かんぽ生命の平均年収は全体では700万円程度。内訳では、内務職員が643万円、営業職員が790万円(2019年度)。
過去のデータでは、2018年度は612~804万円、2017年度は612~820万円、2016年度は610~798万円。
ボーナスは組合員平均で4.3ヶ月分前後が支給。その年度の経営状況によって変動するものの、春闘の労使交渉で支給額が決定。日本郵政グループ全社共通。
生命保険会社としては珍しく、個人評価や部署・店舗の成績も加味されない。
平均年収は内務職員が643万円、営業職員が790万円
かんぽ生命の従業員の平均年収は有価証券報告書にて公表されている。従業員の平均年間給与は内務職員と営業職員で別々に公表されている。2019年度では内務職員が643万円、営業職員が790万円という金額が出ている。
これには基本給・賞与・各種手当(時間外勤務手当、通勤手当)などすべてが含まれている。
傾向としては7年間を通してほぼ横ばい状態。前年比で上下することはあっても、長期的に見ると上がっても下がってもいない。
民間の生命保険会社である日本生命、明治安田生命、第一生命、住友生命などと大差ない。
内務職員
年度 | 平均年収 |
---|---|
2019年 | 6,426,000円 |
2018年 | 6,118,000円 |
2017年 | 6,121,000円 |
2016年 | 6,104,000円 |
2015年 | 5,996,000円 |
過去5年間では、かんぽ生命の内務職員(事務職)の平均年収は600万円前後で推移。
近年はやや上昇傾向となっている。
営業職員
年度 | 平均年収 |
---|---|
2019年 | 7,893,000円 |
2018年 | 8,037,000円 |
2017年 | 8,202,000円 |
2016年 | 7,977,000円 |
2015年 | 7,467,000円 |
過去5年間では、かんぽ生命の内務職員(事務職)の平均年収は750~800万円前後で推移。
事務職である内務職員に比べると高い金額なのがわかる。
ただし、近年は若干下落傾向となっている。一貫して上昇している内務職員とは違う。
ボーナスは概ね4.3ヶ月分
かんぽ生命のボーナスは年間で4.3ヶ月分程度が支給(2019年度)。基本的に全社員固定制をとっている。日本郵政グループ(日本郵便・ゆうちょ銀行)と共通。
かんぽ生命は日本郵政グループに属し、元々国営だったこともあって、実力主義ではなく年功序列。これは昇給などだけでなく、ボーナスの事情も同じ。
かんぽ生命は、製造業(特に自動車業界)のように組合員一律〇ヶ月分という計算方法。
旧来から民間の生命保険会社のように営業成績などで変動するわけではない。
個人評価が低い社員にとっては都合が良い反面、仕事ができる社員によってはデメリットかもしれない。
年齢ごとの年収の目安
かんぽ生命では「総合職」「エリア基幹職」の2つの職種がある。
総合職は全国転勤が存在する。必ず引っ越しが必要な異動がある。
エリア基幹職は特定の地域内での異動があるが、地域間をまたぐ異動はない。原則として自宅から通勤することが想定されている。
総合職
かんぽ生命の総合職の平均年収は800万円程度と推定。年齢ごとの目安は下記の通り。
年齢 | 年収 | 月収(基本給) | 賞与 |
---|---|---|---|
20-24歳 | 400-450万円 | 25-30万円 | 75-95万円 |
25-29歳 | 450-600万円 | 30-40万円 | 100-120万円 |
30-34歳 | 600-800万円 | 40-55万円 | 150-200万円 |
35-39歳 | 700-900万円 | 45-55万円 | 150-200万円 |
40-44歳 | 700-1,000万円 | 45-60万円 | 200-250万円 |
45-49歳 | 800-1,100万円 | 55-80万円 | 200-300万円 |
50-54歳 | 800-1,200万円 | 55-80万円 | 200-300万円 |
55-59歳 | 800-1,200万円 | 50-70万円 | 150-200万円 |
20代は400~600万円、30代は600~900万円、40代及び50代は700~1,100万円になるだろう。
大卒(学部卒)・院卒(修士課程修了)いずれも社内で最も給料体系が高い職種。
いずれも給料体系はいずれも同じだが、男性行員が多いこともあって勤続年数が長く、その分平均年収の数値が高め。
なお、総合職には特定の専門分野に当たる「クオンツ・アクチュアリー」が含まれる。
エリア基幹職
かんぽ生命のエリア基幹職の平均年収は600万円と推定。女性行員が多数派の職種。
下記は年齢ごとの推定年収の目安を示した表。
年齢 | 年収 | 月収(基本給) | 賞与 |
---|---|---|---|
20-24歳 | 350-400万円 | 25-30万円 | 40-85万円 |
25-29歳 | 350-500万円 | 25-40万円 | 50-80万円 |
30-34歳 | 500-700万円 | 30-50万円 | 70-100万円 |
35-39歳 | 600-800万円 | 35-55万円 | 80-150万円 |
