大阪メトロ今里筋線で遅延がほとんどない理由とは、利用者数が少ないこと、路線距離が11.9 kmと短くて駅数も11駅しかないこと、相互直通運転がないことの3つ。
いずれも時刻表通りの定時運行を行う上では好都合なメリット。
ほぼ毎日何かしらの要因で遅延が発生している御堂筋線や谷町線とは事情が180度異なるのが今里筋線ならではの性質。
最新の遅延情報に関してはこちらの大阪メトロ公式ホームページにて。
今里筋線の遅延の主な理由
遅延の原因 | 頻度 | 詳細な内容 |
---|---|---|
乗降時間の延長 | ★★★ | 発車直前の乗車(駆け込み乗車など) |
設備の故障・点検 | ★★ | 車両、線路、電気系統、ホームドアの不良・故障 |
大阪メトロ今里筋線にて遅延の原因となる点を挙げる上記の2点。
さすがに利用者数が少ない今里筋線でも、朝夕の通勤ラッシュでは乗客が昼間よりは大幅に増えることもあり、混雑による遅れは若干は起こる。
それでも遅れ時分は1分程度にはとどまることがほとんど。遅延証明書の発行は5分以上の遅れからが基準のため、実際に運行情報に掲載されることはほぼ皆無。
あとは、車両や設備の故障等。
車両点検、線路内点検などという名目で遅延が発生した場合はこれに該当する。
遅延証明書の発行頻度は1か月間に1、2回というレベル。ゼロという月さえも存在する。
なぜ遅延が少ない?
なぜ今里筋線においてはこれほど遅延が少ないのか。
この背景には3つの要因がある。具体的な内容が以下の表。
遅延少ない要因 | 貢献度 | 詳細な内容 |
---|---|---|
利用者数が少ない | ★★★★★ | 乗降時間の延長による停車時間超過が起こりにくい |
路線距離が短い | ★★★★ | 途中でトラブルに見舞われるリスクが小さい |
相互直通運転がない | ★★★★★ | 他の線区の影響を受けない |
大阪メトロにて遅延が多い路線とは、御堂筋線・谷町線・堺筋線の3つだが、これらとは完全に性質が対照的。
利用者数が少ない
まず、利用者数が少ない。
今里筋線の各駅の乗降客数を見ても、全駅にて1日当たりの10,000人未満。大阪メトロの他の路線はどれも10,000人超の駅は最低でも2,3駅はある。
<参考資料:路線別駅別乗降客数(大阪市高速電気軌道株式会社)>
太子橋今市駅、蒲生四丁目駅、緑橋駅、今里駅では1日当たりの乗降客数が10,000~30,000人ではあるが、これは接続路線を合計した数字。
しかも、これらの駅を乗り降りする人のほとんどは大阪市内中心部と行き来する路線の利用者で、今里筋線の利用者ではない。
利用者数そのものが少ない理由については、線路が通る地域にある。
井高野~今里間の全線で大阪環状線の外側を走る。大阪メトロでは唯一環状線の内側を走らない路線。
つまり、今里筋線は大阪市内中心部への交通手段ではないことを意味する。一言で言えば「郊外と郊外を結ぶ路線」。
基本的に鉄道網は都心部へ移動する人たちが利用する交通手段ため、利用者数が増えにくい構図と言える。
郊外からのアクセス手段となっているものの、JRや私鉄ほどの距離がないことで都心と郊外を結ぶ路線という性質は少ない。
路線距離が短い
路線の総延長距離も11.9kmと短い。駅数も11駅しかなく、大阪メトロの中でも特に少ない。
これにより、途中のどこかで何かのトラブルが起こる確率が長い事例よりも少ない。
車両や線路設備の故障等も路線距離が短いほど発生しにくい。この恩恵も受けているのが今里筋線。
相互直通運転がない
相互直通運転がない点も遅延が起こりにくい要因。
JRや私鉄において、他の線区と直通運転を行っている路線では例外なく遅延が多発。
今里筋線は自線内で完結する形のため、もし遅延が起こるとしからその原因は今里筋線内にある。
井高野~今里間ではそもそも遅延が起こりにくいことで、全体的にダイヤが安定している。
その他、各路線の遅延事情について
鉄道事業者 | 路線名 |
---|---|
JR西日本 | JR神戸線、JR京都線、JR阪和線、JR東西線、JR琵琶湖線、JR嵯峨野線、JR湖西線、JR大阪環状線、JR学研都市線、JR宝塚線、JR大和路線、JR奈良線、JRおおさか東線 |
大阪メトロ | 御堂筋線、谷町線、堺筋線、中央線、長堀鶴見緑地線、四ツ橋線、千日前線、今里筋線 |
阪急電鉄 | 阪急京都線、阪急神戸線、阪急宝塚線 |
阪神電気鉄道 | 阪神本線 |
京阪電気鉄道 | 京阪本線 |
近畿日本鉄道 | 近鉄奈良線、近鉄京都線、近鉄大阪線、近鉄南大阪線、近鉄名古屋線 |
南海電気鉄道 | 南海高野線、南海本線 |