新幹線はどこの路線でもWi-Fiが遅い。回線速度は1Mbps以下が主流であり、実測値は200~500Kbpsが平均として推移している。
なぜこのようにネット環境が悪いのか。それには大きな原因がある。通信速度は車両全体でのWi-Fiが2Mbpsに抑えされていて、しかも乗車人員が多いため同時接続数がかなりの数になるのが理由。
YouTubeなどの動画を視聴するのはほぼ不可能なレベル。ウェブサイトの閲覧でも画像データの表示はかなり遅い。
新幹線の車内Wi-Fiが遅い原因はこれ
原因 | 詳細 |
同時接続数が多いから | 乗車人員が多く、数百人がWi-Fiを利用するため。需要が供給を上回っている。 |
高速走行するから | 時速200キロメートル以上のスピードで走るため、地上との膨大なデータ通信が難しい。 |
電波の干渉がしやすいから | 車内という狭い空間に電子機器がいくつもあるため、Wi-Fiの電波と干渉しやすい状態に。 |
新幹線の車内Wi-Fiの通信速度が遅い原因として、上の3つが挙げられる。いずれも地上の静止空間ではマイナーな独自の理由といえる。
車両ごとのWi-Fiの違いは特はそれほどない。
SSIDによる違いもない。
<SSIDごとの回線速度>
- Shinkansen_Free_Wi-Fi:200Kbps~2Mbps
- JR-EAST FREE Wi-Fi:1~2Mbps
- JR-WEST FREE Wi-Fi:1~2Mbps
どんなに回線速度が出たとしても、新幹線の無料Wi-Fiは2Mbps程度が限界のようだ。
参照:【早見表】全国の路線ごとの新幹線の無料Wi-Fiの有無!
一度に数百人がWi-Fiを使用
新幹線には数百~数千人の乗客が乗っている。乗車中は特にすることがないため、誰もがスマートフォンやタブレットを操作する。
ビジネス客であるとさらにノートパソコンを使って仕事をすることもある。
一度に最低でも数百人がWi-Fiを利用する。それにより、同時接続数が多くなる。親機であるルーター側でいくつもの子機と通信しなければならない。
ゆえに、1つのスマートフォンやタブレット、パソコンとの通信量は少なく抑えるしかない。限られた容量を分け合うしかないため、1台の危機の通信速度が低くなるというわけである。
高速走行による制約
高速走行による制約も否定できない。新幹線は最高速度が200~300km/h台に設定されているが、地上とのデータ通信の環境は厳しくなる。
動いている物体と大容量の通信を確保するには莫大なコストがかかる。導入に至っても、費用のことを考えると最低限に抑えるしかない。
地上でWi-Fiの設備を設置するのとは事情が大きくことなることがわかる。そして、これが新幹線のWi-Fiが数百Kbpsと通信速度が遅い原因となっている。
例えば、東海道新幹線では車両全体で通信速度が約2Mbpsで推移するに設定されている。これを数百人で分配すると1人当たりは完全にKbps単位になる。
高速走行による制約がある新幹線では、1編成ですら1Gbpsどころか100Mbpsといったように大容量通信ができない。
電波の干渉
新幹線の車内では多くの乗客がスマートフォンを持っている。タブレットやノートパソコンを持っている人は少ないものの、スマホはほぼ全員だろう。
新幹線に乗車中でもSIMカードによるデータ通信は行われるため、それによる電波の干渉があるとも考えられる。
4Gや3G回線はWi-Fiの電波とは性質が異なるため、直ちに干渉することはないが、複数の人が狭い空間で電波を飛ばしていることにより、その干渉が多かれ少なかれ存在する可能性が否定できない。
そして、これもネット環境を実現するWi-Fiが遅くなる原因となっている。接続が不安定になる理由にもなり得る。
どこの路線もほぼ同じ
新幹線といっても、日本には複数の路線と車両がある。Wi-Fiサービスの有無も各路線によって異なる。
Wi-Fiが積極的に導入されている路線は需要が大きいところに限られている。車両は最新鋭のものが主流で、まだスマホが普及していない2010年以前に導入された車両だとない。
とはいえ、車内Wi-Fiの通信速度に関する事情はどこも同じである。目安として200~500Kbpsという数値が平均であって、Mbps単位での通信すら難しい。
高速列車ならではの制約があるため、高速データ通信ができる無線LANが存在する新幹線は今のところ存在しない。
Wi-Fiがある新幹線とは?
路線 | 車両 | SSID | 概要 |
東海道新幹線 | N700系 | Shinkansen_Free_Wi-Fi | 700系は無し |
山陽新幹線 | N700系・700系・500系 | Shinkansen_Free_Wi-Fi | 順次設置 |
九州新幹線 | N700系 | Shinkansen_Free_Wi-Fi | 順次設置 |
東北新幹線 | E5系・E6系 | JR-EAST FREE Wi-Fi | 一部車両のみ |
上越新幹線 | E7系 | JR-EAST FREE Wi-Fi | 一部車両のみ |
北陸新幹線 | E7系・W7系 | JR-EAST FREE Wi-Fi
JR-WEST FREE Wi-Fi |
E7系・W7系でSSIDが異なる |
参照:【早見表】全国の路線ごとの新幹線の無料Wi-Fiの有無!
Wi-Fiが完全に整備されている路線はなく、今のところはまだ一部の車両にのみ設置されている。
北海道新幹線、九州新幹線ではWi-Fiが未導入である。したがって、これらの路線を使うのであれば、SIMカードによるデータ通信でインターネットに繋ぐしかない。
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コンセント | 東海道・山陽新幹線、九州新幹線、東北新幹線、山形新幹線、上越新幹線 |
Wi-Fi | 東海道・山陽新幹線、九州新幹線、東北新幹線、上越新幹線、北陸新幹線 |
最高速度 | 東海道新幹線、山陽新幹線、東北新幹線、上越新幹線、北陸新幹線、九州新幹線、山形新幹線、北海道新幹線 |
列車種別の違い | 東海道新幹線、山陽新幹線、九州新幹線、東北新幹線、上越新幹線、北陸新幹線 |
運賃 | 東海道新幹線、山陽新幹線、九州新幹線、東北新幹線、山形新幹線、秋田新幹線、上越新幹線、北陸新幹線 |