JRの特急列車の自由席特急券には時間・列車指定はまったくない。どれでも好きな列車に乗車できる。指定席とは違って、特定の便にしか乗れないわけではない。
自由席の車両なら、どの時間でもどの座席にも座ってもOKというのが特徴。
万が一乗り遅れたとしたら、その日のうちなら次に出発する列車に乗ることができる。切符の表面にも「発車時刻」や「列車番号」は一切記載されていない。
時間・列車指定はなし
JR特急:自由席特急券と指定席券の違い | ||
主な項目 | 自由席 | 指定席 |
---|---|---|
乗車列車 | その日の内の「好きな列車」 | 特定の1つの列車 |
発車時刻 | 非特定(特急券に記載無し) | 特定(特急券に記載有り) |
着席方法 | 空いている座席に座れる(先着順) | 指定された座席に座れる(予約制) |
乗り遅れたら? | 後続列車の自由席に乗車可 | 後続列車の自由席に乗車可 |
満席の場合 | デッキ・通路に立って乗車 | 発券不可 |
※全車指定席は除く。あくまでも自由席の設定がある特急列車のみ該当。
※今回のテーマはあくまでもJRグループの特急のみ。私鉄ではそもそも特急列車は指定席のみのため対象外。
まとめると、次のようになる。基本的に新幹線と同じ。
- 自由席:出発時間は決まっていなくて好きな列車に乗れるが、満席で座れない可能性あり
- 指定席:特定の列車にしか乗れないため時間に拘束されるが、100%確実に座れる
自由席特急券で在来線特急に乗る場合、自分の好きな便に乗ることができる。
ただし、満席のリスクがある。途中駅から乗る場合を中心に座れない可能性が残る。
特急列車は新幹線と比べても本数が少ないため、混雑を理由に後続列車を選ぶというのが現実的に厳しい。
好きな列車に乗ってOK
自由席特急券の場合は、そもそも乗車列車が特定されていないため、有効日の当日内であればどの列車でも「自由席」に該当する車両に乗車可能。
ちょっとした用事ができて先発列車に乗るには間に合わない場合だと、後続の列車に乗るという選択肢を選べる。
同一路線であれば、列車名も問われない。
「7:30」のような時間(発車時刻)および「サンダーバード2号」といった列車番号の指定はない。
出発時間がわからない人には最強
自由席特急券なら特定の乗車列車が決まっているわけではないため都合がよい。
「早く駅に到着したから、乗ろうとしていた列車の1本前の便に乗ろう」
「どの便に乗れるか時間的にわからないが、とりあえず切符だけ購入しておこう」
このように考えている人にとっては、自由席特急券は最強な手段になるだろう。
例えば、出張中などで帰り時間がわからずにきっぷを購入する場合、指定席特急券だと乗り遅れたら無駄になってしまう。
指定席にこだわると、あえて遅めの時間帯の列車に指定する必要がある。
自由席だと駅に着いてから来た列車に乗るだけでよいため、このようなデメリットがない。
注意点
ただし、JRの自由席特急券にもいくつかの注意点がある。
自由席特急券の注意点
- 有効期限:乗車日の1日のみ有効(当日のみ有効)
- 着席できる車両:自由席の車両のみ。指定席車両は空席でも着席不可。
- 全車指定席は自由席特急券利用不可
有効期限は当日のみ
自由席特急券の有効期限は利用日の1日のみ。
切符を購入した後に、その日のうちに特急列車に乗る都合が合わなくなったため翌日に乗るという手段が取れない。
乗車券は有効期限が複数日と長い場合でも特急券は1日のみ。
当日のみ有効ということで、翌日になって未使用だと完全に無効になって「パー」になってしまう。
利用予定日の翌日になると払い戻しすらできない。
あくまでも「特定の1日に限って好きな列車に乗車できる」というのが自由席特急券。
時間指定はないが、日付指定はあるというのが注意点である。
指定席車両には座れない
自由席特急券で乗れる車両は決まっている。乗車できるのは「自由席」に設定されている車両のみに当たる。
指定席の車両には乗車できない。
指定席の車両に空席があったとしても、そこに座れるのは禁止されている。
もし車掌に見つかると指定席の車両から離れて自由席の車両へ移動するように言われる。
空席があって座れるのはあくまでも自由席の車両に限られていて、たとえ自由席が100%満席であったとしても、空いている指定席には座れない。
この点も新幹線と同じ。
全車指定席の列車は乗車不可
新幹線では一部の列車では「全車指定席」を導入している。これは自由席がまったく設置されていない便。
常磐線の「ひたち」「ときわ」や中央線の「あずさ」「かいじ」がこれに該当する。
>>新幹線の路線ごとの「全車指定席」を導入の有無! それらの背景も
これらの路線ではそもそも自由席特急券そのものが発売されていない。
なお、似たような切符で「座席未指定特急券」というものがあるが、これは「自由席特急券」とはまた別物。
座席指定をしない切符という点では同じだが、あくまでも指定席扱いである。
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