富士フイルムの平均年収は約850万円。賞与は平均すると年間6.5ヶ月分。全体としては化学メーカーの中ではトップクラスの高さを誇る。日本国内の上場企業でも特に高い方。
会社業績と個人評価で上下し、全員一律に支給されるわけではないものの、平均して6ヶ月分ほどが支給される。
なお、持株会社である「富士フイルムホールディングス」の平均年収は1,000万円を超える金額が提示されているが、事業会社である「富士フイルム株式会社」はこれよりは低い。
目次
平均年収は800万円前後と算出
富士フイルムでは給与に関する資料は公開されていない。そのため、ここでの年収は推定値ではある。
とはいえ、全従業員で換算すると低く見積もっても、平均年収は800万円前後になると見込まれる。
大卒で新卒入社の場合だと、35歳前後で800万円に到達することから、このように判断。
これには基本給・賞与・各種手当(家族手当、時間外手当、通勤手当)などすべてが含まれている。
参考:富士フイルムホールディングスの平均年収
年度 | 平均年収 |
---|---|
2019年 | 10,028,486円 |
2018年 | 9,974,684円 |
2017年 | 9,711,760円 |
2016年 | 10,462,452円 |
2015年 | 10,707,834円 |
2014年 | 10,761,368円 |
2013年 | 10,701,540円 |
持株会社「富士フイルムホールディングス」の平均年収は1,003万円。「有価証券報告書」に記載されている金額。
過去7年間では上昇傾向が見られたものの、近年下がっている。
平均年収は1,000万円を超えているものの、これはあくまでも持株会社に在籍している従業員に限った話。
「提出会社の状況」の欄にて、従業員数はわずか228名となっている。これはホールディングスに所属する従業員に限ったもの。事業会社は実際の事業会社はもっと低い金額になる模様。
賞与は約6.5ヶ月分
富士フイルムのボーナスは年間で約6.5ヶ月分が支給される。
大手化学メーカーでは5ヶ月分以上が支給される会社が多いが、富士フイルムもその例外ではない。他社と比較しても大きな基準を誇る。
ただし、個人評価(成績と行動評価)が加味される。入社年度が同じで、年齢が同じであっても、賞与の金額はそれぞれで異なる。成果(実績)と行動評価で上司が判断して、決められた計算式に沿って算出される。
そのため、社員によって同期同士でも基本給の5.5~7.0ヶ月分ほどの差が生まれる模様。
機械製品の製造業のように「〇ヶ月分」に完全固定されているわけではなく、前年度の個人評価によって変化。
とはいえ、年功序列の傾向も残っていて、年齢が上がるほど賞与の支給額が上がっていくのは確か。
勤続年数ごとの年収
富士フイルムの勤続年数ごとの年収の目安は下記の通り。
- 新卒採用3年目:500万円
- 5年目:650万円
- 7年目:750万円
- 10年目:800万円
- 15年目:900万円
- 20年目:1,000万円
営業の社員の場合、勤続年数別の年収ベースの金額はこのような感じになる。
定期昇給は年1回、賞与と同じく個人評価と行動評価(上司による判定)で昇給幅が決定。
とはいえ、年功序列の要素もゼロではない。基本的に年齢が上がるにつれて昇給され、前年比でダウンすることはそうそうない。
なお、有価証券報告書で記載されている平均年収約850万円という金額は、ある程度の役職にならないと実現しない。新卒採用の場合、入社10年以内に到達するのはまず無理だろう。
年齢ごとの年収の目安
富士フイルムでは院卒・大卒・高卒を採用する。新卒採用の場合は技術系と事務系で分かれて選考が実施されるが、給料体系は同じ。
高卒は主に製造現場が中心。基本給が少なく、さらに出世も遅めのため、平均年収は下がる。
院卒・大卒(事務系・技術系)
富士フイルムの年齢ごとの目安は下記の通り。
年齢 | 年収 | 月収(基本給) | 賞与 |
---|---|---|---|
20-24歳 | 400-450万円 | 25-30万円 | 75-95万円 |
25-29歳 | 450-600万円 | 30-40万円 | 100-120万円 |
30-34歳 | 600-900万円 | 40-55万円 | 150-200万円 |
35-39歳 | 700-1,000万円 | 45-55万円 | 150-200万円 |
40-44歳 | 700-1,200万円 | 45-60万円 | 200-250万円 |
