南海電鉄の平均年収は約600万円! 職種・年齢ごとでも算出

南海電鉄

南海電鉄の平均年収は約600万円(2018年実績の場合は610万円)。鉄道会社としては大手私鉄ではやや低い金額。

近畿地方の私鉄の中では標準的。陸運業全体では平均的なランク。基本給は低いが、ボーナス支給額がやや高め。

総合職と現業職は異なる傾向。事務系と技術系という区分の違いはなく、現業職は運輸系・技術系の違いはそれほどないと考えてよい。


公式の平均年収は600万円

南海電鉄の有価証券報告書による平均年収
年度 平均年収
2018年 6,101,975円
2017年 6,019,243円
2016年 5,933,467円
2015年 5,812,705円
2014年 5,701,886円
2013年 5,591,806円

南海電鉄の正社員・臨時従業員の平均年収は有価証券報告書にて公表されていて、2018年度では約619万円という金額が出ている。

過去6年間では概ね上昇傾向。最近では550~610万円前後で推移。

これには基本給・賞与・各種手当(時間外手当・総合職手当など)などすべてが含まれている。

ボーナスは2019年実績では5ヶ月分。

転職評判サイトでは「基本給が低い」「残業があるから年収が高い」といった内容が見られる。

大手の同業他社に比べて、年収で低いように感じており、仕事量から考えると満足はできないように思います。

出典:カイシャの評判『南海電気鉄道株式会社の年収・給与(給料)・ボーナス(賞与)』より

残業代はしっかりともらえるので、忙しい部署だと年収が高くなっていた。新入社員で入社したが、昇進ごとに4万円くらい月収が上がる。ボーナスも年4か月以上しっかりともらえたので、給与に関しては全く不満はなかった。ただ、同業他社の中では関西私鉄では低い。生活はできるレベルの給与ではあるものの、同業他社と比べると悲しくなるほど差がある。ただ、扶養手当て等は微々たる金額で、専業主婦の奥さんがいても数千円しかもらえない。住宅手当てもほぼないに等しい。

出典:同上

なお、この年収は総合職・現業職のいずれも含んだ総合値である。新卒採用・中途採用の区分もなく、大卒・高卒の違いもまったく加味していない。

ただし、現業職の社員数が圧倒的多数派のため、南海電気鉄道の口コミサイトの投稿の多数は現業職に当たる内容。

総合職

年齢 年収 月収(基本給) 賞与
20-24歳 300-400万円 25-30万円 50-85万円
25-29歳 350-500万円 25-40万円 80-120万円
30-34歳 500-700万円 40-50万円 100-200万円
35-39歳 600-900万円 45-55万円 150-200万円
40-44歳 700-1,000万円 45-60万円 200-250万円
45-49歳 800-1,200万円 50-70万円 200-300万円
50-54歳 850-1,200万円 50-70万円 200-300万円
55-59歳 800-1,000万円 45-65万円 150-200万円

上記は総合職全般の年齢ごとの推定年収の目安である。

総合職は特に新卒採用の時点から働いている人であり、さらに高学歴ばかりの括り。

勤続年数はかなり長くなりやすく、昇進のスピードも速いことから、年収も高い水準で推移。

事務系総合職

事務系総合職

事務系総合職では主に以下の仕事内容が挙げられる。

  • 鉄道
  • 不動産
  • エンタテインメント
  • 情報・通信

募集要項では「鉄道事業、不動産事業、流通事業、レジャー・サービス事業などの中で、企画、営業、経理、総務、人事、情報システムなどの業務」と記載。

20代のうちは年収が400~500万円台で、他の大手企業と同じ。しかし、それ以降は上昇幅が大きくなる。

30代で早くも年収500~600万円以上になってくる人が主流派になり、最高だと900万円ほどになる。

40代からは年収1,000万円以上という社員も少なくないレベルになる。

50代になるとやや下がる人も出てくるが、それでも総合職かつ管理職だと年収1,000万円以上が平均値になると推定。

技術系総合職

技術系総合職

技術系総合職では主に以下の仕事内容が挙げられる。

  • 電気
  • 車両
  • 建築
  • 土木

募集要項では「鉄道事業、不動産事業、流通事業などの中で、各種企画・計画や、土木・建築・電気・機械などの専門知識・技術を活かした業務」と記載。

技術職においても年収は仕事内容ごとの違いはほとんどない。

現業職

年齢 年収 月収(基本給) 賞与
20-24歳 300-350万円 20-25万円 20-40万円
25-29歳 350-400万円 25-30万円 20-70万円
30-34歳 400-550万円 30-35万円 70-90万円
35-39歳 450-700万円 35-40万円 80-120万円
40-44歳 550-800万円 35-40万円 80-120万円
45-49歳 600-850万円 40-45万円 90-150万円
50-54歳 600-900万円 40-55万円 90-150万円
55-59歳 600-850万円 40-55万円 70-120万円

