JR横浜線で遅延が発生することは決して珍しくはない。10分以上の遅れが生じるケースが多いのが印象的で、原因として人身事故や信号、車両のトラブルが少なくない。
JR東日本が管轄する首都圏の路線では、横浜線よりも高頻度で遅延が発生する例はいくつもある。埼京線や上野東京ライン、湘南新宿ラインではほぼ毎日のように起こっている。運転見合わせになることもかなり多い。
それに比べると、横浜線は比較的平常運転が保たれていることが多いと思える。しかし、横浜線は他の多くの路線のように他路線への乗り入れが少ない。JR根岸線の桜木町駅などで一部が直通している程度である。
1つの列車が走る区間の大部分は横浜線単独の東神奈川=八王子間である。外部の影響をあまり受けないのは確かである。
それでも遅延が起こりやすいのは?
それでも横浜線の現状を見ると、遅延が生じることは多い。直接の原因といえば、人身事故、信号システム、車両の故障、悪天候がほとんどである。
このうち、車両のトラブルは以前と比べると現在では減少したようだ。かつては国鉄時代に製造された205系が主流であった。旧式で作られてから長い年月が経過していたこともあって、トラブルが起きることは多かった。
2014年からは新型車両のE233系に置き換えられた。故障が起きる頻度は205系よりも少なくなった。定時運行に貢献しているのは間違いない。
一方、人身事故や信号トラブルは変わっていない。人身事故は駅ホームからの転落や踏切内での衝突事故が挙げられる。
横浜線では特に踏切内での事故が多い。踏切では、自動車との接触・衝突事故も多いが、さらに自殺のために飛び込む人もいる。高架や地下を走りところではほぼあり得ない出来事である。
横浜線は大半の区間で地上を走る。そのため、道路との交点では踏切となっている箇所が少なくない。立体化されているのは幹線道路との交点くらいである。
そんな特徴から、人災によって横浜線の電車が遅れることが多いといえる。
人身事故は今後も減らない?
JR横浜線では、相模原市内の矢部駅~橋本駅間の約3.7kmの区間で連続立体交差事業が行われる予定となっている。線路が高架化または地下化される。
これが完成すれば、横浜線では今よりは人身事故による遅延の発生頻度が下がる可能性が大きい。
しかし、現時点では工事が行われる見込みは立っていない。すなわち、完成する時期も未定であり、少なくとも2030年以降のことになると考えられる。
さらに、これができても依然として大部分は地上を走る。踏切が複数残ることは間違いないため、運転見合わせや遅延の原因となる要素はあまり減らない。
これからも、引き続きJR横浜線において遅延が生じる頻度を劇的に減るのは難しいのが現状である。
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