キヤノンの平均年収は750万円、賞与は5.5ヶ月分が相場

キヤノンの平均年収は約750万円。ここ最近では、2019年度は760万円、2018年度は779万円、2017年度は782万円だった。

ボーナスは業績連動型と個人評価で決定するため、各社員によって差がやや大きいものの、年間で平均5.5ヶ月が支給（2019年度）。

総合電機メーカー、あるいは製造業全体では比較的高い方に分類されるが、最上位クラスではない。

公式の平均年収は760万円

キヤノンの従業員の平均年収は有価証券報告書にて公表されていて、2019年度では760万円という金額が出ている。

過去7年間ではどの年度も概ね700万円台で推移するが、2013年度は750万円を下回っているが、それ以外は750～800万円の範囲に入る。

これには基本給・賞与・各種手当（時間外手当、通勤手当、家族手当）などすべてが含まれている。

上記の推移から、キヤノンの平均年収は横ばい状態で続いていることがわかる。下がってはいないが、上がってもいない。

ボーナス

2019年度のキヤノンの賞与は年間5.5ヶ月分（各社員で上下変動あり）

2019年度のキヤノンのボーナスは年間で平均5.5ヶ月分が支給された。

製造業大手では並み。高くもなく、低くもない範囲。この年は、他の総合電機メーカーでは、日立製作所やソニー、日本電気（NEC）では6ヶ月分を超えていた。

ただし、キヤノンは、賞与は業績連動型と個人評価の並立制。労使協定で「〇ヶ月」と固定されているわけではなく、業績の良さと仕事の出来具合が支給額を左右させる。

参考までに、所謂メーカーと呼ばれる大手企業の年間賞与実績は以下の通り。

• トヨタ自動車：6.7ヶ月
• 日産自動車：5.7ヶ月
• 本田技研工業：6.3ヶ月
• 日立製作所：6.3ヶ月
• ソニー：6.9ヶ月
• パナソニック：5.0ヶ月
• 三菱電機：5.89ヶ月
• 富士通：5.5ヶ月

自動車業界のトヨタ自動車、本田技研工業なども6ヶ月分を超えている。

ただし、実際にボーナスが高いのは上記のような超大手企業が主流なのも確か。

世間には4ヶ月分またはそれ未満という会社もたくさんあるのは確か。業界大手でも、5ヶ月分に満たないところも数多くある。

他社と比較して

キヤノンは上場企業全体と比較すると、平均年収はやや高い。

上場企業全体の平均値は約600万円。したがって、キヤノンはこれより＋150万円ほど高い。

ただし、総合電機メーカーの上位勢と比較するとやや劣る。

さらに、景気動向に左右される業界のため、不景気になると一気に業績は悪化。業績連動型のボーナス等が大幅に引き下げられ、平均年収も下がる。

総合電機メーカーでは普通

キヤノンが属する総合電機メーカーの中での順位は比較的上位なのは確か。

主な企業の平均年収（2018年度）をまとめると、以下の通り。

• 日立製作所：8,943,244円
• ソニー：10,509,690円
• パナソニック：7,744,759円
• 三菱電機：8,169,232円
• 富士通：7,985,114円
• キヤノン：7,787,060円
• 東芝：9,150,895円
• 日本電気（NEC）：7,989,274円
• シャープ：7,592,000円
• キーエンス：21,106,666円

キヤノンは大手5社の中で比較すると決して高くはないのがわかる。他の会社を見ると、800万円を超えているところも複数社ある。

日立製作所の894万円、ソニーの1,051万円、三菱電機の817万円、東芝の799万円のように、平均給料でキヤノンを上回るところは結構ある。

同水準なのは、パナソニック、シャープなど。いずれも業界最大手ではない。

年齢ごとの年収の目安（総合職）

大卒・院卒の平均年収は事務系・技術系どちらも750万円前後になると推定。有価証券報告書に記載の金額と平均値は概ね一致。

上記は大卒・院卒向けの総合職の年齢ごとの推定年収の目安。

キヤノンでは「総合職」という名称は使用していない。便宜上、今回は大卒・院卒を一律総合職として取り扱う。

管理職となれば1,000万円以上に達する一方、係長級以下の組合員だと年収は最高で800万円前後が上限だろう。

事務系と理系限定の技術系があるが、給料体系はいずれも同じ。また、最終学歴によって基本給が異なるため、学歴でも年収の差が出てくる。

年齢別の年収は、20代が400～600万円、30代は600～900万円、40代は700～1,200万円、50代は800～1,200万円範囲が目安。

20代、30代は個人間の給料の違いは小さく、年収幅は残業時間や通勤手当の支給額、扶養の有無によるところが大きい。

40歳以上の年齢層では仕事の評価や勤続年数に加えて、ポジション（役職）によって給料が大きく違ってくる。

製造現場（高卒）

製造現場は高卒を対象とする採用。年齢別年収の目安は上記の通り。全体では600～650万円と推定。

主な仕事内容は製造現場での業務。高専卒・大卒・院卒に比べると学歴で劣るため、同年代で比較すると給料も低い金額。

20代で300～400万円台、30代で450～750万円、40代で700～800万円台、50代で800～900万円が目安。

なお、高卒向けの採用は非公開で、学校指定推薦のみのエントリーとなっている。さらに、所属会社名も「キヤノン株式会社」ではなく、「キヤノンマシナリー株式会社」のような子会社になるのが原則。

最終学歴ごとの年収の差

キヤノンでは、公開募集では大卒・院卒および高専卒を採用。

初任給は最終学歴によって差が見られる。

ただし、入社後5年くらいを超えると勤続年数や役職、これまでの昇給幅によって年収が違ってくる。

院卒

キヤノンの院卒の平均年収は800万円前後になると推定。

初任給の時点で学部卒と修士了（院卒）では1ヶ月当たり23,200円の差がある。

基本給ベースのみで年間で278,400円の違いが最終学歴だけで生じる。この時点では基本給の1か月分ほどの違いしかない。

ただ、学歴の違いは賞与の計算方法でも表れる。ボーナスの基準金額は基本給ベースで算定される。

算出元となる基本給が高いほど賞与も高くなるため、大卒よりも平均年収＋50万円という計算で850万円ほどが平均と判断。

大卒（学部卒）

大卒（学部卒）の平均年収は750万円前後になると推定。有価証券報告書に記載の金額に近いと考える。

最も採用人数で多いのは大卒で、最終学歴としてボリュームゾーンのため、平均年収も750万円前後と判断。

キヤノンという同一企業の中では相対的に年収が低いものの、世間一般の大卒と比べると大幅に高いのは確か。

上記では機械メーカー業界の平均年収および給料体系について解説。