現業職が言わゆる「現場」での勤務。

駅係員・運転士・車掌などから、保線、車両管理などがこれに該当。

総合職との違いは対象とする学歴の他に、転居を伴い転勤が原則ないこと、現場系の仕事内容が多い点が挙げられる。

一方で昇進のスピードは比較すると遅い。同じ正社員でも平均年収は現業部門は低い。

しかも、現業職は入社時の募集は「契約社員」。正社員登用があるものの、初期段階は非正規雇用な点もあって年収は低め。

運転、駅務

南海電鉄の車掌・運転士

現業職の中でも駅係員・車掌・運転士とは以下が仕事内容。

  • 運転士
  • 車掌
  • 駅務業務

入社直後は駅係員としてスタート。その後、車掌や運転士となる。

20代で300~400万円台、30代で600~700万円、40代で700万円台、50代で700~800万円になる人もかなり多い。

一方で現場第一線が職場ということもあって体力・精神的にきついのも確か。深夜勤務や早朝勤務などが多い仕事内容のため、年収は社会的に見ると高い。

技術職

技術部門の現業職

現業職の技術分野の仕事内容は以下の通り。

  • 車両技術員
  • 電気技術員
  • 土木・建築技術員

保線などの土木工事、車両のメンテナンスなどが一般的にイメージが付きやすいが、これに該当するのは技術職。

特に線路、土木関係は列車の運転がない深夜の勤務が多い分野のため、深夜手当などで年収が上がりやすい。

20代で400万円前後、30代で600~700万円、40代・50代で700~800万円台と推定。

駅係員・運転士・車掌と同じく深夜勤務や早朝勤務などが多い仕事内容のため、年収は世間的には高い方に入る。

<参考資料:『鉄道統計年報』(国土交通省)>


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大卒、院卒、高卒、短大卒ごとの年収の差

大卒と高卒

南海電鉄では総合職では大卒・院卒、現業部門はそれに加えて高卒、短大卒、専門学校卒も採用。

初任給は最終学歴によって差が見られる。

南海電気鉄道の初任給

総合職
修士了:230,000円(2019年度)
大 卒:213,500円(2019年度)

現業職

時給980円、賞与年間20万円

(契約社員、その後正社員登用制度あり)

基本的に「総合職>現業職」という構造は同じ。

他の鉄道会社とのこの点では同じ。

鉄道業界の平均年収
分類 会社名
JR JR東日本JR東海JR西日本JR九州JR四国JR北海道JR貨物
大手私鉄 京浜急行電鉄東急電鉄相模鉄道小田急電鉄京王電鉄西武鉄道東武鉄道京成電鉄阪急電鉄阪神電気鉄道京阪電気鉄道近畿日本鉄道(近鉄)南海電鉄名古屋鉄道西日本鉄道
中小私鉄 首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス)東京モノレール新京成電鉄北大阪急行電鉄神戸電鉄広島電鉄
地下鉄 東京メトロ東京都交通局横浜市交通局名古屋市交通局京都市交通局大阪メトロ(Osaka Metro)神戸市交通局
第三セクター鉄道 第三セクター鉄道全体
関連会社(車両、信号) 日本信号京三製作所大同信号日本車輌製造近畿車輛総合車両製作所東洋電機製造
関連会社(建設) 東鉄工業鉄建建設第一建設工業日本リーテック名工建設日本電設工業新生テクノス
その他関連 鉄道情報システム独立行政法人鉄道・運輸機構(JRTT)
職種別 駅員新幹線の運転士・車掌電車(在来線)の運転士・車掌
ボーナス <一覧表>鉄道会社のボーナスの支給額の実績
(業界全体) <早見表>鉄道会社の平均年収を各社ごとに一覧化
上記では鉄道運行事業者の平均年収について解説。職種や年齢ごとの目安も。