JR京都線で遅延が多い原因を調査！ 主要な理由は3つ

JR京都線にて遅延が多くて毎日のように頻繫に発生している原因について調査。

他の線区の影響・営業キロ数の長さ・混雑の激しさなどの存在が主な原因に挙げられる。

近畿地方の中で遅延が発生する頻度はトップクラス。ほぼ毎日電車がストップしたり遅れたりする。平常運行が維持されている時がほとんどなく、何からの形で電車のダイヤが乱れている。

JR京都線は正式名称は「東海道本線」。日本の大動脈であるのと同時に、京阪神地区をつなぐ大規模な通勤路線。そんなデメリットが毎日のように生じる遅延だろう。

＜最新の遅延情報に関してはJR西日本公式ホームページにて。＞

JR京都線の遅延の主な理由

参照：鉄道の遅延の原因とは!? よくある事例の一覧

JR京都線の大阪～京都間で遅延や運転見合わせの原因となるのは、上の内の3つが当てはまる。

京都線区間そのものにダイヤが乱れやすい理由が存在するのは確かだが、それ以外にも他の路線に起因する問題も結構見られる。

慢性的な混雑は主に新快速に見られる。遠距離利用者が所要時間が短い新快速に殺到することで乗降時間の延長が起きて停車時間の超過が起きる。複数駅に渡って続くとある程度の遅れにつながる。

1つの運転系統が100km超と長距離なのも理由の1つ。まとまった数の運転本数がある米原～姫路間でも198.4km。途中で何かのトラブルが起きるリスクが大幅に大きい。

もちろん、これら以外にも急病人救護、線路内立ち入り、駅構内の非常ボタンの作動、車両故障・設備故障などもあり得る。

とはいえ、特に絶対に無視できないのが「営業キロ数の長さ」と「他線区の影響」。これら2点の重要度が大きい。

他線区の影響

JR京都線（大阪～京都）の区間だけを走る電車はほとんどない。

実際は神戸線や琵琶湖線とセットで走る。

遅延が起きたとしても、その原因が生じた発生地点が大阪～京都間の部分であるとは限らない。

直通運転（京阪神地区）

JR京都線とは言っても、大阪～京都の区間以外の路線・線区と直通運転を実施している。

首都圏で言うと「上野東京ライン」「湘南新宿ライン」のような直通サービスと同じ。

東側の上り側は琵琶湖線・湖西線・北陸本線と直通運転を実施。

西側の下り側は神戸線・山陽本線・赤穂線と直通運転を実施。途中の尼崎駅ではJR宝塚線が分岐し、こちらに乗り入れる電車もいくつかある。

京都線の同一列車がそのまま他の路線へと行き来している。このため、それらの路線にて遅延が発生すれば京都線区間を走る電車も同時に遅れが生じる。

例えば、JR神戸線内にて人身事故が発生して運転見合わせになると、京都線の電車も一時的にストップする。

最終的には運転再開までは、直接的な問題がない部分にて電車を走らせるために直通運転の中止と折り返し運転という代替手段が取られるが、それでも無影響にはならない。

少なくとも10分程度の遅れは発生してしまう。

しかも、直通先のいずれの路線も営業キロ数が長くて地上の平面を走るため、ダイヤが非常に不安定な傾向。

この度にJR京都線もダイヤの乱れが発生するのは避けられない。

関連路線の影響（特急列車に起因する遅延）

通勤電車（新快速・快速・普通）が直接乗り入れるわけではないものの、特急列車が運転系統上で京都線を走る列車が上記。

上記3つの特急列車は本数がある程度まとまった数の運行がある列車。

特急サンダーバード号は大阪駅から金沢駅まで北陸本線を走る。

はるか号は京都駅から関西空港駅まで大阪環状線、阪和線等を経由して走る。

スーパーはくと号は京都駅から鳥取駅または倉吉駅まで神戸線、山陽本線、智頭急行線、因美線、山陰本線を経由して走る。

これらの特急の遅れによって、京都線内を走る新快速・快速の電車が遅れることがある。

間接的に和歌山地区、北陸地区、山陰地区のダイヤの乱れの影響を受けやすい。

これにより、京阪神地区以外の地域でのダイヤの乱れがドミノ倒しのようにJR京都線へ飛んでくることがしばしばあるパターン。

慢性的な混雑

混雑が原因での遅延の詳細

• JR京都線：新快速・快速の乗降時間の延長
• 特に新快速への一極集中

JR京都線の朝ラッシュは関西圏でも穏やか。混雑率は東淀川→新大阪で108％。

しかし、実際には列車種別によって混雑度が異なる。乗り降りに時間を要することで遅れにつながる。

参考：JR京都線の混雑状況とは!? 朝と夕方のラッシュの時間帯を調査

新快速への混雑集中

朝ラッシュに当たる7～9時だけでなく、1日を通して京都線に遅れが生じやすい原因の1つが混雑だが、その対象はほとんどの場合は「新快速」。

新大阪駅・高槻駅・京都駅のいずれでも乗降時間の延長が問題となっている。新快速だけの停車時間の超過がいくつもの駅で発生しやすく、5分以上の遅れにつながる。

しかも新快速は京阪神地区を通しで走り、米原～姫路間は1時間に2本以上ある。運転系統も大いに関係。

上り列車（大阪方面）はすでに琵琶湖線・湖西線内で遅れていることが多い。下り列車（京都方面）も神戸線内ですでに遅れていることが多い。

京阪神間を最速で結ぶ路線としては非常に便利でだが、それと同時に利用客が飽和状態で遅延の理由なのは言うまでもない。

新快速は混雑への対応ということで原則12両編成での運転が実施されている。それでも慢性的な混雑は続く。

一方の「快速」「普通」は比較的空いている。長距離利用者が敬遠することから、朝夕の通勤ラッシュでも混雑による乗降時間の延長は起きにくい。

総延長の営業キロ数が100km超

他の路線の影響が大きく関係しているJR京都線だが、全体の長さは各列車で異なる。

新快速は200km近く走る列車が多い一方、快速・普通はここまでは長くない列車も結構ある。

各駅停車に当たる普通列車でさえ1本の電車は最低でも60km超を走る。そして、大半は100km以上は通しで走る。

路線距離が長い分、途中で何かのトラブルが発生する確率が高い。

踏切事故、架線支障、ポイント動作不良、信号トラブルなどの設備の故障が短い路線よりはリスクが高い。

1編成当たりの列車の走行距離も長いため、車両故障のリスクもまた高まる。

＞＞普通列車（各停）の最長距離ランキング！ キロ数ごとに一覧化

新快速以外の電車で京阪地区の全線を乗り通す乗客こそはほぼ皆無だが、運転系統はこのように長距離路線の性質を持っている。

JR京都線等の遅延が多い要因なのは確実。

その他、各路線の遅延事情について