相鉄線で遅延が多い原因を調査! 主要な理由は3つ

相鉄線

相鉄線で遅延が多い原因について調査。主要な要因は3つ。相互直通運転、踏切関連の人身事故または緊急停止による安全確認、乗降時間の延長が具体的な内容に当たる。

元々、相鉄本線・いずみ野線ともに首都圏では遅延の発生頻度は下位だった。しかし、JR線への直通運転開始によってダイヤが不安定になってしまった。

完全に100%電車の運行が中止になる「運転見合わせ」こそは少ないものの、5~30分の遅れは生じる。


相鉄線の遅延の主な理由

遅延の原因 頻度 詳細な内容
乗降時間の延長 ★★★★ 途中駅での停車時間の超過
踏切関連 ★★★★ 踏切関連の人身事故、直前横断による緊急停止など
相互直通運転 ★★★★★ 相鉄・JR直通線の運行開始

参照:鉄道の遅延の原因とは!? よくある事例の一覧

相鉄線(本線・いずみ野線)にて遅延や運転見合わせの原因となる点として、上記3つが当てはまる。

まず挙げられるのが相互直通運転。2019年11月に開業した相鉄・JR直通線の開業によって相鉄でも遂に他の首都圏の鉄道会社と同じく他社線への乗り入れを開始。

相鉄線内だけでなく、JR横須賀線、埼京線のダイヤの乱れの影響を受けるようになったことが1つ目の原因。

次に乗降時間の延長によって発車時刻が遅れる点。混雑による乗車時間超過、駆け込み乗車などの乗客のマナーによって停車時間が長くなる。

人身事故や列車緊急による安全確認等も遅延の理由の1つに。こちらは主に踏切関連の内容が多い。

相互直通運転による影響

相鉄・JR直通線

相鉄線では以前は相互直通運転とはまったく無関係の路線だった。横浜~海老名の相鉄本線、二俣川~湘南台の相鉄いずみ野線の2路線で運転系統は完結していた。

相鉄新横浜線が開業したことでJR線との相互直通運転が開始されたのは2019年11月。

羽沢横浜国大駅を経由して、JR横須賀線、埼京線へも乗り入れるようになった。この一連の直通運転の形態を「相鉄・JR直通線」という。

渋谷駅や新宿駅などの都心直結が実現した反面、相鉄線も遅延が生じやすい環境に変わった。

JR横須賀線、埼京線は遅延の王者。毎日のように遅延が発生している路線のため、同時に相鉄・JR直通線の列車にも遅れが生じやすい。

結果的に相鉄線内の電車にもダイヤの乱れの影響が波及する形に切り替わった。

相鉄線と相互直通運転する各路線の遅延の事情

JR横須賀線に起因する遅延

横須賀線

◎横須賀線に起因する遅延

  • 慢性的な混雑
  • 湘南新宿ラインと線路を共有

※詳しい混雑動向は「横須賀線の朝ラッシュの混雑状況を時間帯・区間ごとに調査!」にて解説。

JR横須賀線に起因する遅延とは、慢性的な混雑、湘南新宿ラインとの線路共有の点が主流。

駅構内の列車緊急停止ボタン作動による緊急停止などもあるが、大きな原因はこれら2点が該当。

混雑の場合、最も詳しく言うと武蔵小杉駅に起因する内容である。

朝ラッシュの時間帯では武蔵小杉駅からの大量の乗車人員で乗降時間の延長しやすい。

混雑率はここ最近は190%前後で推移。首都圏の中でも首位クラス。相鉄・JR直通線も武蔵小杉駅に停車するが、横須賀線の電車と比較した場合の混み具合の差は大きい。

横須賀線の電車の方が圧倒的に混んでいて超満員電車の様相を呈する。

さらに湘南新宿ラインの電車も横須賀線の線路を走る点も遅延につながる。

湘南新宿ラインは東海道線、宇都宮線、高崎線と直通運転を行う関係上、これらの路線内でのトラブルで運転見合わせ、遅延等のダイヤの乱れが生じやすい。

JR横須賀線(湘南新宿ライン含む)は相鉄本線とは比べ物にならないくらい定時運行が困難な状態の下にある。

参考:湘南新宿ラインで遅延が多い原因を調査! 主要な理由は5つ

JR埼京線に起因する遅延

埼京線

◎埼京線に起因する遅延

  • 慢性的な混雑
  • 湘南新宿ラインと線路を共有

※詳しい混雑動向は「埼京線の混雑の時間帯とは…」にて解説。

JR埼京線に起因する遅延も横須賀線と類似する。

朝ラッシュを中心に慢性的な混雑が問題となっている。赤羽→池袋の区間にて混雑率が180%程度。

混雑によって乗降時間の延長しやすく、相鉄線直通の埼京線が遅れやすい。

そして、埼京線もまた湘南新宿ラインの電車と大崎~池袋間にて線路を共有。

他の線区のダイヤの乱れに左右されやすい。

踏切関連の運行障害

踏切

