南海本線では頻繁に遅延が発生している。関西の私鉄の中では電車が遅れやすい路線というのが印象的だろう。主な原因といえば強風である。全体的に海辺を走ることから、風が強い地域ということで天候にされやすい。
強風でも徐行運転で済む場合と完全に運転見合わせになってしまう場合の2パターンがある。
強風注意報なら10分くらいの遅れ
気象庁が「強風注意報」を発令している程度であれば通常よりもスピードを落としての運行で収まる。最高速度は平常時であれば110km/hだが、これを60km/h程度に抑えて運転されることがよくある。
時刻表からは5~10分程度の遅れが生じるのは避けられないものの、それでも電車が動いていることから、大きな悪影響を受ける乗客は最小限に抑えられている。
同じく海岸を走る阪神本線やJR神戸線(山陽本線)もまた同じように速度を落としての運転を行うことがよくある。海岸付近は海からの風をダイレクトに受けるため、内陸部よりも風の強さに左右されてしまうというわけだ。
南海本線では、強風で徐行運転を実施している場合でも各駅停車に加えて急行などの優等列車はそのまま運転し続ける。しかし、各停がゆっくり走る上にすべての駅に停車することから、通過駅のある急行などが前を走る各停に追いついてノロノロ運転となるケースが多い。
このようになると、優等列車に乗っても所要時間は各駅停車とほとんど等しい状態になる。速達性は完全に失われてしまう。
暴風警報なら完全運転見合わせ
気象庁が「暴風警報」を出すほどの強い風が吹くと、南海本線ではほかの鉄道路線に先駆けて運転見合わせとなることが多い。一番強い風の影響を受ける路線のため、たとえJR阪和線などが動いていたとしても南海本線は完全に電車がストップする。
一旦暴風警報が発令されるとなかなか解除されない。したがって、朝の時間帯に運転見合わせになったとしたら、夕方から夜にかけての遅い時間帯にならないと運転再開されないこともしばしばある。
台風が接近しているときなどになると、1日中運休が続くということもある。もはや、電車を使って移動することは困難な状況だ。
強風は自然現象という性質から「風に影響を受けやすい」という今の現状を改善するのはかなり難しい。人身事故や信号・電気系統などの設備のトラブルで電車が止まるという話であれば改善の余地はあるが、強風による遅れや運休をなくすのは無理がある。
天候に左右されやすい南海本線において、遅延が発生する頻度を下げるのは不可能に近いといえる。
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