阪和線で遅延が多い原因を調査! 主要な理由は3つ

阪和線

阪和線で遅延が多い原因について調査。混雑による乗降時間の延長・他の線区の影響・営業キロ数の長さが主な原因に挙げられる。

天王寺駅から和歌山や関西空港へ向かう主要路線。南海本線と並行するものの、ダイヤの乱れはJR側の方が多い。

JR西日本の近畿地方の路線の中でも遅延がやや多い路線ではある。完全に電車の運行がストップする運転見合わせ、運休もよくある。

最新の遅延情報に関してはJR西日本公式ホームページにて。>


阪和線の遅延の主な理由

遅延の原因 頻度 詳細な内容
慢性的な混雑 ★★★★ 混雑による乗降時間の延長で電車が連鎖的に遅れる
路線の営業キロ数が100km超 ★★★★★ 天王寺~間の営業キロ数が61.3kmだが、きのくに線と合算すると長距離
他線区の影響 ★★★★★ 大阪環状線との直通運転

参照:鉄道の遅延の原因とは!? よくある事例の一覧

JR阪和線の天王寺~和歌山・関西空港間で遅延や運転見合わせの原因となるのは、上の3つが当てはまる。

まずは混雑。複々線区間がない一方で、過密ダイヤかつ利用者数が多いこともあって、途中駅での乗降時間の延長による停車時間の超過が遅れにつながる。

路線距離も長い。天王寺~和歌山間は61.3km、天王寺~関西空港間は46.0kmとそれほど長くはないが、きのくに線と合わせた天王寺~新宮の総延長は262.0km。

特急くろしお号が走る区間だが、かなりの長い距離なのがわかる。途中で何かのトラブルが起きるリスクが大幅に大きい。

さらに直通運転も遅延の理由になりやすい。

天王寺駅からは大阪環状線内へ直通し、大阪駅・京橋駅・鶴橋駅等を経由してぐるっと一周してから再度天王寺へ戻ってくる。このため、大阪環状線内でのトラブルの影響も受ける。

これら以外にも急病人救護、線路内立ち入り、駅構内の非常ボタンの作動、車両故障・設備故障などもあり得る。

他線区の影響

阪和線の直通運転

阪和線は大阪環状線・きのくに線と直通運転を実施している。

天王寺~和歌山・関西空港の区間だけを走る電車も少なくはないが、これらの路線へ入る列車が1時間当たり複数設定されているため、他の線区の影響をどうしても受けてしまう。

