AIG損害保険の平均年収は1,000万円と推定。保険会社であるものの、外資系金融ということで、給料体系は国内勢とは少し違う。基本的には年俸制で、完全に実力主義の世界。
ボーナスは基本は2.0ヶ月分。ここに各年度の業績分がプラスαされる仕組み。基本給の3ヶ月分程度が相場だが、その基本給は個人によって大きく異なる。
ただ、年収ベースでは一般的な損保会社と比較すると高いレベル。損保ジャパン、東京海上日動、三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保などよりも高い。
平均年収は1,000万円前後と算出
AIG損害保険はアメリカニューヨークに本社があるAIG傘下の日本の保険会社である。AIGジャパン・ホールディングス株式会社の完全子会社。
非上場のため、有価証券報告書は公表されていなく、年間平均給与も公式のものは非公開。
推定では年収は全従業員で換算すると1,000万円前後になる。これには基本給・賞与・各種手当(時間外勤務手当、通勤手当、住宅手当等)などすべてが含まれている。
夏と冬の年2回(6月と12月)のボーナスもかなり高い(2019年は5.5ヶ月分)。
こうした事情から業界規模を考えても、正規雇用(正社員)であれば少なく見積もっても平均700万円前後には達すると推定。
ボーナス
AIG損害保険のボーナスは社員平均で3ヶ月分が支給(2019年度実績)。支給があるのは年1回で3月のみ。
基本給の2.0ヶ月分は支給される。これに業績分がプラスαされる。個人評価はここでは加味されない。
ただし、AIG損保では年俸制となっていて、外資系企業のように完全に実力主義。日系企業のような年功序列ではまったくない。
基本給の昇給に関しても、各社員個人の評価が大きく加味される。成績が優秀な社員は給料が大幅にアップする一方、成績が悪い社員は下げられることもある。
住宅手当
外資系としては珍しく、AIG損害保険では「住宅手当」が若年層の社員向けにある。主な特徴は以下の通り。
首都圏勤務の場合だと、住宅手当として借り上げ社宅がある。
月々の家賃には上限があるようだが、原則として8割は会社負担、残り2割が自己負担。
一般的な企業では、会社負担は5割程度の場合がほとんど。住宅手当に関してはかなり手厚いと言える。
さらに、転居の際の礼金、敷金、契約手数料などの初期費用は全額会社負担。
他社と比較して
AIG損害保険は上場企業全体と比較すると、平均年収は大幅に高い方に分類。
給料体系に関しては、外資系ということもあって年功序列ではなく実力主義の傾向。
平均的な年収で言えば、日本国内の損害保険会社に比べると高い。
損害保険会社としてはかなり高い
AIG損害保険の全社員の平均年収は、日本国内のどこの損害保険会社よりも高い。
主な損保会社の平均年収(2019年度)は以下のように公表されている。
- 損保ジャパン:6,069,361円
- 三井住友海上火災保険:7,415,580円
- あいおいニッセイ同和損保:6,432,557円
- 東京海上日動火災保険:7,578,953円
損保ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損保、東京海上日動火災保険のいずれも600~700万円台で、AIG損害保険はこれらよりも大幅に高い。
総合商社並みの給料体系と言える。
もちろん、国内の銀行や証券会社、あるいは政府系金融機関と比べても高い。
メガバンクでさえも、平均年収は700~800万円台にとどまる。
年齢別の年収の目安
総合職の全部門の年齢ごとの推定年収。全体の平均年間給与は1,000万円程度と推定。
年齢 | 年収 | 月収(基本給) | 賞与 |
---|---|---|---|
20-24歳 | 400-600万円 | 25-30万円 | 75-100万円 |
25-29歳 | 500-800万円 | 30-50万円 | 100-150万円 |
30-34歳 | 700-1,200万円 | 50-70万円 | 100-150万円 |
35-39歳 | 800-1,500万円 | 50-80万円 | 100-200万円 |
40-44歳 | 900-2,000万円 | 60-120万円 | 120-250万円 |