踏切は運転見合わせ、大幅な遅延をもたらす典型的な原因。

相鉄本線では踏切がいくつも存在。連続立体交差事業が整備された区間もあるが、大半ではまだまだ踏切が点在。

人身事故のような実際の交通事故に加え、列車通過直前横断、線路内立ち入りといった一般市民の行動に問題によって電車の緊急停止があり得る。

人身事故

人身事故が起きる場所としては主要ポイント。クルマなどの一般交通と電車が衝突する可能性も高い。

踏切での事故は「運転見合わせ」という形で電車の運転が100%止まってしまう要因になる。

一度人身事故が生じると復旧には時間を要するため、大幅にダイヤが乱れるのは回避できない。

ところで、人身事故には不運による本当の「交通事故」の場合と、走行中の電車への飛び込み自殺の場合がある。

相鉄本線はスピードを出す部分が乏しいこともあって自殺行為は少ない。

一方の不運の事故は踏切が存在するという特徴から起きてしまう。連続立体交差ができない限りは遅延の主要原因になり続ける。

緊急停止による安全確認

列車通過直前横断、線路内立ち入りなども起こりやすい。電車が緊急停止する根拠の1つでもある。

運転士による目視判断の結果から踏切内の障害物検知センサーが作動して自動的に急ブレーキがかかる場合の2パターンがある。

踏切には周辺の人たちが緊急時に電車を停止させる「非常ボタン」が付いているが、これが作動しなくても障害物検知センサーが反応して電車が止まる仕組みにもなっている。

運転士が危険を見て急ブレーキをかけることもある。同じく緊急停止という形で電車が止まる。

どちらにせよ、一旦非常停止すると運転再開までには5分はかかる。

1回でも踏切にて電車が緊急停止すれば、相鉄線内で「遅延」が発生という情報が駅の電光掲示板などに登場する。

乗降時間の延長

乗車時間が延長する相鉄線

相鉄線にて遅延が起こるもう1つの原因が、乗降時間の延長。

駅にて乗客の乗り降りが通常よりも長くなることで発車時刻が遅れ、その結果1本の電車または路線全体が遅れる。

乗降時間が長くなる原因としては、混雑という利用状況や駆け込み乗車などの乗客のマナーのどちらかがほとんど。

混雑による遅れ

混雑が原因での遅延の詳細

  • 相鉄本線:西横浜→平沼橋の混雑率130%前後
  • 3両編成のため1本当たりの輸送力が小さい

>>相鉄本線の朝ラッシュの混雑状況を時間帯・区間ごとに調査!

混雑が激化することもあり、そうなると停車駅での乗降時間が長くなって遅れにつながる。

相鉄本線の朝ラッシュの混雑率は130%近くの数値を出している。

相鉄本線そのものはターミナル駅が横浜駅で東京都内ではないこともあり、首都圏では下位。

とはいえ、特急・急行などの優等列車を中心に混雑が集中。

各駅停車と緩急接続を行う駅では、乗り換え客の大量発生で停車時間が長くなりやすい。

乗車マナーによる遅れ

一方で乗客の行動による電車の遅延が起きやすい。

停車時間が伸びる原因として、駅での停車中にドア付近に立ち止まる乗客の存在、駆け込み乗車が挙げられる。

満員電車の場合、駅に到着してドアが開いた際には、車内奥の乗客が降りられるように一旦降車するのがマナー。

1駅だけなら数秒の遅れにとどまる。しかし、何駅も続くと大規模な遅延につながる。

できるだけスムーズに迅速に乗降できる環境を作るには、こうした乗客のマナーが問われる。


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その他、各路線の遅延事情について

鉄道事業者 路線名
JR東日本 JR中央総武緩行線JR宇都宮線JR高崎線JR中央線快速JR横須賀線JR総武線快速JR埼京線JR川越線JR東海道線JR京浜東北線・根岸線JR山手線JR常磐線快速JR武蔵野線JR京葉線JR横浜線JR南武線
東京メトロ 千代田線東西線有楽町線半蔵門線南北線丸ノ内線副都心線日比谷線銀座線
都営地下鉄 都営三田線都営浅草線都営新宿線都営大江戸線
京成電鉄 京成本線
東武鉄道 東武伊勢崎線(スカイツリーライン)東武東上線東武野田線(アーバンパークライン)
西武鉄道 西武池袋線西武新宿線
京王電鉄 京王線京王井の頭線
小田急電鉄 小田急線(小田原線・多摩線・江ノ島線)
東急電鉄 東急東横線東急目黒線東急田園都市線東急池上線東急大井町線
京浜急行電鉄 京急本線
相模鉄道 相鉄本線
その他の私鉄 つくばエクスプレス東葉高速鉄道北総鉄道埼玉高速鉄道東京臨海高速鉄道りんかい線