総合車両製作所の平均年収は約600万円と推定。JR東日本傘下の鉄道車両メーカーで、E235系などの首都圏の在来線車両を中心に手掛ける。
基本給、ボーナス支給額ともに上場企業としては平均。機械メーカーでは平均的な金額。
社員個人の給料水準は事務系・技術の違いはないが、総合職・技能職で大きく異なる。期間工などの契約社員は給料体系そのものが別。
推定平均年収は600万円前後と算出
年度 | 平均年収詳細金額 |
---|---|
2018年 | 6,185,000円 |
2017年 | 6,161,000円 |
2016年 | 5,998,000円 |
2015年 | 6,259,000円 |
2014年 | 6,370,000円 |
2013年 | 6,248,000円 |
総合車両製作所はJR東日本の完全子会社で非上場。ゆえに有価証券報告書は公表されていない。年間平均給与も公式のものは非公開となっている。
推定では年収は全従業員で換算すると600万円前後になる。鉄道車両メーカー、あるいは鉄道関連企業としては平均的な水準。
上記の年収には基本給・賞与・各種手当(時間外手当・家族手当など)などすべてが含まれている。
夏と冬の年2回のボーナスは年間で約5か月分。この点でも機械メーカーでは標準的。
基本的にJR東日本の業績によって変動する。鉄道車両の受注がそれによって変動するため。
年収偏差値
職種 | 年収偏差値 | 概要 |
---|---|---|
事務系 | 60 | 上場企業の総合職では平均 |
技術系 | 60 | |
技能職 | 55 | 上場企業の製造現場では平均 |
総合車両製作所の平均年収を偏差値にすると、総合職は65、技能職は55。
高学歴を採用の対象とする総合職は事務系・技術系いずれも社内で給料水準が最も高いため、上場企業の中でも若干高めの金額。偏差値60がこれに当たる。
高卒採用が中心の技能職は逆に基本給がやや低めということもあるが、上場企業の総合職の平均的な給料水準で、年収偏差値55にはなる。
非常に有名で人気度の高い企業としてはやや低いのは否定できない。
他社と比較して
総合車両製作所は機械関係の製造業だが、メーカーの中でも特に平均年収は標準的な金額。
製造業全体の上場企業の平均年収は約600万円。したがって、平均と同じくらい。
鉄道車両メーカーでは、ライバル会社には日立製作所、川崎重工業、大手鉄道事業者傘下では日本車両製造、近畿車輛などがあるが、総合車両製作所はその中でも低め。
業績に関しても、親会社のJR東日本の車両新造の状況によって左右される。基本給こそは業績に左右されずに固定されているものの、賞与は大きく変動する。
なお、鉄道運行会社と比較すると総合車両製作所は年収が600万円ということで、大手私鉄と比べると平均水準。
ただ、総合職だけで比較するとJR・大手私鉄・公営地下鉄の方が高めのため、相対的に劣る。
ボーナス
総合車両製作所ではボーナスの正式な基準は非公開となっているが、社員平均で年間で基本給の4~5ヶ月分前後が相場。
最低限4か月分は支給される傾向。余程のことがない限りは4か月分を下回ることはない。
その一方、製造業でも一般的には基本給の5か月分前後が支給。総合車両製作所はこの点では平均的な基準よりも低め。
また、親会社のJR東日本と比べると低いのは確か。(JR東日本の平均年収は例年700万円超で推移)
総合職
年齢 | 年収 | 月収(基本給) | 賞与 |
---|---|---|---|
20-24歳 | 400-450万円 | 25-30万円 | 75-95万円 |
25-29歳 | 450-700万円 | 30-40万円 | 100-120万円 |
30-34歳 | 600-800万円 | 40-55万円 | 150-200万円 |
35-39歳 | 700-900万円 | 45-55万円 | 150-200万円 |
40-44歳 | 700-1,000万円 | 45-60万円 | 200-250万円 |
45-49歳 | 800-1,200万円 | 55-80万円 | 200-300万円 |
50-54歳 | 800-1,200万円 | 55-80万円 | 200-300万円 |
55-59歳 | 800-1,200万円 | 50-70万円 | 150-200万円 |
総合職の全部門の年齢ごとの推定年収。全体の平均年間給与は600~700万円になる。
大卒・院卒向けの総合職は総合車両製作所の中でも最も給料体系が高い職種。管理職となれば1,000万円以上に達する。
コースは大きく分けて文系が主流の事務系と理系限定の技術系があるが、給料体系はいずれも同じ。
深夜勤務や休日出勤の有無、残業時間によっても異なるものの、平均年収が高いのは確定。
事務系
事務系総合職では主に以下の仕事内容が挙げられる。
