JRの乗車券や特急券などの各種きっぷの払い戻し手数料を一覧化。キャンセル料と意味的には同じ。
払い戻しとは、一度乗車券や特急券を購入したものの、鉄道を利用する予定が消えたために切符を返品すること。
有効期間内であれば支払った料金は返金されるものの、これには所定の手数料がかかる。
JRきっぷ各種の払い戻し手数料の一覧
きっぷの種類 | 払い戻し手数料の金額 | 備考 |
---|---|---|
乗車券 | 220円 | 使用開始前かつ有効期間内 (前売り券については有効期間の開始日前を含む) |
自由席特急券 | ||
特定特急券 | ||
自由席グリーン券(在来線) | ||
急行券 | ||
回数券(回数乗車券) | 使用済み分の回数券は「普通運賃」で利用したものと計算 | |
定期券 | 有効期間が1ヵ月以上残っている場合のみ払い戻し可 | |
指定席特急券 | 列車出発日の2日前まで:340円
前日から出発時刻まで:料金の30%(最低金額:340円) |
乗り遅れなど、指定列車の出発時刻後の払い戻しは不可。 |
指定席グリーン券 | ||
寝台券 | ||
指定席券(快速など) | ||
立席特急券 | 220円 | 出発時刻まで |
きっぷの種類に関係なく全てに共通する注意点は、有効期間内でしか払い戻しができないという点。
有効期限切れになったきっぷの払い戻しが100%不可能。単なる「紙切れ」になってしまい、支払った料金が無駄になるため要注意。
普通乗車券
普通乗車券の払い戻し手数料は220円に固定されている。
払い戻しができる条件は、未使用かつ有効期間内であること。
期限後は「無効」になるため、乗車券の払い戻しは一切できない。
乗車予定がなくなったために乗車券を払い戻ししても、実際に返金されるのは支払った料金から220円差し引いた金額になる。
なお、改札入場後は「使用開始後」という形になるため、原則として払い戻しはできない。
自由席特急券
自由席特急券の払い戻し手数料も220円に固定。新幹線、在来線特急のいずれも同じ。
払い戻しができる条件は、有効期間内またはそれがスタートする以前。
自由席特急券の有効期間は乗車日の当日のみ(1日間)のため、乗車予定日の翌日以降だと無効になって払い戻しができない。
未使用であることも条件になっている。新幹線は改札入場前(在来線改札は無関係)、在来線特急は列車への乗車前が「未使用」に該当。
なお、乗車券とセットで払い戻しする場合は、それぞれのきっぷに手数料がかかる。
「乗車券+自由席特急券」だと合計440円になる。
グリーン券(在来線)
JR東日本の在来線普通列車のグリーン車は自由席であるが、ここでのグリーン券は「自由席グリーン券」という種類に該当する。
払い戻し手数料も220円に固定。
普通列車のグリーン車への乗車前で、有効期間内であれば払い戻しが可能。
乗車券で改札に入場した後であっても、実際にグリーン車に乗る前であれば「未使用」に該当する。
指定席特急券
指定席特急券の場合は、自由席特急券とは違って払い戻しの手続きを行う日によって金額が変わる。
当初としていていた乗車予定日の2日前までなら340円、前日から当日の列車発車時刻までは特急券の料金の30%もかかる(最低340円)。
指定席特急券の料金が高いほど、直前の払い戻しの手数料が高くなる。
乗車券とセットで手続きする場合は乗車券・特急券それぞれの分の払い戻し手数料が発生する。
乗車券+指定席特急券だと、最低金額だったとしてもそれぞれ220円+340円のため、合計で560円が手数料となる。
指定席グリーン券
指定席グリーン券の場合も、普通車の指定席特急券と同じく、払い戻しの手続きを行う日によって金額が変わる。
当初としていていた乗車予定日の2日前までなら340円、前日から当日の列車発車時刻まではグリーン料金の30%もかかる(最低340円)。
指定席特急券の料金が高いほど、直前の払い戻しの手数料が高くなる。
乗車券とセットで手続きする場合は乗車券・特急券それぞれの分の払い戻し手数料が発生する。
乗車券+指定席特急券だと、最低金額だったとしてもそれぞれ220円+340円のため、合計で560円が手数料となる。
ただし、指定席グリーン券の場合は、計算元になるグリーン料金に指定席特急券の料金は含まれない。