首都圏で主流な「相互直通運転」とシステム的には同じ。

まずは大阪環状線直通。

天王寺駅からは西九条駅・大阪駅・京橋駅・鶴橋駅等を経由してぐるっと一周してから再度天王寺へ戻ってくきて、ここを終着駅となる。

主に「関空紀州路快速」「直通快速」が環状線内と直通運転を実施。

次にきのくに線。和歌山~新宮間を指す路線で、特急くろしお号に加えて快速電車の一部も御坊駅まで乗り入れる。

きのくに線の和歌山~新宮間の総延長距離は200.7km。阪和線よりも大幅に長い。この区間でトラブルに見舞われることがよくある。

例えば、きのくに線内にて動物との衝突が発生して運転見合わせになると、阪和線でも電車がやって来ない事態になる。

最終的には運転再開までは、和歌山駅等で折り返し運転という代替手段が取られることがよくあるが、そんな時でも無影響にはならない。

直通先のいずれの路線も営業キロ数が長い上、全体を通して複雑な運転系統のため、ダイヤが非常に不安定な傾向。

大阪環状線に起因する遅延

大阪環状線

◎JR京都線・神戸線に起因する遅延

  • 混雑(主要駅での乗降時間の延長)
  • 阪和線・大和路線・京都線(特急)との直通

大阪環状線にて遅延の原因になるのが、途中駅での停車時間の超過。

大阪駅・天王寺駅・京橋駅・鶴橋駅がその中心で、中でも大阪駅は特に超過時間が長くなりやすい。

1日を通して乗降客数が多い大規模な駅ということで、後続の列車が大阪駅ホームへ入線できず、その後も続々と到着する電車が連鎖的に遅れる場合もある。

また、阪和線・大和路線・京都線などとの直通運転があることも要因。

阪和線・大和路線は快速各種が乗り入れ、京都線は新大阪駅・京都駅などと行き来する特急列車が中心だが、複雑なダイヤになっている点も無視できない。

総延長の営業キロ数が200km超も

他の路線の影響が大きく関係している阪和sねだが、全体の長さは各列車で異なる。

特急くろしお号が200km近く走り、快速電車も100km超になる便が複数ある。

◎阪和線を走る各列車の主要運転区間と距離

特急くろしお号|新大阪~新宮:276.8km

紀州路快速|天王寺~和歌山:61.3km、天王寺~御坊:115.9km

関空快速|天王寺~関西空港:46.0km

基本的に和歌山駅を境に運転系統が分離されているものの、特急くろしお号と一部の快速電車はさらにきのくに線の御坊駅方面まで乗り入れる。

途中にて遅れの原因となる何らかのトラブルが生じる可能性がその分高くなり、遅延のリスクが上がる。

踏切事故、動物との衝突、架線支障、ポイント動作不良、信号トラブルなどの設備の故障が短い路線よりはリスクが高い。

1編成当たりの列車の走行距離も長いため、車両故障のリスクもまた高まる。

まとめ

JR阪和線

JR阪和線の起点は天王寺駅であり、終点は和歌山駅である。大阪と和歌山を結ぶ鉄道路線であるのと同時に、関西空港と結ぶ重要な路線でもある。空港へのアクセス手段として利用する乗客もかなり多い。

線路は全線で複線となっている。運行本数は複線路線としては近畿地方では一番多い。多くの電車が走る路線というのも特徴の1つ。

電車が遅れる理由とは?

阪和線は他の路線と比べても運行本数が多い。しかし、線路は上下線それぞれ1本の線路のみであり、従来の複線となっている。

一方、線内を走るてっしゃの種類は各駅停車から快速・区間快速、特急まである。

ところが、通過駅のある電車が各駅停車を追い抜ける場所は限られる。待避線のある駅でしか追い越すことができない。速達列車はかなりの需要があるが、各駅停車も同時に多くの利用者が乗車する。

こうした事情から、どうしてもダイヤが高密度なものになってしまう。現状において、かなり過密した運行体系となっていて、線路容量は限界に近い状態となっている。

>>阪和線の複々線化の計画の全容! 今はもう白紙か?

そんな中でちょっとしたトラブルが発生して1本の電車が少しでも遅れてしまうと、すぐに後続の列車が止まってしまう。

そのさらに後続の列車も同時に停止してしまう。それがドミノ倒しのように他の電車へ影響を与えてしまい、阪和線全体が「遅延」という結果になる。

ダイヤの回復もかなり難しい。もともとのダイヤが過密しているため、回復させようとしても先を走る各駅停車に快速や特急が追いついてしまう。こうなると、復帰は難しく速達列車もノロノロ運転になる。

さらに、阪和線の場合は踏切が多い。高架区間があまりなく、ほとんどの区間は地上を走るため、一般交通と交差するところが多数存在する。そのため、人身事故がどうしても発生する可能性が高い。これもまた、運転見合わせの原因となっている。

その他、各路線の遅延事情について

鉄道事業者 路線名
JR西日本 JR神戸線JR京都線JR阪和線JR東西線JR琵琶湖線JR嵯峨野線JR湖西線JR大阪環状線JR学研都市線JR宝塚線JR大和路線JR奈良線JRおおさか東線
大阪メトロ 御堂筋線谷町線堺筋線中央線長堀鶴見緑地線四ツ橋線千日前線今里筋線
阪急電鉄 阪急京都線阪急神戸線阪急宝塚線
阪神電気鉄道 阪神本線
京阪電気鉄道 京阪本線
近畿日本鉄道 近鉄奈良線近鉄京都線近鉄大阪線近鉄南大阪線近鉄名古屋線
南海電気鉄道 南海高野線南海本線

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