45-49歳 | 900-1,500万円 | 55-80万円 | 200-300万円 |
50-54歳 | 900-1,500万円 | 55-80万円 | 200-300万円 |
55-59歳 | 900-1,200万円 | 50-70万円 | 150-200万円 |
20代は400~600万円、30代は600~1,000万円、40代及び50代は700~1,500万円になるだろう。
年収1,000万円以上に達するのはいずれも共通。どれかの職種が高い・低いとなっているわけではない。
ただし、技術系として採用される理系の大学院卒を対象とする職種のため、平均年収の金額は文系で学部卒が中心の文系よりも高く出る。
いずれも理系の学部学科を出た人を対象としていることもあって、入社人員の多くは修士了以上。
一方、営業を中心とした事務系は文系が中心で、学部卒がほとんど。学部卒と院卒では基本給が異なるため、平均年間給与は文系よりも理系の方が高く出る。
ただ、最終学歴の違いで基本給が変わるだけで、文系・理系で給料体系が違うというわけではない。
製造現場(高卒)
年齢 | 年収 | 月収(基本給) | 賞与 |
---|---|---|---|
20-24歳 | 400-450万円 | 25-30万円 | 75-95万円 |
25-29歳 | 450-550万円 | 35-40万円 | 100-120万円 |
30-34歳 | 550-650万円 | 40-45万円 | 120-150万円 |
35-39歳 | 600-750万円 | 45-50万円 | 120-170万円 |
40-44歳 | 700-800万円 | 45-55万円 | 150-200万円 |
45-49歳 | 750-850万円 | 50-60万円 | 150-200万円 |
50-54歳 | 800-900万円 | 50-60万円 | 150-200万円 |
55-59歳 | 750-850万円 | 45-55万円 | 120-200万円 |
高卒採用が中心の製造現場の年齢別年収の目安は上記の通り。全体の平均年間給与は650万円程度と推定。
主な仕事内容は製造現場での業務。もちろん、大卒・院卒、高専卒よりは給料体系が安いのは確か。
それでも、世の中全体としては決して低い給料水準ではなく、職場が大手企業ということで世間一般の大卒並みにはなる。
20代で400万円台前半、30代で500~750万円、40代で700~800万円台、50代で800~900万円が平均的な社員の年収。
最終学歴(大卒・院卒)ごとの年収の差
富士フイルムの最終学歴ごとの平均年収は、院卒では博士了が950万円、修士了が900万円、大卒(学部卒)が850万円。高卒は650万円と推定。
最終学歴だけで初任給が大きく異なる。賞与も基本給を基に計算されるため、それぞれで差が出る。
次に初任給について。入社直後の基本給は最終学歴によって差が見られる。
富士フイルムの初任給
- 大卒(学士卒):235,000円
- 院卒(修士了):263,600円
- 院卒(博士了):288,300円
※高専専攻科卒は215,700円、高専本科卒は198,100円
出典:マイナビ2021「富士フイルム(株)」
本当の基本給に対する初任給に限ってみれば、富士フイルムは一般的な企業と大差ない。化学メーカーの中でもほとんど同じ。
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業種 | 会社名 |
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製薬会社 | 武田薬品工業、大塚製薬、アステラス製薬、第一三共、中外製薬、エーザイ、大日本住友製薬、田辺三菱製薬、塩野義製薬、小野薬品工業、参天製薬、大正製薬、沢井製薬、久光製薬、ツムラ、日本新薬、持田製薬、シミック、大鵬薬品工業、小林製薬 |
〃(外資) | ファイザー、アストラゼネカ、ジョンソンエンドジョンソン、ノバルティスファーマ |
化学・素材 | 三菱ケミカル、住友化学、旭化成、積水化学工業、富士フイルム、信越化学工業、三井化学、東レ、東ソー、大陽日酸、昭和電工マテリアルズ、昭和電工、宇部興産、関西ペイント、JSR、三菱ガス化学、クラレ、エア・ウォーター、資生堂、コーセー、日亜化学工業、カネカ、ダイセル |
上記では製薬会社各社の平均年収および給料体系について解説。