45-49歳 | 1,000-2,000万円 | 60-150万円 | 150-300万円 |
50-54歳 | 1,200-2,000万円 | 60-150万円 | 150-300万円 |
55-59歳 | 1,200-2,000万円 | 60-150万円 | 150-300万円 |
上記は大卒・院卒向けの総合職の年齢ごとの推定年収の目安。
AIG損害保険の中でも最も給料体系が高い職種。管理職となれば1,000万円以上に達する。
基本給・賞与・各種手当を合計した額面金額は、20代が300~600万円、30代は600~900万円、40代は600~1,200万円、50代は700~1,200万円範囲に入ると推定。
全職種共通
AIG損害保険では、新卒採用では「New Analyst (総合職)」「アクチュアリー」「Technology Analyst(IT)」の3つのコースの採用区分がある。
詳しい業務内容は以下の通り。
■営業
代理店の営業、経営支援
代理店経営に対するコンサルティング
代理店の新設など
ターゲット顧客へのマーケティング戦略■損害サービス(アジャスター)
保険金のお支払いに関する一連の業務を担当
事故の受付、損害程度の調査、保険金額の算出
示談交渉、支払業務■アンダーライティング
保険契約の引き受けに際し、リスクと保険料のバランスを診断
適切な保険契約がなされるように判断をする業務
保険会社の損益分岐を方向づけする重要な役割■アクチュアリー
保険会社の保険契約準備金の評価
保険料率や料率算定方法の決定
その他の事業および財務リスクの測定■オペレーション&システム、ファイナンス
営業部門や損害サービス部門をバックアップを行う
人事・財務・経理・システム部門や、広報、社会貢献活動など
社内各部署の満足度を高め、ビジネスの推進に貢献引用:マイナビ2021「AIG損害保険(株)」
いずれの職種でも給料水準はほぼ同じ。業務内容そのものでの年収面の差異はほとんどない。
最終学歴(大卒・院卒)ごとの年収の差
AIG損害保険の最終学歴ごとの平均年収は、院卒・大卒ともに大差なく、前述の通り1,000万円程度になると予想。
大卒・院卒を採用。初任給は最終学歴によって異なるが、スタートの時点で院卒の方が気恩給が高いため、平均年収も「院卒>大卒(学部卒)」の構造。
AIG損害保険の初任給
- 修士了:382,943円 ※固定残業代95,736円(40時間)を含む
- 大卒:370,577円 ※固定残業代92,644円(40時間)を含む
(2020年4月給与初任給)
ただし、AIG損保をはじめとする外資系企業では評価に基づいた実力主義で、給料は勤務態度や成績によって変わる。
入社数年後には学歴の違いよりも実力の違いの方が大幅に重要。
業種 | 会社名 |
---|---|
メガバンク | 三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、新生銀行、ゆうちょ銀行 |
地銀 | 横浜銀行、千葉銀行、関西みらい銀行、福岡銀行、北陸銀行、北海道銀行、京都銀行 |
信託銀行 | 三井住友信託銀行、三菱UFJ信託銀行、みずほ信託銀行、SMBC信託銀行 |
損害保険 | 損保ジャパン、東京海上日動、三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保、AIG損害保険 |
生命保険会社 | 日本生命、明治安田生命、第一生命、住友生命、大同生命、富国生命 |
証券 | 野村證券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガンスタンレー証券、東海東京証券、岡三証券 |
クレジット | JCB、三菱UFJニコス、三井住友カード、オリエントコーポレーション、イオンフィナンシャルサービス、クレディセゾン |
外資系 | ゴールドマンサックス、ドイツ銀行、UBS、モルガンスタンレー、シティバンク、JPモルガン、BNPパリバ、クレディスイス、バークレイズ、バンクオブアメリカ |
政府系 | 日本銀行、国際協力銀行、日本政策投資銀行、日本政策金融公庫、商工中金、農林中央金庫、日本証券金融、日本取引所グループ、住宅金融支援機構 |
上記では銀行、保険、証券等の金融業界の平均年収および給料体系について解説。