東急池上線で遅延が生じる原因として多い内容は2つ。主要な要因としては踏切関連の運行障害、乗降時間の延長が当てはまる。
路線距離が10.9km(五反田~蒲田間)という短さもあって頻度は首都圏では下位。都心直結型の鉄道路線ではかなり短いことがプラス要因となっている。
定時運行を確立する上では条件は好ましい形。それでも、小規模ながら電車が遅れることはよくある。
東急池上線の遅延の主な理由
遅延の原因 | 頻度 | 詳細な内容 |
---|---|---|
踏切関連の運行障害 | ★★★★ | 踏切の人身事故、直前横断による緊急停止など |
乗降時間の延長 | ★★★★★ | 乗り降りに時間がかかって停車時間が延長 |
東急池上線にて遅延の原因となる点として、上記の2つの内容。
まず挙げられるのが、人身事故や列車緊急による安全確認等。踏切関連の事案が多い。
池上線内では連続立体交差の区間がまったくなく、ほとんどの道路とは踏切で交差。地上の一般交通と物理的に接するところがある以上、どうしても運行障害が起こってしまう。
もう1つは、乗降時間の延長によって発車時刻が遅れる点。混雑や駆け込み乗車によって停車時間が長くなる事例がこれに該当。
踏切関連の運行障害
踏切は運転見合わせ、大幅な遅延をもたらす典型的な原因。
人身事故のような実際の交通事故に加え、列車通過直前横断、線路内立ち入りといった一般市民の行動に問題によって電車の緊急停止があり得る。
人身事故
人身事故が起きる場所としては主要ポイント。クルマなどの一般交通と電車が衝突する可能性も高い。
踏切での事故は「運転見合わせ」という形で電車の運転が100%止まってしまう要因になる。
一度人身事故が生じると復旧には時間を要するため、大幅にダイヤが乱れるのは回避できない。
ところで、人身事故には不運による本当の「交通事故」の場合と、走行中の電車への飛び込み自殺の場合がある。
東急池上線の場合は、そもそもあまり速度を出さない。通過駅のある優等列車がないため、自殺行為はほとんどない。
池上線での人身事故と言えば不運の事故によるとものと考えてよい。
緊急停止による安全確認
列車通過直前横断、線路内立ち入りなども起こりやすい。これらが起こると電車が緊急停止する。
運転士による目視判断の結果から踏切内の障害物検知センサーが作動して自動的に急ブレーキがかかる場合の2パターンがある。
踏切には周辺の人たちが緊急時に電車を停止させる「非常ボタン」が付いているが、これが作動しなくても障害物検知センサーが反応して電車が止まる仕組みにもなっている。
運転士が危険を見て急ブレーキをかけることもある。同じく緊急停止という形で電車が止まる。
どちらにせよ、一旦非常停止すると運転再開までには5分はかかる。
このような性質のため、踏切関連の運行障害が起きやすい。
乗降時間の延長
東急池上線にて遅延が起こるもう1つの原因が、乗降時間の延長。
駅にて乗客の乗り降りが通常よりも長くなることで発車時刻が遅れ、その結果1本の電車または路線全体が遅れる。
乗降時間が長くなる原因としては、混雑という利用状況や駆け込み乗車などの乗客のマナーのどちらかがほとんど。
混雑による遅れ
混雑が原因での遅延の詳細
- 東急池上線:大崎広小路→五反田の混雑率130%前後
- 3両編成のため1本当たりの輸送力が小さい
>>東急池上線の通勤ラッシュの混雑状況を時間帯・区間ごとに調査!
混雑が激化することもあり、そうなると停車駅での乗降時間が長くなって遅れにつながる。
東急池上線の朝ラッシュの混雑率は130%近くの数値を出している。首都圏では都心直結路線としては下位。
他の鉄道路線と比べると確かに混雑が穏やかと思われる。しかし、それでも3両編成しかない構造から、乗降時間が長くなってしまうことはよくある。
乗車マナーによる遅れ
一方で乗客の行動による電車の遅延が起きやすい。
停車時間が伸びる原因として、駅での停車中にドア付近に立ち止まる乗客の存在、駆け込み乗車が挙げられる。
満員電車の場合、駅に到着してドアが開いた際には、車内奥の乗客が降りられるように一旦降車するのがマナー。
これを無視する乗客がいると、停車時間が伸びる一因になる。円滑な電車の乗降の妨げとなってしまい、ホーム上にいる乗客が全員乗り終わるまでに時間が想定以上にかかってしまう。
また、乗車後にドア付近に立ち止まって、後から乗車する乗客の妨げになる行為もマナーが理由で停車時間が伸びる原因。同じように、円滑な乗降の妨げになり、停車時間が長くなる要因に。
駆け込み乗車があると同じように余計に停車時間が伸びる。乗客がドアに挟まると再開扉を行う。
1駅だけなら数秒の遅れにとどまる。しかし、何駅も続くと大規模な遅延につながってしまう。定時運行に協力しない行動になってしまう。
できるだけスムーズに迅速に乗降できる環境を作るには、こうした乗客のマナーが問われる。
その他、各路線の遅延事情について
鉄道事業者 | 路線名 |
---|---|
JR東日本 | JR中央総武緩行線、JR宇都宮線、JR高崎線、JR中央線快速、JR横須賀線、JR総武線快速、JR埼京線、JR川越線、JR東海道線、JR京浜東北線・根岸線、JR山手線、JR常磐線快速、JR武蔵野線、JR京葉線、JR横浜線、JR南武線 |
東京メトロ | 千代田線、東西線、有楽町線、半蔵門線、南北線、丸ノ内線、副都心線、日比谷線、銀座線 |
都営地下鉄 | 都営三田線、都営浅草線、都営新宿線、都営大江戸線 |
京成電鉄 | 京成本線 |
東武鉄道 | 東武伊勢崎線(スカイツリーライン)、東武東上線、東武野田線(アーバンパークライン) |
西武鉄道 | 西武池袋線、西武新宿線 |
京王電鉄 | 京王線、京王井の頭線 |
小田急電鉄 | 小田急線(小田原線・多摩線・江ノ島線) |
東急電鉄 | 東急東横線、東急目黒線、東急田園都市線、東急池上線、東急大井町線 |
京浜急行電鉄 | 京急本線 |
相模鉄道 | 相鉄本線 |
その他の私鉄 | つくばエクスプレス、東葉高速鉄道、北総鉄道、埼玉高速鉄道、東京臨海高速鉄道りんかい線 |