新幹線や在来線特急の特急券に記載されている料金は「特急料金+グリーン料金」である。払い戻し手数料で計算される「料金の30%」は後者のみが該当。
立席特急券
立席特急券が発売されるのは、自由席がまったく設置されていない「全車指定席」の新幹線にて普通車指定席が満席の場合のみ発売される特急券。
自由席と似ているものの、乗車列車が指定されている点で異なる。
払い戻し手数料は220円に固定されている。
一方で立席特急券はあくまでも指定席特急券と同じ扱い。そのため、払い戻しができるのは指定列車の出発時刻まで。
出発時刻を過ぎてからの払い戻しや変更は一切できない。
払い戻しの条件が複雑なきっぷ
以下のJRきっぷは、払い戻しができるものの、その条件が複雑でなかなか理解するのが難しい。
- 回数券(回数乗車券)
- 定期券
払い戻し手数料が気になるというよりも、実際に返金される金額の方が気になるきっぷである。
回数券(回数乗車券)
回数乗車券は不要になった券片(未使用の残り枚数分)を払い戻しすることができる。
払い戻し手数料は1セット220円。券片が1枚でも2枚でも3枚でも、払い戻し手数料は220円固定。
ただし、使用済みの回数乗車券は回数券ならではの割引が効いた料金ではなく、普通運賃で乗車したものとしてカウントされる。
回数乗車券の計算式
回数乗車券発売額-(使用済枚数×普通運賃)-手数料220円 = 払い戻し手数料
仮に回数券の残り枚数分を払い戻しした場合、それまでに使用した回数券は実質的に普通乗車券で乗ったものと同じ状態になる。
定期券
定期券の払い戻し手数料も220円固定だが、その可否と返金額という点で条件が複雑。有効期間の開始前と後、残り月数にとって異なる。
有効期限までの残り期間 | 払い戻し手数料 | 注意点の詳細 |
---|---|---|
有効期間の開始日の前日まで | 220円 | 発売額-220円=返金される金額 |
有効期間の開始日以降(残り1か月以上) | 220円 | 発売額-使用済月数分の定期運賃-220円 |
有効期間の開始日以降(残り1か月未満) | ー | 払い戻し不可 |
※「使用済月数分」の1か月未満の日数は1か月とカウントされる |
定期券の払い戻しができる条件は、有効期限までの残り日数が1か月以上ある場合のみ。
定期券を購入したものの、有効期間がスタートする前に払い戻しする場合は、手数料を220円支払うのみで払い戻しを受けられる。
未使用という扱いになるため、手数料分以外は全額返金される。
有効期間開始前の払い戻しの計算式
定期券の発売額-220円=払い戻し金額
有効期間が開始した後の払い戻しはやや複雑。手数料そのものは同じく220円だが、返金される運賃分が異なる。
発売額からすでに使用済みの月数分(1カ月に満たない日は1カ月とみなされる)の定期運賃の金額は返金される。
有効期間スタート後の払い戻しの計算式
定期券の発売額-使用済みの月数の定期券料金-220円=払い戻し金額
例えば、4月1日から9月30日まで有効の6カ月定期券を8月20日に払い戻す場合の計算式は次。
6カ月定期運賃-(3カ月定期運賃+1カ月定期運賃×2)-220円 = 払い戻し金額
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主な項目 | 記事 |
---|---|
JRきっぷ全般 | 各種きっぷの払い戻し手数料、変更/払い戻しのルールと条件、有効期間、途中下車の可否、乗り越し精算 |
乗車券 | 日付変更の可否、区間変更の可否、有効期間、途中下車の可否、往復割引 |
自由席特急券 | 有効期間、自由席特急券の変更可否(日付/区間)、指定列車について、途中下車の取り扱い |
指定席特急券 | 指定席特急券の変更可否(日付/発車時刻/区間)、乗り遅れ時の措置 |
座席変更 | 乗車後の座席変更の可否(総合編)、自由席→指定席、指定席→自由席、指定席→自由席、グリーン車→普通車(指定席・自由席) |
定期券 | 払い戻しの条件と手数料、区間変更の注意点、1日の上限、使い回しでバレる件、通勤以外の使用、通学(学校)以外の使用 |
学割 | 学割の適用条件、必要なものと注意点、使用目的の制限、私鉄の学割、特急券の事情 |
みどりの窓口 | みどりの窓口とは?、混雑状況 |