阪神高速道路株式会社の平均年収は約800万円(2019年度は833万円)。高速道路会社の中では首都高に次いで2番目に高い金額。
ボーナスは年間で4~5ヶ月ほどと推定。上場企業と比較すると平均的な水準。
年収そのものは世間的には高い方。「準公務員」のような感じといえる。
公式の平均年収は833万円
年度 | 平均年収詳細金額 |
---|---|
2019年 | 8,328,448円 |
2018年 | 8,242,693円 |
2017年 | 8,171,407円 |
2016年 | 8,191,507円 |
2015年 | 8,145,571円 |
2014年 | 8,087,486円 |
阪神高速道路の正社員・臨時従業員の平均年収は有価証券報告書にて公表されていて、2019年度では833という金額が出ている。
過去6年間ではいずれも概ね800~840万円の範囲で推移。高速道路会社の中では高い方に入る。
インフラ企業としても、平均年収が800万円以上で推移する会社はかなり少なく、この点で大きなアドバンテージがある。
これには基本給・賞与・各種手当(時間外勤務手当、深夜手当、扶養手当、住居手当、単身赴任手当、職責手当など)などすべてが含まれる。
年収偏差値
職種 | 年収偏差値 | 概要 |
---|---|---|
事務系総合職 | 70 | 上場企業でも特に高い金額 |
技術系総合職 | 70 |
阪神高速道路の平均年収を偏差値にすると、総合職は事務系・技術系ともに70。
総合職は事務系・技術系いずれも給料水準が最も高いため、上場企業の中でも特段に高い金額。偏差値70がこれに当たる。
ボーナス
阪神高速道路ではボーナスは社員平均で年間で基本給の4~5か月分ほどと推定。
賞与面でも国家公務員とほぼ同じくらいの水準。「基本給の○ヶ月分」という基準では上場企業をはじめとする大手企業よりは低いが、不満の声は少ない範囲。
もっとも、高速道路の利用者が少ない時期、自然災害で経営状況が悪化したときは下がる可能性はあるが、原則として4.4ヶ月分は確保されているようだ。
インフラ企業で「安定している」と言われるように、大規模な災害などがない限りは減額されない。
他社と比較して
阪神高速道路は上場企業全体と比較すると、平均年収は大幅に高い。800万円以上に入る企業は世間一般で見ればもはや「勝ち組」。
高速道路株式会社法に基づき設立された特殊会社。形式的には民営化されているものの、労働条件は国土交通省や大阪府庁、兵庫県庁と変わらない。
したがって、阪神高速道路の社員であることは公務員であることに近い。
高速道路株式会社ではトップ
阪神高速は高速道路会社の中では首都高に次いで平均年収ランキング第2位。
NEXCO3社よりは高い金額。
NEXCO各社の場合、公表されている金額では東日本>中日本>西日本という順番。
- NEXCO東日本:7,852,597円
- NEXCO中日本:7,752,316円
- NEXCO西日本:7,739,315円
どれも2019年度では770~780万円台で僅差の違いに変わりはないが、阪神高速は833万円で+50万円ほどと大幅にリード。
他社と同じく、インフラ企業や公務員と同じように年功序列型のシステムで、年齢が上がるごとに年収が上昇しやすい。
30~35歳くらいまでは余程なことがない限りは昇給が実施される。
インフラ企業と比較して
インフラ企業と比較すると、平均年収の面では阪神高速が大幅にリード。
しかし、総合職(事務系・技術系)に限った話では大差ないと思われる。大手インフラ会社では、総合職に限れば、平均年収は800万円以上に達する。
電力会社、鉄道会社、ガス会社などでは総合職・一般職・現業職といった職種が存在する。社員数も現業部門が多いところが目立ち、総合職よりも給料体系で劣る職種でもある。
インフラ企業の公式の平均年収が低く抑えられているのは、ここには総合職だけでなく、現業職も含まれていることによる。
総合職
年齢 | 年収 | 月収(基本給) | 賞与 |
---|---|---|---|
20-24歳 | 400-450万円 | 25-30万円 | 75-95万円 |
25-29歳 | 450-700万円 | 30-40万円 | 100-120万円 |
30-34歳 | 600-800万円 | 40-55万円 | 150-200万円 |
35-39歳 | 700-900万円 | 45-55万円 | 150-200万円 |
40-44歳 | 700-1,000万円 | 45-60万円 | 200-250万円 |
45-49歳 | 800-1,200万円 | 55-80万円 | 200-300万円 |
50-54歳 | 800-1,200万円 | 55-80万円 | 200-300万円 |
55-59歳 | 800-1,200万円 | 50-70万円 | 150-200万円 |
上記は総合職の年齢ごとの推定年収の目安。有価証券報告書に記載のとおり、毎年800~850万円で推移。
阪神高速道路の中でも最も給料体系が高い職種で、子会社各社よりも高い。
管理職となれば1,000万円以上に達する。40歳前後になると管理職に昇格する社員が多くなる。
文系が主流の事務系と理系限定の技術系があるが、給料体系はいずれも同じ。
事務系
事務系総合職では主に以下の仕事内容が挙げられる。
- 経営企画
- お客様満足度推進
- 事業計画、営業促進
- 採算性検討
- 道路管理、関連事業
- 用地取得
- 総務、法務、人事、広報、経理
- 環境対策
いずれも年収に関しては、仕事内容ごとの違いはほとんどない。
20代のうちは年収が400~700万円、30代は600~900万円、40代は700~1,200万円、50代は800~1,200万円が相場。
実際のところは各個人の役職やスキル、勤続年数によって違いが見られるものの、大部分の社員なら上記の範囲に入るだろう。
技術系
技術系総合職では主に以下の仕事内容が挙げられる。
- 土木
- 建築
- 機械
- 電気
技術職においても年収は仕事内容ごとの違いはほとんどない。
年齢別年収は同じく、20代で400~700万円、30代で700~900万円、40代で800~1,200万円、50代で800~1,200万円。
専門分野が職種ごとの異なるとはいえ、給料体系の優劣はない。
最終学歴ごとの年収の差
阪神高速道路では大卒・院卒・高専卒を採用。初任給は最終学歴によって差が見られる。
阪神高速道路の初任給
- 高専卒 :月給183,000円
- 大学卒 :月給210,000円(※高専専攻科卒を含む)
- 大学院了:月給229,000円
(2019年4月入社 実績)
出典:リクナビ2021
全体的には年収水準は「院卒>大卒(学部卒)>高専卒」の構造。
ただし、年齢が上がれば上がるほど役職や評価での給料の差が出てくる。
業種 | 会社名 |
---|---|
総合商社 | 三菱商事、伊藤忠商事、三井物産、丸紅、住友商事、双日、豊田通商、兼松 |
高速道路 | 首都高、阪神高速、NEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本 |
電力会社 | 東京電力、中部電力、関西電力、九州電力、東北電力、中国電力、四国電力、北海道電力、沖縄電力、北陸電力、J-POWER(電源開発)、日本原燃、日本原子力発電、ユーラスエナジーHD、SBエナジー、三菱日立パワーシステムズ、イーレックス |
ガス | 東京ガス、大阪ガス、東邦ガス、西部ガス、静岡ガス、京葉ガス、北海道ガス、広島ガス、北陸ガス |
石油 | ENEOS(旧JXTG)、出光興産、コスモ石油、国際石油開発帝石、伊藤忠エネクス |
上記ではインフラ業界及び総合商社の平均年収および給料体系について解説。