JRの乗車券の区間変更の可否について。各事例ごとにOK/NGを一覧化。
改札に入る前(使用開始前)であれば、1回までなら手数料なしで乗車区間の変更を行える。2回目からは払い戻し扱いのため、払い戻し手数料が発生。
改札に入った後(使用開始後)は、料金が安くなる場合だと乗車区間の変更は不可能。追加料金が発生する場合なら差額分を支払うことで変更できる。ここは要注意である。
事例ごとの乗車券の区間変更のOK/NG
区間変更手続きの可否 | ||
使用開始の有無 | 変更の回数 | 可否 |
---|---|---|
未使用 | 1回目 | 〇 (手数料なし) |
2回目 | △ (払い戻し手数料220円) | |
使用開始後 | ー | 〇 (変更前より料金が高くなる場合) × (変更前より料金が安くなる場合) |
※乗り越しの場合は「〇」。手数料なし。 ※未使用とは改札入場前のことを指す。 |
記号の示す意味
〇:変更手続きが手数料なしで行える
△:変更手続きは可能だが、手数料は生じる
×:変更が一切できない
未使用の場合なら、1回に限って手数料なしで乗車区間の変更手続きが行える。
使用開始後の場合でも、追加料金が発生するような場合なら変更ができるが、変更前よりも運賃が安くなる場合だと、返金が不可能のため変更が不可能。
なお、乗車券の変更ルールはJRグループはいずれも共通。JR東日本、JR東海、JR西日本、JR北海道、JR四国、JR九州の6社どれも同じ。
未使用の場合
未使用乗車券の乗車区間変更の条件
- 1回目:運賃の過不足に関係なく手数料なしで可能
- 2回目:払い戻し手数料が220円発生。
乗車券の未使用とは、駅の改札に入場する前のことを指す。一旦改札に入ると「使用開始後」という扱いになる。
区間変更という点では同じでも、1回目と2回目ではまったく取り扱いが異なる。
1回目は単に「変更」手続きに該当するため追加料金がない。2回目は「払い戻し+新規購入」の取り扱いになるため、払い戻し手数料が発生。
したがって、区間変更を行う際はよく注意した上で行う必要がある。
1回目は手数料なしで変更可
改札入場前の「未使用」の場合なら、1回目の変更の場合は手数料なしで乗車券の区間変更が行える。
変更後の運賃が変更前よりも安くなる場合、差額分が返金される。
変更後の運賃が変更前よりも高くなる場合、差額分を支払うことで変更ができる。
どちらの場合でも、手数料は無料で一切かからない。
変更は駅のみどりの窓口などで行える。みどりの窓口がない中小規模の駅では、駅員のいる改札口で行える。
2回目は払い戻し手数料220円
改札入場前の「未使用」という点では同じでも、2回目の変更の場合は一旦払い戻しとなって再度新規で購入するという形になる。「払い戻し手数料」として220円がかかる。
中でも変更後の運賃が変更前よりも安くなる場合、差額分が返金されるが、220円の負担金は生じる。
変更後の運賃が変更前よりも高くなる場合も、乗車券の区間変更の場合だと差額分を支払うことに加え、220円の負担金が増える。
ただし、「乗り越し」の場合は区間変更をせずにそのまま変更前の乗車券で電車に乗り、下車駅で乗り越し精算を行えば手数料なしで、単に不足分の運賃を支払うだけで済む。
変更は駅のみどりの窓口などで行える。みどりの窓口がない中小規模の駅では、駅員のいる改札口で行える。
使用開始後の場合
使用開始後の乗車券の区間変更の条件
- 変更後の運賃が安くなる場合:変更自体は可能だが、過剰徴収分の返金はNG
- 変更後の運賃が高くなる場合:差額分を支払うだけでOK
乗車券の使用開始後とは、駅の改札に入場した後または電車に乗った後のことを指す。電車には乗っていない場合でも、乗車駅の改札に入った時点で「使用開始後」という扱いになる。
区間変更のルールでは、返金が実施されないという点で注意が必要。
運賃が不足する場合だと、単純に差額分を支払うだけでOKだが、過剰になる事例だと払い戻しそのものが不可のため実質的にNGになる。
乗車予定区間よりも手前で降りる場合が要注意といえる。
変更前の料金>変更後の料金
変更後の料金が変更前の料金よりも安くなる場合は、区間変更を行おうとしても返金が100%できない。
乗車区間の変更そのものはできたとしても、過剰に支払った分の金額は取り戻せないという意味。
<例1>:変更前:東京→横浜(480円)、変更後:東京→川崎(310円)
本来なら170円安くなるが、差額分は払い戻し不可能。170円分が無駄になる。
<例2>:変更前:東京→横浜(480円)、変更後:東京→新宿(200円)
方向がまったく違うものの、使用開始後でも変更そのものはできる。ただし、本来なら280円安くなるが、差額分は払い戻し不可能。280円分が無駄になる。
変更は駅員のいる改札口で行える。
変更前の料金<変更後の料金
変更後の料金が変更前の料金よりも高くなる場合は、不足分の運賃を支払うだけ。
乗り越し精算の場合なら、乗り越し精算機にて不足分を支払うだけ。
方向が変更前と後で異なる場合でも、運賃が高くなる場合なら駅の窓口にて不足分の運賃を支払うだけで問題ない。
<例1>:変更前:東京→横浜(480円)、変更後:東京→小田原(1520円)
本来なら1040円高くなるが、差額分は支払うだけ。(乗り越し精算)
<例2>:変更前:東京→横浜(480円)、変更後:東京→大宮(570円)
方向がまったく違うものの、使用開始後でも変更そのものはできる。ただし、駅の窓口にて差額分90円を支払う。
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主な項目 | 記事 |
---|---|
JRきっぷ全般 | 各種きっぷの払い戻し手数料、変更/払い戻しのルールと条件、有効期間、途中下車の可否、乗り越し精算 |
乗車券 | 日付変更の可否、区間変更の可否、有効期間、途中下車の可否、往復割引 |
自由席特急券 | 有効期間、自由席特急券の変更可否(日付/区間)、指定列車について、途中下車の取り扱い |
指定席特急券 | 指定席特急券の変更可否(日付/発車時刻/区間)、乗り遅れ時の措置 |
座席変更 | 乗車後の座席変更の可否(総合編)、自由席→指定席、指定席→自由席、指定席→自由席、グリーン車→普通車(指定席・自由席) |
定期券 | 払い戻しの条件と手数料、区間変更の注意点、1日の上限、使い回しでバレる件、通勤以外の使用、通学(学校)以外の使用 |
学割 | 学割の適用条件、必要なものと注意点、使用目的の制限、私鉄の学割、特急券の事情 |
みどりの窓口 | みどりの窓口とは?、混雑状況 |