【比較表】新幹線のグリーン車と普通車の違い! 各項目ごとに調査

新幹線のグリーン車

新幹線のグリーン車と普通車(指定席・自由席)の違いとは何か。各項目ごとに比較する。

細かい部分は各路線や車両によって多少は異なるものの、基本的にはグリーン車には特別車ならではの特徴がある。

値段が高い分、座席の設備・混雑度・客層などの面で普通車との差が明確に存在する。


比較表:グリーン車と普通車の違い

グリーン車と普通車の違い(東海道新幹線N700系の場合)
項目 グリーン車 普通車
混雑状況 ガラガラが基本 満席になりやすい
座席配置 2+2列 3+2列(3人掛け有り)
座席の横幅 50cm 40cm
テーブルの大きさ 横幅:40cm
奥行:28cm
横幅:40cm
奥行:20cm
コンセント 窓側・通路側どちらも有り 窓側のみ(通路側は無し)
料金 グリーン料金発生
フットレスト あり なし
読書ライト あり なし
リクライニング あり あり
子供の有無 ほぼいない 土日祝は多数あり
車内販売 優先的に巡回 グリーン車の後に巡回
Wi-Fi(無料) あり あり

全国の新幹線におけるグリーン車と普通車の違いを一覧ににするとこのようになる。

共通点といえば、シートのリクライニング機能と車内販売がある点くらいにとどまる。

利用者数の差異による混雑状況、座席のサイズやレイアウトなどの車内設備、料金、さらには客層までもが異なる。

今回の東海道山陽新幹線の主力車両N700系を基準としているものの、それ以外の車両でも傾向は同じ。

東北新幹線のE5系、北陸新幹線のE7系・W7系、上越新幹線のE2系などもコンセントの有無等では事情が違うが、利用状況や座席の規格は同じ。

混雑状況

混雑する新幹線

グリーン車と普通車では混雑状況に大きな違いがある。

普通車の方は、自由席・指定席のいずれも通常期でさえ満席になることが結構多い。

特に通過駅が多く設定されている速達列車ではどこの路線でも乗車率が高い傾向。

反対にグリーン車では混むのは繁忙期等に限定。ガラガラ状態がほとんど。

普段は窓側の座席に乗客が座っているのみ、通路側は空席となっているのが基本。

座席の配置

まず座席の配置が違う。

グリーン車はどこの路線のどの車両においても2+2列の配列。両サイドは2人掛け。

普通車の場合は指定席・自由席のどちらも3+2列が基本。3人掛けの座席が片方になるのが特徴。

山陽・九州新幹線の一部列車では普通車でも指定席を中心に2+2列になっているものの、これは全国的には珍しい。

普通車ではできるだけ多くの乗客が着席できるような構造になっているのに対して、グリーン車はゆったりとした空間を提供することが重視されている。

座席の横幅

座席の横幅もグリーン車と普通車では異なる。

東海道山陽新幹線のN700系を参考にすると、以下のような違いが見られる。

  • グリーン車:50cm
  • 普通車:40cm

グリーン車の方が+10cm横幅が広いことがわかる。

普通車でも3人掛けの真ん中座席(B席)の横幅が窓側・通路側よりも+3cm広い43cmではある。

それでもグリーン車の50cmには及ばない。普通車の方が窮屈なのがわかる。

テーブルの大きさ

テーブルの大きさもグリーン車と普通車ではやや違いがある。

東海道山陽新幹線のN700系を参考にすると、以下のような違いが見られる。

  • グリーン車:横幅=40cm、奥行=28cm
  • 普通車:横幅=40cm、奥行=20cm

横幅こそはどちらも同じサイズ。しかし、奥行の長さが両者で8cmの差がある。

グリーン車は奥行が28cmなのに対し、普通車は指定席・自由席ともに20cm。

飲食物をおくために使う分にはどちらも全く問題はない。駅弁を載せることを考えても両者とも十分な広さ。

一方でノートパソコンを載せて何か作業することを前提に考えると、普通車では狭いと感じることが出てくる。

コンセント

グリーン車のコンセント
N700系の座席別コンセントの有無
座席種類 窓側 通路側
普通車自由席 ×
普通車指定席 ×
グリーン車

スマートフォンやタブレット、ノートパソコンを充電できるコンセントは最近の新幹線の車両なら設置されている。

最新鋭の車両なら全席に設置されているものの、少し古いと付いていない座席がある。

N700系では、グリーン車と普通車での決定的な違いは通路側のコンセントの有無。

  • グリーン車:窓側・通路側どちらもコンセント有り
  • 普通車:窓側のみコンセント有り、通路側は無し

グリーン車はすべての座席にコンセントが1人1か所設置されている。窓側に加えて通路側の座席にもコンセントがある。

普通車の場合は窓側の座席にしかない。通路側の座席にはコンセントがない。3人掛けの真ん中(B席)も設置無し。

したがって、新幹線の車内にてスマホ等を充電できない人が出てくる。

