大阪メトロ中央線にて遅延が生じる原因として多い内容を調査。混雑による乗降時間の延長と相互直通運転の2点が主要な理由。
大規模な遅延や運転見合わせはかなり少ない。混雑による乗降時間の延長による2,3分の小規模な遅れがほとんど。遅延証明書の発行基準である5分以上になることも稀。
比較的定時運行していることが多く、大阪都市圏の中でも特にダイヤの乱れが少ない優秀な路線。
<最新の遅延情報に関してはこちらの大阪メトロ公式ホームページにて見られる。>
地下鉄中央線の遅延の主な理由
遅延の原因 | 頻度 | 詳細な内容 |
---|---|---|
混雑 | ★★★★ | 乗降時間の延長による停車時間超過 |
相互直通運転 | ★★★★★ | 近鉄けいはんな線との直通運転 |
大阪メトロ中央線にて遅延の原因となる点として、上記の2つが該当。
1つ目は、朝夕の通勤ラッシュでの混雑による2,3分の遅れ。
大阪府東部(東大阪市内)からの西行の電車で特に混雑による影響が見られる。直接的な理由は乗降時間の延長による停車時間の超過。
中小規模の駅に加えて、市内中心部に位置する谷町四丁目駅や本町駅でも乗降時間の延長がしばしば発生する。
2つ目は、近鉄けいはんな線との相互直通運転。地下鉄中央線は奈良県内の学研奈良登美ヶ丘駅まで乗り入れている。路線距離が長くなることで、途中駅でトラブルが生じて電車に遅れが出ることが時々ある。
このほか、車両点検、線路内点検、急病人の対応、乗客同士の喧嘩などのトラブルによって遅延が発生する場合がある。だが、それでも他の路線よりは少ない傾向。
遅延証明書の発行頻度は1週間に1回あるかないかのレベル。
混雑による遅れ
混雑が原因での遅延の詳細
- 地下鉄中央線:森ノ宮→谷町四丁目の混雑率140%前後
- 森ノ宮駅、谷町四丁目駅、堺筋本町駅、本町駅にて停車時間の超過が起こる
朝ラッシュにおいて大阪メトロ中央線で最も混雑する区間は森ノ宮→谷町四丁目のコスモスクエア行の電車。
近畿地方ではトップクラスの。大阪メトロ内でも御堂筋線に次いで2番目に混雑が激しい路線。
近鉄けいはんな線との直通運転により、郊外の区間が長いこと、東西を行き来する地下鉄路線に乏しいことが背景にある。
停車時間の超過
朝夕の通勤ラッシュで地下鉄中央線の電車にて乗降時間の延長によって停車時間の超過が起こる駅は基本的に2つ。
- 森ノ宮駅
- 谷町四丁目駅
- 堺筋本町駅
- 本町駅
これらの駅は他の路線との乗換駅という関係から、停車時間の超過が起きやすい。
森ノ宮駅では長堀鶴見緑地線と、谷町四丁目駅では谷町線と、堺筋本町駅では堺筋線と、そして本町駅では御堂筋線・四つ橋線とそれぞれ乗り換えが可能。
これらの路線と乗り継ぐ乗客たちが大量に乗り降りすることもあって、停車時間の超過が起きやすい。
乗り換えのための駆け込み乗車が発生しやすい。
これらの結果として電車の遅れにつながる。
とはいえ、いずれも超過分は2,3分程度にとどまるが、けいはんな線から遅れが引継がれると5分以上の遅れになることがよくある。
相互直通運転による影響
地下鉄中央線の東側では長田駅を境界駅として近鉄けいはんな線(長田~学研奈良登美ヶ丘駅)と相互直通運転を実施。
相互直通運転によるダイヤの乱れはこれらの乗り入れ先でのトラブルが原因である場合も多い。
近鉄けいはんな線は新規路線のため踏切は一切存在しないものの、混雑による乗降時間の延長、緊急停止による安全確認等の影響を受ける。
また、生駒駅での近鉄奈良線や生駒線との接続の都合で数分発車が遅れることもある。
近鉄けいはんな線に起因する遅延
◎近鉄けいはんな線に起因する遅延
- 混雑(乗降時間の延長)
- 生駒駅での接続待ち
近鉄けいはんな線は踏切がない分、基本的に大幅なダイヤの乱れにつながる要素は少ないのは確か。
ただし、混雑による乗降時間の延長で停車時間が長引くことはよくある。郊外から大阪市内へアクセスするための路線という性質上、他のJRや私鉄と特徴が同じ。
朝ラッシュでは西行の電車に集中して混雑し、途中駅にて本来の停車時間を超過することがしばしば。
また、生駒駅での接続によるタイムロスもある。けいはんな線のコスモスクエア行の電車の発車直前に奈良線や生駒線の電車が生駒駅に到着すると、乗り換え客がいることでけいはんな線の電車の出発が遅れる。
絶えず乗り換え客が殺到する状況下ではドアを閉められないため、2,3分の遅れが発生しやすくなる。これが結果として地下鉄中央線内でも遅れ分が引き継がれることとなる。
路線名と鉄道事業者こそは2社で異なるものの、運転系統は実質的に1つ。互いに電車の遅延が波及する構図ということで、近鉄けいはんな線の遅延による度合いが無視できない。
なぜ遅延が少ない?
一方で、相互直通運転を行っている路線としては遅延が少ない。その背景には3つの要因がある。
遅延少ない要因 | 貢献度 | 詳細な内容 |
---|---|---|
近鉄けいはんな線と近鉄奈良線の直通が不可 | ★★★★★ | 集電方式が第三軌条方式 |
すべて各駅停車 | ★★★★ | 途中でトラブルに見舞われるリスクが小さい |
本数が少ない | ★★★★ | 朝ラッシュでも3、4分間隔 |
四つ橋線では上記3点が遅延の少ない現状を支えている。
まず、近鉄奈良線との直通運転がない点。けいはんな線は近鉄でも集電方式が架線方式の奈良線とは異なる。双方で車両の乗り入れができなく、地下鉄中央線の直通運転先もけいはんな線のみに限られている。
これにより、他の線区の影響を受けない。その分遅延の頻度は一定範囲に収まる。
すべて各駅停車なのも定時運行の面では好都合。途中駅にて急行や快速の通過待ちがないため、ダイヤがシンプル。少しの遅れが複数の列車に波及する可能性が幾分低い。
そして、本数が少ないのも要因の1つ。
大阪メトロ中央線では朝ラッシュのピークでも1時間当たり16本程度の運転にとどまる。概ね3~4分間隔での運転で、御堂筋線のように「過密ダイヤ」ではない。
この点でも少しの遅れが複数の列車に波及する可能性が低く、路線全体に遅延が生じにくい構造を保っている。
その他、各路線の遅延事情について
鉄道事業者 | 路線名 |
---|---|
JR西日本 | JR神戸線、JR京都線、JR阪和線、JR東西線、JR琵琶湖線、JR嵯峨野線、JR湖西線、JR大阪環状線、JR学研都市線、JR宝塚線、JR大和路線、JR奈良線、JRおおさか東線 |
大阪メトロ | 御堂筋線、谷町線、堺筋線、中央線、長堀鶴見緑地線、四ツ橋線、千日前線、今里筋線 |
阪急電鉄 | 阪急京都線、阪急神戸線、阪急宝塚線 |
阪神電気鉄道 | 阪神本線 |
京阪電気鉄道 | 京阪本線 |
近畿日本鉄道 | 近鉄奈良線、近鉄京都線、近鉄大阪線、近鉄南大阪線、近鉄名古屋線 |
南海電気鉄道 | 南海高野線、南海本線 |