阪急電鉄の平均年収は約780万円！ 職種・年齢ごとでも算出

阪急電鉄の平均年収は約780万円（2018年実績の場合）。鉄道会社としては高い方に分類され、決して低い金額ではない。

近畿地方の私鉄の中でも高い金額、陸運業全体としても上位クラスに入る。基本給はともかく、ボーナス支給額が高め。

実際のところは職種によって異なり、総合職と現業職は異なる傾向。事務系・技術系の違いはそれほどないと考えてよい。

公式の平均年収は780万円

阪急電鉄の正社員・臨時従業員の平均年収は有価証券報告書にて公表されていて、2018年度では約780万円という金額が出ている。

過去6年間では概ね上昇傾向。最近では770～780万円前後で推移。

これには基本給・賞与・各種手当（時間外手当・総合職手当など）などすべてが含まれている。

転職評判サイトでは「基本給が低い」「残業があるから年収が高い」「ボーナスが4.8か月分で満足」といった内容が見られる。

入社して５年目でなんとか基本給１９万になりました！という先輩が多々います。残業をしなかったら手取りで１３万円に行かないときがあります。本社や監督職、ベテランの方々が多い給料を貰ってるので平均年収が高くなっていますが30歳までの平均年収はだいたい４７０万程です。ボーナスは４.８２ヶ月なのでそこそこですが基本給が低いので実感はありません。また定期昇給というのは無く春闘であるか無いか決まります。あっても３０００円です。

出典：カイシャの評判『阪急電鉄株式会社の年収・給与（給料）・ボーナス（賞与）』より

平均年収ランキング等で上位に上がる事が多いこの会社。
元々阪急電鉄で採用された人は高給取り、４０代以下の従業員は基本給大幅カット世代。基本給は半分。手当てなども差別化。
入社10数年。毎月残業６０時間、諸手当等含めて手取りようやく２５万円。年収も毎月残業６０時間で６００万円。残業しなければ生活できません。なので、ランキングは当てにしてはいけない。

出典：同上

年4回のボーナスがある。賞与の基準は各社員によって異なるが、合計4.8か月分が1つの目安。（2019年の場合）

それを加味すると、年収水準は高くなる。

なお、この年収は総合職・現業職のいずれも含んだ総合値である。新卒採用・中途採用の区分もなく、大卒・高卒の違いもまったく加味していない。

総合職

上記は総合職全般の年齢ごとの推定年収の目安である。主に阪急阪神ホールディングスに属する社員が中心。

総合職は特に新卒採用の時点から働いている人であり、さらに高学歴ばかりの括り。

勤続年数はかなり長くなりやすく、昇進のスピードも速いことから、年収も高い水準で推移。

阪急電鉄の総合職は、実際にはその子会社で働くことが多いものの、給料水準は「阪神ホールディングス」に準ずるため高い傾向な点には変わりない。

事務系総合職

事務系総合職では主に以下の仕事内容が挙げられる。

• 鉄道
• 不動産
• エンタテインメント
• 情報・通信

…既存事業、新規事業における企画、営業、運営、管理、法務、人事、経理、広報

いずれも年収に関しては、仕事内容ごとの違いはほとんどない。

ただし、現業部門との最大の違いは転勤が多く、子会社への出向もある点。全国各地への転勤もある。

20代のうちは年収が400～500万円台で、他の大手企業と同じ。しかし、それ以降は上昇幅が大きくなる。

30代で早くも年収500～600万円以上になってくる人が主流派になり、最高だと900万円ほどになる。

40代からは年収1,000万円以上という社員も少なくないレベルになる。

50代になるとやや下がる人も出てくるが、それでも総合職かつ管理職だと年収1,000万円以上が平均値になると推定。

実際のところは各個人の役職やスキル、勤続年数によって違いが見られるものの、これらが1つの目安になる。

技術系総合職

技術系総合職では主に以下の仕事内容が挙げられる。

• 電気
• 車両
• 建築
• 土木

募集要項では「都市交通事業、不動産事業における電気・機械・土木・建築等の関連職種」と記載。

技術職においても年収は仕事内容ごとの違いはほとんどない。

現業職との違いは転居が必要となる転勤が存在する点である。異動の多さで異なる傾向がある。

事務系と同じく平均年収は同年代の中では高い水準に達する。

各個人の役職やスキル、勤続年数によって違いが見られるものの、上記の表が1つの目安になる。

現業職

現業職が言わゆる「現場」での勤務。

駅係員・運転士・車掌などから、保線、車両管理などがこれに該当。

総合職との違いは対象とする学歴の他に、転居を伴い転勤が原則ないこと、現場系の仕事内容が多い点が挙げられる。

一方で昇進のスピードは比較すると遅い。そのため、同じ正社員という形でも平均年収は現業部門は低い。

阪急電鉄の社員による口コミにて、「給料水準が低い」といった内容の大半はこの現業職。

それでも、世の中全体としては決して低い給料水準ではなく、大手企業としても「並み」かそれ以上なのは確か。

運転、駅務

現業職の中でも駅係員・車掌・運転士とは以下が仕事内容。

• 運転士
• 車掌
• 駅務業務

入社直後は駅係員としてスタート。その後、車掌や運転士とステップアップしていく。

深夜勤務や早朝勤務などが多い仕事内容ということもあって、年収は社会的に見ると高い。

20代で300～400万円台、30代で600～700万円、40代で700万円台、50代で700～800万円になる人もかなり多い。

一方で現場第一線が職場ということもあって体力・精神的にきついのも確か。

定期昇給は毎年の春闘で決まるため無い年もあります。また運転士になるまでは電鉄社員でないため給料は低いです。運転士になってもリスクが上がるだけで基本給は変わらず手当のみ変動(乗務した時間)

出典：カイシャの評判『阪急電鉄株式会社の年収・給与（給料）・ボーナス（賞与）』より

こんな感想もある。運転士・車掌では給料水準が高い一方で、駅係員では年収は低い。

技術職

現業職の技術分野の仕事内容は以下の通り。

• 車両技術員
• 電気技術員
• 土木・建築技術員

技術部門の現業職とは、他の鉄道会社で言う技術現業職のことを指す。

保線などの土木工事、車両のメンテナンスなどが一般的にイメージが付きやすいが、これに該当するのは技術職。

現業部門はその中でも特に現場に近いところで仕事が中心。

特に線路、土木関係は列車の運転がない深夜の勤務が多い分野のため、深夜手当などで年収が上がりやすい。

深夜勤務や早朝勤務などが多い仕事内容ということもあって、年収は世間的には高い方に入る。

20代で400万円前後、30代で600～700万円、40代・50代で700～800万円台と推定。

＜参考資料：『鉄道統計年報』（国土交通省）＞

大卒、院卒、高卒、短大卒ごとの年収の差

阪急電鉄では総合職では大卒・院卒、現業部門はそれに加えて高卒、短大卒、専門学校卒も採用。

初任給は最終学歴によって差が見られる。

ただし、入社後5年くらいを超えると勤続年数や役職、これまでの昇給幅によって年収が違ってくる。

最終学歴よりもこれらの要素によって給料水準が高い人と低い人が出る。

なお、「総合職＞現業職」という構造は同じ。

参考：阪急阪神ホールディングスの平均年収

阪急電鉄の親会社「阪急阪神ホールディングス」の平均年収は上記。鉄道部門よりも高い傾向。