ただし、N700Sという最新鋭車両は普通車でも指定席・自由席どちらも通路側にもコンセントが設置されている。

また、北陸新幹線・上越新幹線のE7系・W7系も同じ区通路側にもコンセントがある。

>>【路線別】新幹線のコンセントの有無! 車両ごとの早見表

フットレスト

フットレスト

足を載せられる「フットレスト」の有無もグリーン車と普通車で違う。

こちらは車両の種類を問わず全列車に共通する違い。

  • グリーン車:フットレスト有り
  • 普通車:フットレスト無し

普通車には一切フットレストが設置されていない。コンセントの事情とは違って、最新鋭でも搭載されていない。

完全にグリーン車ならではの特典と判断できる。

読書ライト

読書ライト

頭上に設置されている「読書ライト」と呼ばれる小さなスポットライトもグリーン車にしかない設備。

  • グリーン車:読書ライト有り
  • 普通車:読書ライト無し

同様に日本国内のどこの路線・車両においても共通。

もっとも最近では列車内で本を読む人は少なく、代わりにスマホを操作する人が増加。

そのため、読書ライトは役割が少ない。特に若年層では不要なものになりつつある。

子供の有無

  • グリーン車:子連れはほぼ皆無。
  • 普通車:子どもも結構多い。泣き声や騒ぎ声でトラブルも。

グリーン車と普通車の客層に違いに関して、特に異なるのは子供の有無ではないか。

グリーン車の場合、特急券は小学生以下であっても大人料金が適用される。

普通車では子供料金が適用されるため、大人料金の半額と安い。

一方のグリーン車は特別車料金という性質から年齢を問わず大人運賃に固定されている。

このような事情があるため、子連れの乗客はまずグリーン車には乗らない。

本当にお金持ちの家族連れが稀に子どもと一緒にグリーン車に乗車する程度。基本的には大人ばかりである。

当然ながら、客室内もかなり静かであり、泣き声や騒ぎ声は皆無。

普通車では指定席・自由席問わず行楽シーズンになると子連れが多く、泣き声やはしゃぐ音がうるさいと感じる人達が一定数存在。

時には乗客同士のトラブルの種にもなるが、このようなことがないのがグリーン車ならではのメリットともいえる。

共通点も

グリーン車・普通車のどちらにも存在する設備もある。

シートのリクライニング機能、車内販売の有無がこれに該当。

リクライニング

新幹線のリクライニング

リクライニングはグリーン車でも普通車でも存在する。

シートを後ろに倒すことで、より寝やすい体制になれるのがメリット。

座席の種類に関係なく、窓側でも通路側でも同じ角度に倒せる。

ただし、座席間の間隔は普通車の方が狭いこともあってか、後ろの人とのリクライニングを巡るトラブルは普通車の方が多いと感じる。

グリーン車は空間に余裕があることもあって、このような問題は発生しにくい。

車内販売

車内販売

車内販売自体は座席に関係なく回ってくる。

普通車に回って来ないのは自由席が満席で立ち客が多く発生している場合に限られる。

自由席でさえ乗り切れない場合は指定席でもデッキを中心に立ち客が乗ってくる。

この場合は車内販売の台車が通れないため、普通車指定席も巡回しないことがある。

とはいえこれは大型連休などの特別な時期のみ。通常期ならどの車両にも車内販売が行きわたる。

無料Wi-Fi

Wi-Fi

無料Wi-Fiもまた、グリーン車、普通車のどちらでも提供されているサービス。

グリーン車のみならず、指定席・自由席のいずれでも新幹線の車両そのものにて提供されていれば利用可能。

各新幹線の無料Wi-Fiの設置状況
路線 車両 Wi-Fiの有無 SSID
東海道新幹線 N700系 あり Shinkansen Free Wi-Fi
700系 なし
山陽新幹線 N700系 あり
700系 あり
500系 あり
九州新幹線 N700系 あり
800系 あり
東北新幹線

(山形・秋田含む)

E5系・H5系 あり JR-EAST FREE Wi-Fi
E6系 あり
E2系 なし
E3系(山形) あり
E3系(東北) なし
上越新幹線 E7系 あり
E2系 なし
北陸新幹線 E7系 あり JR-EAST FREE Wi-Fi
W7系 あり JR-WEST FREE Wi-Fi

東海道・山陽・九州新幹線の「Shinkansen_Free_Wi-Fi」というSSIDで提供。

東北・北海道・上越新幹線は「JR-EAST FREE Wi-Fi」。

北陸新幹線では「JR-EAST FREE Wi-Fi」もそくは「JR-WEST FREE Wi-Fi」という名称になっている。

近年は急速にWi-Fiが使える車両が拡大していて、旧来の車両でも設備が搭載されるところも出ている。

>>【早見表】全国の路線ごとの新幹線の無料Wi-Fiの有無!

