間を乗車する人達が快速に殺到し、乗降時間超過により遅れることがある。

加えて、単線区間の存在もある。上下線それぞれどちらか1本しか同時には運転できない設備の都合上、上下どちらか片方で遅れが生じると、反対側の電車も遅れる。

さらに、JR東西線を経由した神戸線・宝塚線内とも行き来する電車が多く、他の線区での遅れも波及しやすい。

阪急神戸線

阪急神戸線

乗降時間の延長による停車時間の超過、踏切関連が主な遅延の理由。

通勤特急・通勤急行に特に乗客が殺到し、停車駅ではしばしば乗降時間超過が発生。

西宮北口駅などの接続または通過待ちの優等列車の遅れがよくあるパターン。

加えて、踏切関連の人身事故・安全確認もよくある。連続立体交差区間が大阪寄りを中心に少ないことが影響。

阪急宝塚線

阪急宝塚線

同様に、乗降時間の延長による停車時間の超過、踏切関連が主な遅延の理由。

通勤特急・急行・準急に特に乗客が殺到し、停車駅ではしばしば乗降時間超過が発生。

踏切での人身事故、あるいは列車通過直前横断等(踏切内点検)もよくある。

近鉄南大阪線

近鉄南大阪線

近鉄南大阪線は単線区間のある吉野線・長野線との直通運転、踏切関連の人身事故、安全確認が主な遅延の理由。

南大阪線そのものではそれほどダイヤの乱れにつながる要因は多くはないが、乗り入れ先の線区での遅れが波及してくる傾向。

それでも、全体的に遅延の王者ともいえる近鉄各線の中では少ない方。

南海本線

南海本線

特急サザン・急行・空港急行の混雑による乗降時間超過、踏切関連の2点が理由。

基本的には他の路線と内容は重複する。

同じ南海電鉄でも高野線よりは遅延が少ない。

大阪市中心部から郊外へ延びる主要路線の中ではかなり優秀な方。

阪神本線

阪神本線

阪神本線も乗降時間超過による遅延がよくあるものの、並行するJR神戸線・阪急神戸線よりは少ない。

連続立体交差事業に非常に積極的で、踏切がかなり少ないことが影響。

さらに、鉄道利用者でもJR・阪急より所要時間の面でやや劣勢となっていることもプラスに働いている。

大阪市内から郊外へ延びる路線としては遅延がかなり少ない優秀路線。

JR宝塚線

JR宝塚線

JR宝塚線は2005年の福知山線脱線事故によってダイヤに相当な余裕が設けられた。

これにより、遅延の頻度もやや低下。

人口密集地の踏切の数もそれほど多くはなく、新三田駅以北は本数が大幅に少ないこともあって、遅延がやや起きにくい。

JR大和路線

大和路線

JR大和路線も混雑による停車時間の超過が起きることはあるものの、全線を通して近鉄各線と並行していることもあって、利用者数がそれ程多くはない。

踏切関連の人身事故、安全確認も他のJR・私鉄と比べると少ない。

近畿地方の中では標準的なレベルで、電車が遅れることは決して多くはない。

大阪メトロ堺筋線

堺筋線

阪急千里線との直通運転による遅延がほとんど。

淡路駅での阪急京都線と千里線の平面交差の問題が間接的に影響しやすい。

大阪メトロの中では、相互直通運転による遅れが最も目立つ路線。

やや少ない路線

遅延がやや少ない路線
路線名 主要な理由
JR奈良線 混雑、単線区間
山陽電鉄線 直通運転
大阪メトロ中央線 混雑
大阪メトロ四ツ橋線 混雑

平日5日間あたり1日以上で遅延が発生している路線が「やや少ない」に該当。

小規模な遅れも少ない路線。毎日のようには遅れない。

JR奈良線

JR奈良線

JR奈良線は京都駅から東福寺・伏見稲荷大社、平等院鳳凰堂へ向かう観光客で混雑しやすく、乗降時間超過による遅れが発生しやすい。

単線区間もあり、上下線それぞれどちらか一方しか同時に走れないことも、ダイヤが乱れる要因がある。

その一方で、路線距離が短いこと、通勤通学利用者がやや少ないこともあって、近畿地方の中では遅延が少ない方。

山陽電鉄線

山陽電鉄線は阪神本線と相互直通運転を行う。

阪神線内での遅延の影響を受けることがあるものの、山陽電鉄線単独では遅延が少ない。

踏切関連の内容等もあるが、並行するJR神戸線よりも圧倒的に少ない。

大阪メトロ中央線

大阪メトロ中央線は大阪市内の東西線を結ぶ路線。

ただ、梅田・難波等の要所を結ぶわけではないこともあって、混雑による停車時間の超過が起きにくい。

近鉄けいはんな線と相互直通運転を行うものの、遅延は限定的。

大阪メトロ四つ橋線

大阪メトロ四つ橋線も近畿地方の中でも遅延が少ない。

時々人身事故による運転見合わせがあるものの、並行する御堂筋線などと比べると大幅に少ない。

混雑による停車時間の超過も少なく、定時運行が維持されやすい。

かなり少ない路線

遅延がかなり少ない路線
路線名 主要な理由
JRおおさか東線
能勢電鉄線
大阪モノレール
近鉄けいはんな線
大阪メトロ千日前線
大阪メトロ今里筋線

平日5日間あたり1日以上で遅延が発生している路線が「やや少ない」に該当。

小規模な遅れも少ない路線。毎日のようには遅れない。

踏切がほとんどない路線、他の線区との直通運転を行っていない路線、混雑が緩やか路線という点で共通する。