40-44歳 | 700-900万円 | 40-60万円 | 100-150万円 |
45-49歳 | 700-1,000万円 | 40-60万円 | 100-200万円 |
50-54歳 | 800-1,200万円 | 45-60万円 | 150-250万円 |
55-59歳 | 800-1,000万円 | 40-65万円 | 120-250万円 |
20代で350~500万円、30代で500~800万円、40代及び50代で700~1,200万円が目安。
総合職は男性行員が中心な一方、エリア基幹職は女性社員が多い職種。
総合職は全国転勤が存在するため、その手間の報酬も給料に含まれていることで年収が高い。
エリア基幹職はそれがない分、年収ベースでは総合職に劣る。
また、女性行員が多いこともあって、勤続年数が比較的浅く、これも平均年収を下げる要因の1つになるだろう。
ただし、エリア基幹職も「一般職」ではない。ゆえに幹部登用もあり、管理職となれば年収1,000万円以上に入ってくる。
また、営業職は手当が付くこともあって、給料は内勤よりも良好。
一般職
かんぽ生命の一般職の平均年収は500万円と推定。年齢別では下記が目安。
年齢 | 年収 | 月収(基本給) | 賞与 |
---|---|---|---|
20-24歳 | 300-350万円 | 18-22万円 | 60-90万円 |
25-29歳 | 350-450万円 | 20-25万円 | 80-100万円 |
30-34歳 | 400-600万円 | 25-30万円 | 100-120万円 |
35-39歳 | 500-650万円 | 25-40万円 | 100-160万円 |
40-44歳 | 600-700万円 | 30-45万円 | 100-180万円 |
45-49歳 | 700-800万円 | 30-45万円 | 120-200万円 |
50-54歳 | 700-800万円 | 30-45万円 | 120-200万円 |
55-59歳 | 650-800万円 | 30-45万円 | 120-200万円 |
20代で300~450万円、30代で400~700万円、40代で600~800万円台、50代で700~800万円が相場。
総合職やエリア基幹職と比較して低い金額。仕事内容は事務が中心で営業ではないことが影響。
業務内容の観点から給料水準は低く抑えられている。
平均年収を考えると、一般的な上場企業の総合職よりは確実に低い。
最終学歴(大卒・院卒)ごとの年収の差
かんぽ生命の最終学歴ごとの平均年収は特に大きくは違わない。院卒(修士了)、大卒(学部卒)ともに有価証券報告書に記載の通りの600~800万円と推定。
文系が多数派、理系が少数派のため、大卒が全体のほとんどを占める。
最終学歴よりも職種や配属された部署などの違いの方が給料の違いが大きい。
次に初任給について。入社直後の基本給は最終学歴によって差が見られる。
かんぽ生命の初任給
総合職
- 院卒(修士了):220,500~246,960円
- 大学卒:212,500~238,000円
エリア基幹職
- 院卒(修士了):177,200~198,460円
- 大学卒:174,800~195,780円
- 短大・高専・専門卒:172,300~194,880円
一般職
- 院卒(修士了):167,400~197,530円
- 大学卒:165,800~195,640円
- 短大・高専・専門卒:163,400~194,700円
初任給でも、かんぽ生命は他社に比べるとやや大きな差がある。
大手生命保険会社に比べると初任給の時点で1~2万円程度低い金額。
業種 | 会社名 |
---|---|
メガバンク | 三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、新生銀行、ゆうちょ銀行 |
地銀 | 横浜銀行、千葉銀行、関西みらい銀行、福岡銀行、北陸銀行、北海道銀行、京都銀行 |
信託銀行 | 三井住友信託銀行、三菱UFJ信託銀行、みずほ信託銀行、SMBC信託銀行 |
損害保険 | 損保ジャパン、東京海上日動、三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保、AIG損害保険 |
生命保険会社 | 日本生命、明治安田生命、第一生命、住友生命、大同生命、富国生命 |
証券 | 野村證券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガンスタンレー証券、東海東京証券、岡三証券 |
クレジット | JCB、三菱UFJニコス、三井住友カード、オリエントコーポレーション、イオンフィナンシャルサービス、クレディセゾン |
外資系 | ゴールドマンサックス、ドイツ銀行、UBS、モルガンスタンレー、シティバンク、JPモルガン、BNPパリバ、クレディスイス、バークレイズ、バンクオブアメリカ |
政府系 | 日本銀行、国際協力銀行、日本政策投資銀行、日本政策金融公庫、商工中金、農林中央金庫、日本証券金融、日本取引所グループ、住宅金融支援機構 |
上記では銀行、保険、証券等の金融業界の平均年収および給料体系について解説。