Wi-Fiの設置状況は各路線および車両ごとにとって異なる。詳細は上記の記事にて解説。グリーン車、普通車ともに例外なく共通。

料金の違い

料金の違い

グリーン車は座席が豪華な設備がある分、普通車よりも料金は大幅に高い値段に設定されている。

グリーン車指定席料金と普通車指定席の料金を比較すると、路線ごとで次のような金額になる。

距離別料金は新幹線でも路線ごとによって違う。

>>【路線別】新幹線のグリーン車と指定席の料金の差額の一覧

東海道山陽新幹線

東海道山陽新幹線のぞみ号を例にすると以下の表になる。

東海道山陽新幹線のぞみ号|グリーン車と普通車指定席の差額
出発駅/到着駅 東京/品川 新横浜 名古屋 京都 新大阪 新神戸 岡山 広島
名古屋 3,660円 3,660円 2,270円 2,270円 3,660円 3,660円 4,870円
京都 4,870円 4,870円 2,270円 2,270円 2,270円 3,660円 3,660円
新大阪 4,870円 4,870円 2,270円 2,270円 2,270円 2,270円 3,660円
新神戸 4,870円 4,870円 3,660円 2,270円 2,270円 2,270円 3,660円
岡山 6,070円 6,070円 3,660円 3,660円 2,270円 2,270円 2,270円
広島 7,260円 7,260円 4,870円 3,660円 3,660円 3,660円 2,270円
小倉 7,260円 7,260円 6,070円 4,870円 4,870円 4,870円 3,660円 3,660円
博多 7,260円 7,260円 7,260円 4,870円 4,870円 4,870円 3,660円 3,660円

普通車指定席とグリーン車の差額は以下の料金から530円差し引いた金額が基本。

東海道山陽新幹線のグリーン料金の距離別運賃表

  • 100kmまで:1,300円
  • 200kmまで:2,800円
  • 400kmまで:4,190円
  • 600kmまで:5,400円
  • 800kmまで:6,600円
  • 801km以上:7,790円

グリーン車は普通車利用の場合の1.5~2倍ほどの割高な金額になる。

東北・上越・北陸新幹線

東北・上越・北陸新幹線の場合は以下の通り。

東北・上越・北陸新幹線のグリーン料金の距離別運賃表

  • 100kmまで:1,050円
  • 200kmまで:2,100円
  • 300kmまで:3,150円
  • 400kmまで:3,150円
  • 700kmまで:4,190円
  • 701km以上:5,240円

※北陸新幹線はJR東日本とJR西日本の相互利用では加算料金が適用。

東北新幹線やまびこ号を例にすると、差額は次のようになる。

東北新幹線やまびこ号|グリーン車と普通車指定席の差額
出発駅/到着駅 東京 上野 大宮 仙台 盛岡 新青森
宇都宮 1,570円 1,570円 1,570円 2,620円 3,660円 3,660円
郡山 2,620円 2,620円 2,620円 1,570円 2,620円 3,660円
福島 2,620円 2,620円 2,620円 1,570円 2,620円 3,660円
仙台 3,660円 3,660円 3,660円 1,570円 3,660円
盛岡 3,660円 3,660円 3,660円 1,570円 1,570円
新青森 4,710円 4,710円 4,710円 3,660円 1,570円
新函館北斗 7,510円 7,510円 6,460円 6,460円 4,370円 2,270円

普通車指定席とグリーン車の差額は以下の料金から530円差し引いた金額が基本。

同じようにグリーン車は普通車利用の場合の1.5~2倍ほどの割高な金額になる。

各路線ごとの普通車自由席・普通車指定席・グリーン車の運賃表は上記にて取り上げる。

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Wi-Fi 東海道・山陽新幹線九州新幹線東北新幹線上越新幹線北陸新幹線
最高速度 東海道新幹線山陽新幹線東北新幹線上越新幹線北陸新幹線九州新幹線山形新幹線北海道新幹線
列車種別の違い 東海道新幹線山陽新幹線九州新幹線東北新幹線上越新幹線北陸新幹線
運賃 東海道新幹線山陽新幹線九州新幹線東北新幹線山形新幹線秋田新幹線上越新幹線北陸新幹線