- 国内・海外営業
- 知的財産管理
- 生産管理
- 情報システム
- 調達・購買
- コーポレート部門 (総務、人事、法務、財務、経営企画)
いずれも年収に関しては、仕事内容ごとの違いはほとんどない。
20代のうちは年収が400~700万円、30代は600~900万円、40代は700~1,200万円、50代は800~1,200万円が相場。
企業規模が巨大で収益も高いため、平均年収も同年代の中では大幅に高い水準に達する。
実際のところは各個人の役職やスキル、勤続年数によって違いが見られるものの、大部分の社員なら上記の範囲に入るだろう。
技術系
技術系総合職では主に以下の仕事内容が挙げられる。
- 鉄道車両の車体・内装・システムなどの設計
- 機械設備の導入や製造ラインの新規構築を担う生産技術
- 生産管理
- 基礎研究
- 商品開発
- 試験
- 品質管理
- 品質保証
- 検査
技術職においても年収は仕事内容ごとの違いはほとんどない。
年齢別年収は同じく、20代で400~700万円、30代で700~900万円、40代で800~1,200万円、50代で800~1,200万円。
専門分野が職種ごとの異なるとはいえ、給料体系の優劣はない。
技能職
年齢 | 年収 | 月収(基本給) | 賞与 |
---|---|---|---|
20-24歳 | 300-400万円 | 20-22万円 | 75-95万円 |
25-29歳 | 400-500万円 | 20-25万円 | 800-120万円 |
30-34歳 | 500-650万円 | 25-30万円 | 100-150万円 |
35-39歳 | 550-700万円 | 25-35万円 | 120-170万円 |
40-44歳 | 600-750万円 | 30-40万円 | 150-200万円 |
45-49歳 | 700-800万円 | 40-60万円 | 150-200万円 |
50-54歳 | 700-900万円 | 50-60万円 | 150-200万円 |
55-59歳 | 750-850万円 | 45-55万円 | 120-200万円 |
技能職は製造現場に関する採用。年齢別年収の目安は上記の通り。全体では500~600万円と推定。
総合職と比べて学歴が低い人材を対象とする。高卒の採用が中心だが、新卒採用では総合職とは違って非公開。
総合職よりも低い給料体系だが、世の中全体としては決して低い給料水準ではなく、大手企業としても比較的高い金額。世間一般の総合職の平均的な水準にのぼる。
20代で400万円台前半、30代で500~750万円、40代で700~800万円台、50代で800~900万円が目安。
最終学歴ごとの年収の差
総合車両製作所の初任給に関しては以下のように公表されている。
総合車両製作所の初任給
- 大学院了 228,100円
- 大学卒 209,100円
- 短大卒(技術系) 186,100円
- 短大卒(事務系) 174,100円
- 高専(本科) 186,100円
- 高専(専攻科) 209,100円
出典:マイナビ2021
他社と同じように全体的には年収水準は「院卒>大卒(学部卒)>高専卒」の構造。
ただし、年齢が上がれば上がるほど役職や評価での給料の差が出てくる。
大卒・院卒でも定年まで平社員の人と、高専卒だが管理職に昇進した人では、後者の方が最終的な年収は高くなる。
分類 | 会社名 |
---|---|
JR | JR東日本、JR東海、JR西日本、JR九州、JR四国、JR北海道、JR貨物 |
大手私鉄 | 京浜急行電鉄、東急電鉄、相模鉄道、小田急電鉄、京王電鉄、西武鉄道、東武鉄道、京成電鉄、 阪急電鉄、阪神電気鉄道、京阪電気鉄道、近畿日本鉄道(近鉄)、南海電鉄、 名古屋鉄道、西日本鉄道 |
中小私鉄 | 首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス)、東京モノレール、新京成電鉄、北大阪急行電鉄、神戸電鉄、広島電鉄 |
地下鉄 | 東京メトロ、東京都交通局、横浜市交通局、名古屋市交通局、京都市交通局、大阪メトロ(Osaka Metro)、神戸市交通局 |
第三セクター鉄道 | <第三セクター鉄道全体> |
関連会社(車両、信号) | 日本信号、京三製作所、大同信号、日本車輌製造、近畿車輛、総合車両製作所、東洋電機製造 |
関連会社(建設) | 東鉄工業、鉄建建設、第一建設工業、日本リーテック、名工建設、日本電設工業、新生テクノス |
その他関連 | 鉄道情報システム、独立行政法人鉄道・運輸機構(JRTT) |
職種別 | 駅員、新幹線の運転士・車掌、電車(在来線)の運転士・車掌 |
ボーナス | <一覧表>鉄道会社のボーナスの支給額の実績 |
(業界全体) | <早見表>鉄道会社の平均年収を各社ごとに一覧化 |